不登校になりやすい子どもの特徴・傾向

平成4年の文部科学省による報告では、不登校は子どもに特有の問題があるため引き起こされるのではなく、誰にでも起こりうるという認識が示されています。
ただ、不登校になりやすい子どもの傾向というものは確かに存在していて、それは以下のようなものであるとされます。

・わがままで自己中心的、協調性がない
・社交性がなく内向的である
・自発性や自主性、決断力がない
・忍耐力がない
・友人関係が薄弱
・あまり手がかからない子どもである

不登校になりやすい子どもには共通した特徴が見られるものの、子どもたちがなぜこれらの性格的特徴、傾向を備えてしまったのか、そこに至る背景や経緯に関して注意することも大切です。
生育環境や人間関係が大きく影響を及ぼしている場合もあるためです。

また、特徴の中に「手のかからない子ども」があることを意外に思った人もいるかもしれませんが、真面目で成績優秀な子どもでも、ある日突然何かを引き金にして不登校になるケースも珍しくありません。

不登校と発達障害の関連

子どもに発達障害があるからといって、必ず不登校や引きこもりになるということはありません。
ただ、周囲の理解の欠如や不適切な対応によって、人間関係がうまく構築できない他、学習についていくことができないといった状況が引き起こされ、不登校につながってしまう可能性があります。

子どもの不登校を解決するにあたって、背景にある発達上の特性や精神疾患による困りごとを無視してはいけません。
不登校の解決を目指す場合には、子どもに目を向けて、背景に疾患が隠されていないかを見極めるようにしましょう。

もしなんらかの疾患によって不登校が引き起こされている場合、その根本の問題に対処をしない限りは根本的な解決ができません。
例えば、発達障害の中の学習障害によって、文字を読むことが難しくテストで悪い点数を取ってしまったことをきっかけに不登校になった子どもがいたとします。

学習障害を無視して努力をし再登校することができたとしても、授業を受けているうちにまた同様の困難を抱え、不登校に至ってしまうことでしょう。

そうならないように、保護者は学校の協力を得て、文字を読みやすいように工夫を施したり、レコーダー等文字以外の方法で学びを支援するといった手段を取り根本的な原因に対処すべきです。
子どもに発達障害があることが判明しているのなら、事前に担任の先生および学校に子どもの特性を伝えておくことで、子どもが困難を感じる状況下について知ってもらいましょう。

保護者と学校の間にコミュニケーションがあることによって、適切な配慮を図ってもらいやすくなります。
ただ、子どもの特性に合わせた配慮が具体的にどのようなものを指すのかの見極めは難しいと感じることもあるでしょう。

そんな場合は、医療機関を含む専門機関の助言や指導に従って適切な配慮について学ぶのがおすすめです。