皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害・文字・特徴」についてです。

子供さんが文字を書く機会が増えるのは小学校時代です。授業中に習い、宿題にひらがなや漢字の書取り練習がたくさん出されます。

そこで、お子さんが見本通りに書き写す宿題に戸惑ったり、授業で書いた文字に特徴があったり、先生からの直しの多さが気になっていらっしゃる親御さんはおられないでしょうか?

発達障害の特性の一つに“書字障害”が挙げられます。もし、この障害の為にお子さんが困っていたとしたら、親御さんの関わり方が変わってくると思います。

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青木
では、書字障害の特徴とその対処として行動できることを挙げていきます。

文字を書くことが難しい‥書字障害とは?

発達障害にはいくつかの種類があります。その中で、文字の書き方や書くことに困難さを示す“書字障害”を呈する発達障害は学習障害(LD)の方に主に見られる特性の一つです。

学習障害とは、知的な遅れや視聴覚の障害がなく、教育環境も整っておりまた本人の努力にも問題がないにもかかわらず、「読み書き」や「計算」など特定の領域で学習の遅れがみられる状態を指します。

国立精神・神経医療センター

他にも、注意欠陥多動性障害(ADHD)や他の発達障害に於いても表れることがあります。

LDやADHD、他の発達障害の原因は未だ解明されていません。生まれもった脳の働きの偏りによるもので、“子育て”に問題があるということはありません。

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大竹
ですので、お子さんが発達障害と分かった時、育て方に問題があるのではと悩まないで下さい。

書字障害に見られる具体的な特徴

書字障害を具体的な場面を抜粋して挙げてみます。

書字障害に見られる特徴

・黒板の文字をノートに写すことが難しい→形がバラバラ、鏡文字になるなど
・教科書の文字をノートに写すことが難しい
・文字が特徴的
・手本をなぞることができても、自分の力だけでは困難
・マス目や行から文字が大きくはみ出す    
・文字を書くのに相当な時間がかかってしまう         など

上記は一例です。また、発達過程に見られる現象(鏡文字は幼稚園位の子供に見られるケースがあるなど)もあります。

ですので、一つでも当てはまれば障害を疑うべきということでもありません。

しかし、気なった方は小児を対象とした心療内科や精神科クリニック・病院、地域の発達支援センターなどにご相談されても良いと思います。

また、国立精神・神経医療センターがHPで掲載している書字障害についてのチェックリストもご参照下さい。チェックリストをご参照頂いてから具体的なご相談に結びつけても良いと思います。

書字障害によって起こり得る困りごと

努力が足らないと思われる

障害からくるものだと気づかれないケース。本人が最大限の努力をしているにも関わらず、努力でカバーできるものと思われます。その結果、励ましが本人の重荷になってしまうことがあります。

先生に文字の直しを頻繁にされる

うまく字を書けない‥学校の先生はその子の力を伸ばす方に協力します。その結果、漢字ノートが修正の為の赤ペンだらけになってしまいます。それが毎度続くと羞恥心を抱いたり、その子のやる気が失せてしまったりします。

聞き取ったことをメモに起こせない

耳からの聴覚情報を聞き取ることが苦手で書き取ることが難しく感じる子もいます。小学校の授業でメモの取り方を練習する機会があります。どの子も授業で初めて経験するので、なかなかうまくいきません。ですが、聞き取りが苦手な子は他の子と大きな差ができてしまいます。

LDは知的な遅れが見られないので、書字障害があるのでは?と気づいてもらいにくいのです。

ですので、努力で何とかカバーできるのでは?と大人は励ましたり、その子に期待する余りに叱ってしまうこともあると思います。

その子なりに精一杯なので、励まされたことが反対に重荷になり、無気力になったり、イライラしたり、更にうつ症状を呈する子もいます。

書字障害かも‥どこに相談すればいい?

お子さんの文字の書き取りが気になる‥それが書字障害ではないとしても、早目に相談されることをお勧めします。

まず最初に挙げられるのが、小学校の担任の先生や学校に在籍しているスクールカウンセラー、養護教諭に相談することです。

しかし、いくら学校の先生であってもカウンセラーであっても、相性が合う合わないということもあると思います。

話してみたけれど、少し話しにくい感じがすると思われたら遠慮することなく他の所でご相談されることをお勧めします。

他に挙げられるのが、地域の発達支援センターや放課後デイサービスなどでのご相談です。まずはお電話で問い合わせて頂ければと思います。

放課後デイサービス アップでは、お子さんの文字の書き取りについて、また、日常・学校生活に於いての心配事や困り事についての支援も行っております。是非、HPをご参照頂き、お気軽にご相談下さい。

書字障害の対処法

その子によって、文字を書く際の困りごとは違います。それによって対処も異なってきます。

文字に特徴があったり、書くことそのものが大変だったり‥

書字障害とはどのようなものなのか、その子が見えている世界はどのようなものかを分かり易く紹介・解説している動画をご紹介致します。是非、ご参照下さい。

書字障害を軽くする為のトレーニング方法は様々にあります。また、家庭学習で役立ちそうなアプリもあるとのことです。

ネットで検索した結果、扱い易いアプリの具体的な情報を拾うことができませんでした。他に、親御さんのオリジナルのトレーニング方法でアプリなどを活用し、書字障害を克服された例もありました。

その子に応じたトレーニング方法そのものや、ヒントを得るには発達支援センターなどで相談されるのが近道なようです。他に特定非営利活動法人全国LD親の会で相談することも可能のようです。

対処行動

親御さんが、他にもできる対処行動を考えました。以下をご参照下さい。

書字障害のあるお子さんに親御さんが対処できること

・発達支援センターなどで具体的な相談をすること。
・相談した内容を、主に書き取りの場面が学校の先生の方にも伝える。
・具体的なサポート方法を学校の先生と共有させてもらう。
・学校で対応可能なサポート方法を共有させてもらう。
・家庭学習で親御さんがフォローできることを抽出しおく。
・その上で分からないことや、困りごとを先生や発達支援センターなどで相談する。

学校の先生であっても、最初からお子さんの書字障害に気づきにくいものです。また最初から障害を疑って関わるということはないので、余計に気がつきにくいのではないでしょうか。

そうすると、先ほどお伝えしましたように“期待する余りに熱心になる“ことで子供さんへの心身への負荷が高くなってしまうことが考えられます。

周囲から促されるまでに、親御さんの方から発達相談や検査を希望されてみることも可能です。そこで、診断内容や学習する上での助言を先生に伝えることで、お子さんにとって必要な指導や合う勉強法に協力してもらえます。

また、状況や相談内容によっては特別支援学級への選択につながるケースもあります。

まとめ

お子さんの書き取りについて取り上げてきました。

文字の書き取りは習得に個人差が生じるものです。ですので練習すればいつか書けるようになるものではないかと誰もが思うでしょう。

身近にいらっしゃるご家族が、お子さんから発せられるサインに気付いたら迷わずまた、抱えこまずに“相談”して頂ければと思います。

また、周囲の方からのサインにも耳を傾けて頂き、必要な時には先ほど記述しましたように早めの相談をして頂ければと思います。