皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子のための教材について」です。

発達障害を持つ子どもの特性は様々です。そしてその中でも学校の勉強につまづきを感じやすい、周囲とどのようにかかわっていけばわからない、と思う子も少なくありません。

そんな子供たちのお悩みを解決するために、学校以外の教材などを利用することを検討する保護者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、その数は数多。しかも一人一人、苦手なものが違うのでどれを選べばいいか迷子になってしまうことも多いです。

今回はよく利用される発達障害のための教材について紹介します。

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青木
まず、発達障害とは何なのかもう一度おさらいしましょう。

発達障害とそのタイプ

発達障害とは、生まれつきの脳の機能障害が原因と言われています。

定型発達児童に比べて成長に偏りが出てしまうことで、生活に支障が生じてしまう障害の総称です。

その特性は様々で、それにより自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)などに分類されます。

ひとり一人その組み合わせや、重度は違うものになってきます。

ライター体験談

筆者の通う大学には、軽度のASDと軽度のADHDどちらも持つ人や、軽度のADHDのみ持つ人などがいます。

一方、筆者には重度のASDを持つ妹がいます。高校は卒業しましたが、その後も発達障害者の施設を利用している状態です。

このように、抱えている障害や人によって症状や特徴が異なるのです。

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青木
では次に、それぞれの分類がどのように学習に影響するのか詳しく見ていきましょう。
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大竹
それぞれの分類に見られる特性ですが、その分類に属する全ての人に当てはまるわけではない、ということを頭の片隅に入れておいてください。

自閉症スペクトラム症(ASD)

ASDは、周囲との関係・コミュニケーションに関する障害と言われます。

その主な特性は以下。

  • 言葉の発達の遅れ、自分の考えをまとめることが困難
  • 集団行動が苦手
  • 強いこだわりなどがある
  • 対人コミュニケーションを円滑に運ぶ言葉選びが苦手

言葉の発達の遅れは、特に学習面で影響してくるでしょう。

また、周囲のとの関わり方があまりわからないという子もいるので、強化学習以外にも生活面における勉強も必要になってくる場合もあるかもしれません。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

ADHDはその名の通り、注意が足りなかったり、じっとしていられないという特性があります。

その主な特性は以下。

  • 椅子に座っても立っていても小さな動きを続ける
  • 集中できない
  • 細かい注意が払えない(いわゆる”おっちょこちょい”とも言えます)
  • 物事を整理して考えることが困難

集中できないことの対象に、勉強はもちろん当てはまります。

また物事を整理して考えることが苦手である場合、勉強における自分の課題や解決方法などを順序良く見つけてはこなす、といったことが通常よりも難しいかもしれません。

学習障害(LD) ・ 限局性学習症( SLD )

読む、書く、計算するなどといった特定の能力が全般的な知的発達と比べると極端に苦手である特性があります。

以下がその例です。

  • 一つ一つの単語は理解できても文章だと理解できない、読めない
  • 数字の概念が理解できない、計算が困難
  • 文字や文章を書くことが困難

LD・SLDは勉強に間接的に影響を与えるASDやADHDと違い、特性そのものが直接的に勉強に困難を生じさせる、と言えるでしょう。

参照元:

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青木
では、教材の種類を紹介する前に、教材を利用することの長所・短所についてみていきましょう。

教材を与えることのメリット・デメリット

教材を与えることに、デメリットなんてあるの?と思われた方。

それぞれ比較してみましょう。まずはメリットから。

メリット

・発達障害児の得手不得手は様々。それに合わせて教材内容を変更したりなどが可能
・ADHDを持つ子の場合、集中力の持続が難しいので一つの単元を短く設定したりして学習を進められる
・自閉症を持つ子の場合、画像や動画を利用することによってより理解をしやすくなる
・LDがあり文字や文章の読みが困難な場合、キーボードから文字選択して部分分けすることができる(eラーニング利用の場合)

上記のように、様々な特性を持つ発達障害の子に対応しやすいと言えるのが、教材を利用する際の大まかなメリットです。

一方で、デメリットは以下となります。

デメリット

・使い慣れないものに違和感や拒否感を出すことも
・何かしらの感覚過敏がある場合、教材を購入しても使用できない状況に

感覚過敏とは、ある特定の感覚が通常よりも敏感で、生活に不便をきたすものを指します。

例えば、もし学習に使用するパソコンの画面が本人にとってまぶしすぎる、特定の音や感触が苦手で耐えられないといったことになると、その教材を利用することができません。

感覚過敏は人それぞれなので、購入する前に一度考慮しましょう。「我慢が足りない」と思われてしまいがちの感覚過敏ですが、本人がよく嫌がる環境やモノなどについて振り返ってみるといいかもしれません。

参照元:文部科学省teens

教材の種類

さて、次は発達障害の子に向けた教材の紹介となります。

繰り返すようですが、発達障害を持つ個人は、それぞれ様々な特性や重度を持ちます。

それなので、勉強に関しても本人にとって最適な方法が何かを模索する姿勢を忘れないようにしましょう!

ネット商品

発達障害の子向けの教材と調べてみると、まず個別で様々な商品がオンラインストアなどで紹介されているのを目にすると思います。

今回はそのいくつかを紹介します!

絵カード

発語があまりなかったり、音声によるコミュニケーションが難しいと感じる自閉症児やその他知的障害児に適したコミュニケーション方法が、この絵カードを用いたものです。

発達障害児の数ある特徴のうちの一つである「視覚優位」。視覚優位であると、耳から入ってくる情報の処理が疎かになります。つまり、言葉だけで指示してもあまり本人に上手く伝わらないのです。

ただ、そこで絵カードを利用すると、耳から聞こえてくる言葉の内容を絵カードを見ることによって視覚的に補うことができ、本人たちにとって理解しやすくなるのです。

この他にも、絵カードはパニックなどに陥ったADHDを持つ子に提示することによって「次は何をするべきか」「何をしてはいけないか」などの情報を絵で瞬時に伝える事ができます。

また、発達障害児は通常よりもワーキングメモリが弱いことが多いです。そのワーキングメモリを補うことができるのも、この絵カードであると言われています。

絵カードであれば、自分で作ることもできるのでは?と感じる方も中にはいらっしゃるかもしれません。ただ、この絵カードを保護者・保育者が作成するうえでいくつか問題が起きたようです。

例えば、絵にノイズが多かったり、一枚の絵に複数の意味を持たせてしまっていたり、というような問題点がでてきました。こうなると、子供たちも絵カードの意味を正しく理解できないことも多いようです。

上記のようなリスクも回避できるうえ、時間も労力も節約できるので、ぜひ一度絵カードの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

参照元:jstage

ライター体験談

筆者の妹も、小さいころからよくこの絵カードを学校や施設で利用しています。

言葉だけで伝えるよりも、はるかに絵カードを使った方が理解してもらえる確率が高いと感じています。

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知育おもちゃ

知育おもちゃについて、聞いたことがありますか?

最近では、モンテッソーリの教育法に基づくものが注目を浴びています。

この教育法はおよそ100年前に、イタリア初の女性医師となったマリア・モンテッソーリによって創始されたもので、知的障害児の教育に関わる中、「子供たちの感覚を使った新しい教育」として確立されました。

そんなモンテッソーリ教育ですが、子どもの自立や自分で考える力、集中力を育むといった効果が有名です。そしてスモールステップで子供たちの感覚に働きかける教材が多い。

集中力が続かないことが多かったり、また周りから否定されることも多い発達障害を持つ子どもたちにとって、このように取り組むことで達成感を味わうことのできるモンテッソーリ教材はぴったりであると言えるかもしれません。

参照元:ウチコト

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通信講座

通信講座と言えば、月単位で教材が届くというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

実際筆者も小学生のころ、通信講座をとっていました。しかし毎月やるべきテキストの量にやる気をそがれてしまい、結局続かなかったものです。

しかし、通信講座も今はずいぶんと進歩した印象を受けます。発達障害を持った子のために作られた物もできました。

では、その内容を見ていきましょう。

すらら

すららでは、eラーニング教材を利用しています。

その主な特徴は以下。

  • 見る、聞く、書く、読む、楽しむといった、様々なメソッドで勉強にアプローチ
  • 個別で特性・苦手分野を診断。それに合わせた難易度の問題を自動生成
  • 無学年学習
  • 「すららコーチ」が保護者と連携サポート

アニメーションなどによるわかりやすい説明やゲーム感覚で勉強を進められるよう勉強の進捗を可視化したり、AIによる子どもの学習行動のピックアップなど、子どもたちが継続して学べるような工夫がたくさんされています。

そんな中でも、すらら最大の特徴は、「すららコーチ」と呼ばれる生徒保護者のサポーターの存在ではないでしょうか。

彼らは子どもの特性を事前ヒアリングした後、生徒の日々の勉強設計をしてくれます。また、子どもが学習中にあった質問にも答えてくれます。

そして、自宅でその様子を見守る保護者とも日頃からラインなどでやり取りをし、アドバイスや提案を行ってくれるのも彼らです。

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青木
通信講座では、親もどのように子どもの自宅での学習をサポートすればいいのか悩む方も多いと思います。すぐに対応できるアドバイザーがいてくれるのは助かりますね

すららのウェブサイトはこちら

天神

「天神だからできたこと」のCMでおなじみの天神。

その特徴は以下。

  • 無学年学習
  • 登録した学年の1~3学期分の教材が利用可能
  • 分かりやすい学習の画像や動画
  • 一問一答メソッド

天神の eラーニングは、日本e-Learning 大賞でグランプリを受賞するほどの実力があります。

中でも最も特徴的であると言えるのが、一問一答メソッド。

その名の通り一問ずつヒントの提示、答え合わせと解説をしてくれるので勉強に集中しやすいです。

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大竹
子供は問題が全て終わって答え合わせをせずに勉強を終えてしまったり、答え合わせをしていても最初の方にやった問題をどのように解いたのか覚えていないことも多々あります。
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青木
そういったことをなくして、集中して効率よく勉強するのにぴったりなメソッドなんですね!

また、一問正解するごとに子どもをほめてくれるという点も見逃せません。

発達障害を持つ子どもは周囲から理解されずに怒られたりしてしまう子が多いです。そのため、彼らの生活の中で「ほめる」という行為は非常に重要になってくるのです。

天神のウェブサイトはこちら

四ツ谷学院

もう少し具体的に言うと、四ツ谷学院療育通信講座となります。

その特徴は以下。

  • 武蔵野東学園と提携して作成した、療育55段階プログラム
  • 専任担当制
  • 教材は非デジタル
  • 小学4年生まで

療育55段階プログラムとは、自閉症児教育の世界最高権威といわれる武蔵野東学園のノウハウを、四谷学院が家庭でも行えるように体系化したものです。

つまり、この通信講座は発達障害のなかでも自閉症を持つ子が特に適しているものだと言えるでしょう。

専任担当制により個別サポートが充実しており、月に一度保護者とのやり取りを行っています。更には受講中に一度だけ、武蔵野東学園の先生とも直接電話で相談をすることができます。

早期療育を重要視しているため、2歳から小学4年生までのコースまで提供しているようです。

四谷学院療育通信講座のウェブサイトはこちら

データベース

発達障がいの子のための教材はたくさん世に出回っているけれど、ありすぎてどんな教材が自分の子に合っているのかわからない!

そんな悩みをもつ発達障害の子どもを持つ親のために作られたデータベースがあります。

発達障がい児のためのサポートツール・データベース

発達障がいの特性は多様であるにも関わらず、多数あるその教材や教具などは最近まで体系的に整理されていませんでした。そのため、個人の特性に見合った教材を見つけるのが難しい状況だったのです。

そんなばらばらであった教材をまとめてくれたのが、このデータベース。全国LD親の会によるものであるそうですが、この作成には保護者の他にも教師、研究者、作業療法士も関わったそうです。

ここでは国語、算数などと言った教科学習だけではなく、社会学習、運動学習などのための教材も含まれています。また、欲しい情報が見つけやすいように検索区分も3つもあるので、ぜひ一度訪れてみてください。

データベースはこちら

公的なサービス利用

通信講座をとっていなくても公的なサービスを利用していれば、そこで勉強をさせてくれる施設が多いです。

通信講座と公的なサービスには、以下のような違いがあります。

  • オンラインだけではなく、オフラインでの交流ができる
  • 発達障がいを持った子どもは他の自分と同じような境遇の子供たちと交流するので、他者との関わり方・集団生活を実践的に学べる
  • 保護者も子供を預けることができるので、子育てから一息つくことができる
  • 基本的に教科学習の他にも社会学習や運動学習も行う

発達障がいを持つ子どもたちへのサービスは今や全国各地で行われています。

そして放課後デイサービスアップも、多々ある公的なサービスのうちの一つです。

放課後デイサービスアップ

放課後デイサービスアップでは、発達障がいを持つ子どもに対するデイサービス事業を行っています。ここでは、「集団生活の中で生きる力を身につけさせる」を理念としています。

国語や算数といった教科学習だけではなく、運動プログラムによる身体の動かし方などを通じてその理念の実現を目指しています。

また、パソコン教室も開いており今の時代にぴったりです。

平日は学校が終わるごろの時間から、土日・祝日は午前から午後までプログラムが行われています。ぜひ一緒に、お子さんの成長を促すお手伝いをさせてください。

ライター体験談

筆者の妹も、高校生のころはデイサービスを利用していました。

「一日に一度は外出したい!」と感じる妹にとって、このように家と学校以外の場所に通える場所があるのはとても良かったと思います。

学習教材も与えてもらい、家で復習などをすることによって知っている単語も増やすことができました。

母もまた、妹を預けている間に自分の時間が持てると喜んでいました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

発達障がいといっても、個人によってその特性、特性の組み合わせ、重度など、様々な要素を考慮する必要があります。

そんな個人の苦手や強みを分析しながら、継続しやすいデザインに作られた通信講座は以下。

  • すらら
  • 天神
  • 四ツ谷学院

多々ある教材の中から最適なものを見つけるためのデータベースは以下。

  • 発達障がい児のためのサポートツール・データベース

また、公的なサービスを受けるながら教材をもらうことも可能です。

もし身近なサービスが分からない、という場合、ぜひ以下の機関に連絡を取ってみて下さい。

また、SNSやインターネット上で似たような境遇の方を見つけ、参考にしたり、場合によっては話したり質問することもできます。

以上のように発達障がいの教材には様々なタイプが存在します。

最初は数に圧倒されてしまうかもしれませんが、まずは子ども個人の特性、性格を考慮することを忘れないようにしましょう。

そこからどんどん数をしぼって、詰まったら上記の機関や公的サービスなど、手助けしてくれる場所があるということを忘れないでください。