皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「広汎性発達障害特徴」についてです。

みなさんは広汎性発達障害について聞いたことはありますか?

「発達障害の特性はASD(自閉症スペクトラム障害)とADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)だけじゃないの?」思う方がいるかもしれません。

そこで今回は広汎性発達障害の特徴や診断基準、治療法などを解説するので、参考にしてください。

広汎性発達障害の特徴

広汎性発達障害とは発達障害の一つで、対人関係やコミュニケーションへの障害こだわりや興味の偏りが極端であることを診断基準とします。

広汎性発達障害の特徴は、成長過程と環境の変化によって変化することです。

そこで本項では児童期以降に現れやすい広汎性発達障害の特徴を時期ごとに解説しました。

児童期(小学校就学~卒業)

児童期においては、主に小学校での集団生活・学習面において、次のような特徴が見られる傾向にあります。

集団になじみづらい

年齢相応の友人関係が築けず、周囲に配慮できず自分の好きなように振る舞ってしまう傾向にあります。

他人と関わるときは、要求がある時のみで、基本的に一人でいることを好むようです。

他人の気持ちや意図を理解するのが苦手な子どももいます。

臨機応変に対応できない

しっかりと定められたルールを好む人が多く、指示されたことを場面や状況に応じて臨機応変に対応することが苦手な傾向にあります。

状況説明をすることが難しい

言葉をうまく扱うことができず、単語を覚えることができても意味を理解することが難しいことがあります。

また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、想像したりすることも困難です。

以上のことから、うまく説明ができないこともあります。

思春期(小学校卒業~)

中学生以降の思春期においては、以下のような特徴が見られます。

話し方が不自然である

抑揚がなく、不自然な話し方をする子どもが多い傾向にあります。

これは、主にアスペルガー症候群を持つ子どもに見られる特徴です。

他人の気持ちや感情を読み取るのが苦手

コミュニケーション能力に難があり、他人が考えていることを読み解くのも苦手な傾向にあります。

雑談が苦手

はっきりとした目的のない雑談をするのが難しいと感じる子どももいます。

興味のある分野にはとことん打ち込み没頭する

広汎性発達障害の子どもは、物事に対して強いこだわりがあります。

自分の興味が向くことにはとことん没頭することが多く、興味のある分野で成果をあげることもあります。

広汎性発達障害とASDとの違い

現在、発達障害の診断基準にはDSM-5(アメリカ精神医学会発行『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)やICD-10(WHO発行『国際疾病分類』第10版」)があります。

DSM-5の5は5版の意味で、ICD-10の10は10版を示します。

DSM-4版以前においてASDは広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、などのように分けられていました。

そしてDSM-5に改定した際、それらをASD(自閉症スペクトラム障害)へ統一した経緯があります。

DSM-5では、ICD-10で広汎性発達障害の診断名が下されていたレット障害を除く全ての障害名が自閉症スペクトラム障害に統合されることとなりました。

以上の経緯から今後は、広汎性発達障害の診断が少なくなると予想されます。

診断基準等の情報は以下へ集約されていますので、参考にしてください。

「特定不能の広汎性発達障害」って何?本人や周囲の人が知りたい情報まとめ

診断を受けたい場合

広汎性発達障害に関して気になる症状がある場合は、医師に相談をし診断を受けることができます

医療機関では、診断基準に基づくテストや生育歴の聞き取り、本人のライフスタイルや困難に関する質疑応答など、話を聞いた上で総合的に判断が下されます。

「医師へ相談したいけれど予約が取れない」「いきなり診断されるのは不安」とお悩みの方は、相談窓口があるので活用してください。

相談先は以下の通りです。

  • 児童発達支援センター
  • 発達障害者支援センター
  • 精神保健福祉センター
  • 子育て支援センター
  • 児童相談所など

参考元:発達障害者支援センター・一覧

広汎性発達障害の治療

原因や治療は自閉症と共通するパターンが多いのが特徴ですが、必要な療育や支援、投薬は症状によって異なり、適切な診断が必要です。

しかし残念ながら、広汎性発達障害に効果のある治療薬は存在しません。(2023年5月現在)

一説では栄養バランスが偏った影響とも考えられ、ビタミン剤などを利用する場合もあります。

だからといって治療をせず放置しておくと、生活が満足に成り立たず人間関係崩壊などの困りごとが起きてしまいます。

困りごとが長引き、二次障害へ発展する場合は二次障害用の治療薬を処方されます。

二次障害とは

発達障害の特性が強く表れると、発達障害による困りごとの他にうつや依存症などといった精神疾患を引き起こす可能性があります。

まとめ

広汎性発達障害は、自閉症スペクトラム障害として診断される可能性があること、自閉症やアスペルガー症候群に類似した症状が出ること、相談先は多く存在することをメインにお伝えしました。

障害を抱える方が少しでも心地よい生活環境を手に入れられるようお祈りいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。