子どもと食事に関する親の悩みには様々なものが見られます。
お箸やスプーンがうまく使えないというものだけでなく、偏食をして好き嫌いが激しいという悩みも大きいでしょう。

子どもが偏食をするときは、頭ごなしに叱るのではなく、なぜ食べようとしないのか、どうすれば食べてくれるようになるのか、理由と対処法を冷静に考えるべきです。
そのためにも、まずは食事に必要な要素を知った上で、子どもがどの部分に抵抗を感じているのか解明しましょう。

偏食・好き嫌いが多い時の対処法

子どもが好き嫌いをする理由を大きく二つに分けると、「感覚の過敏さ」と「食わず嫌い」に大別できます。
後者は見た目だけで食べ物を嫌だと判断してしまうことによるものです。
では、それぞれについて具体的に見ていきましょう。

感覚の過敏さについて

感覚の過敏さによる好き嫌いには、食べ物の「味」「匂い」「食感」が受け付けない、もしくはある食べ物と別の食べ物が混ざるのが嫌だという場合が見られます。
慣れさせようと無理に食べさせることで嘔吐してしまうこともあるので、感覚の過敏さが好き嫌いの原因の場合は慎重になるべきです。

対処法としては、子どもが嫌いな食べ物のどの部分を苦手に感じているのか解明します。
例えば、食感が苦手だと思っているのであれば、別の食感になるように調理方法に工夫を施します。

人参の固い食感が苦手だという子どもには、すりおろした人参ペーストを使った料理を出したり、柔らかく煮込んだ煮物を食べさせたりすると良いでしょう。
子どもにとって受け入れやすい形にした上で料理に取り入れると、好き嫌いが解消する場合もあります。

食わず嫌いについて

食わず嫌いの場合、嫌いだと思い込んでいるだけで本当は好きな味だということもあります。
食べたことのないものに関して、目で見ただけで食感や味を推測することはほとんど不可能です。

また、食べたことのないものに対して、「誰がどこでどのように作ったものなのか」わからないことから食べるのに不安を抱いている場合もあります。

これを解消するためにできる工夫は、調理を手伝ってもらうことです。
子どもは調理の過程に自分が携わることで、食材をどのように使って料理が完成したのかを知ることができ、安心して食べられるようになることがあります。

例えばロールキャベツが苦手な子どもの場合、得体の知れない料理だと思って敬遠していると考えられます。
そんな時ロールキャベツができる過程を口で説明するだけでは好き嫌いを解消することが難しくても、一緒に料理をすれば不安を払拭できます。

中に何が入っていて、どんな食材を使っているのかを知った上で、火を通すことによる食材の変化を目の当たりにすると、苦手だったものも残さず食べられるようになるでしょう。
この食わず嫌いの克服方法においては、子ども自身が調理に携わったことで、自分の作った料理を食べてみたいという好奇心につながるのも良い点です。