吃音の原因

吃音の原因は主に二つに分けられます。
小児期に、原因となる疾患がなく起こる発達性吃音と、疾患や心的ストレスが要因で起こる獲得性吃音です。

それぞれどのような特徴が見られるのか、詳しくまとめます。

発達性吃音

小児期にみられる吃音のほとんどは、この発達性吃音です。
吃音が見られる成人のうち9割以上は、この発達性吃音とされています。

発達性吃音は、2~4歳のときに発症することが多く、発達過程の症状であり、成長に伴って解消するケースも多く見られます。
成長後も長く症状が残る場合、原因としては遺伝的要因、発達的要因、環境要因が考えられます。
とはいえ、確定的な研究結果は未だ出ていません。

獲得性吃音

獲得性吃音は2種類に分けられます。

獲得性神経原性吃音

神経学的疾患、脳損傷などが原因で発症する吃音のことです。

獲得性心因性吃音

心的ストレス、外傷体験に続いて生じる吃音のことです。

いずれの吃音も、発症時期は主に10代後半以降とされています。

吃音に治療は必要なのか

幼児期に吃音が現れた場合、全体の7~8割は自然に治るとされています。
しかし、成人人口の1%には吃音が残ると言われています。

吃音の対応方法

吃音は、環境を調整したり接し方を工夫することで、話しづらさが軽減したり症状が悪化することを防げます。
ここでは、吃音の対応方法をご紹介します。

子どもにとって話しやすい聞き手になる

子ども本人のコミュニケーションをとりたいという意思を尊重し、伝えたい内容に注目して話を聞きましょう。
ここでは、話し方を期にする必要はありません。

もしどもっていても、指摘をせず伝えたいことが何かわかるまで待ち続けます。
ただ、この時間に子どもに焦りを抱かせてはいけないので、子どもも聞き手もリラックスできるよう、環境を整えましょう。

例えば、周りにいる人がゆったりとした話し方をしていると効果的と言われています。

子どもに共感しつつありのままの話し方を認める

どうしても言葉が出てこないようなら、子どもの様子を見て代弁してあげることで負担を減らせることがあります。
ただ、あまりにも先取りしてしまってはいけません。ほどほどにしましょう。

吃音について知ろう

周囲の人たちに、吃音について理解してもらうことも大切です。
言葉以外のコミュニケーション、意思表示の方法を準備しておくと、より子どもの心的負担を軽減できるでしょう。
例えば、絵や写真、文字を用いたコミュニケーション、答えを出すのに選択肢を用意したり、タイピングの利用、ジェスチャーの活用などが挙げられます。

もしできるなら、子ども本人とも吃音について話をしましょう。
楽な状況やコミュニケーションを取りやすい環境をヒアリングして、試すのがおすすめです。

この過程で、伝えたいことを伝えられたという自身を育むこともできます。

吃音には確立された治療法はありません。
しかし、呼吸や発声トレーニング、行動療法などに代表される、症状を軽減する方法はあります。

ただ、どの治療法が効果的かについては、個人差が大きくニーズによっても変化します。
まずはお近くの療育センター、病院のリハビリテーション科、耳鼻咽頭科や言語聴覚士などの専門家に相談してみましょう。