皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子の姿勢について」です。

発達障害を持った子どもの特徴の一つとして、「姿勢があまり良くない」という点が挙げられます。

実際、筆者の妹も重度の自閉症を持っていますが、姿勢がよくありません。長年、家族で彼女に姿勢を正してもらおうとはしてきましたが、なかなか難しいようです。

一体これはどうしてなのでしょうか?

今回は発達障害と姿勢の関係、その理由、そして解決方法について記していきます。

発達障害と姿勢の関係

「そもそも、発達障害と姿勢って、何か関係あるの?」

「姿勢の悪さは、障害とかは関係なく個人の問題なのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。発達障害と姿勢には、ある障害が関係している可能性があると言えます。

それは、DCD「発達協調性運動障害」です。

このDCDは、発達障害に分類される自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)を抱えた人に併発しやすいと言われています。

超早産児の20〜50%に精神遅滞や発達障害を認めるとされ、注意欠陥・多動性障害(以下AD/HD)や学習障害(以下SLD)では50%、自閉症スペクトラム障害(以下ASD)では約40%という高い確率で協調運動障害を併発するとされている。

引用元:J-STAGE 発達障害児の姿勢制御の特性について

では、このDCDと発達障害はどういう障害で、抱えている人にはどのような悩みがあるのかご存知でしょうか?

近年のメディア特集などで「名前を聞いたことはある」という人は多くいます。ですが、詳しい内容まで把握している人は少ないのが現状です。

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青木
それでは、まず「発達障害とは何か」という事から、少しずつ解説していきます。

発達障害について

発達障害とは、先天性の脳機能障害が原因と言われています。これによって定型発達児童と比べて成長に差が生まれ、生活に支障が生じるほどの影響を受ける障害の総称です。

その特性は様々で、それにより自閉症スペクトラム症(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、などに分類され、他にもチック症、吃音の症状など様々です。また、その組み合わせや重度も個人によって差があります。

そして、その様々な特徴のうちの一つに、「姿勢があまりよくない」というが挙げられるのです。

しかし、姿勢が悪い人=発達障害とは限りません。

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大竹
つまり、姿勢が悪いからといって発達障害とは言いきれないんです。

主な発達障害

ASD:自閉症スペクトラム障害

アスペルガー症候群もこれに含まれる障害で、主に他人とのコミュニケーションに関する苦手部分が多い特徴があります。

  • 空気を読んで発言することが苦手
  • 相手の目を見て話すことが苦手
  • 相手の気持ちを読み解くことが苦手 など

ADHD:注意欠陥・多動性障害

注意散漫で、気になったモノには我慢できず行動に移してしまいがちな特徴があります。

  • 団体行動から逸れてしまいがち・迷子になりやすい
  • 教室の席にジッとしているのが苦手
  • 列に並ぶことが苦手・先頭に割り込みがち など

LD:学習障害

知的障害が無いものの、文章の読み書き、簡単な計算や暗算、物事の推理や推測が苦手な特徴があります。

  • 本の朗読が苦手
  • 単語は読めても、文章になると読めない
  • 情報を正しく整理することに時間が必要となる など

参照元:厚生労働省 -みんなのメンタルヘルス-

チック症

急に大声を出したり、肩をすくめたりなど、特に意味や目的は無い動作をしてしまうことで生活に支障が生じてしまう病気です。

生活環境や日々のストレスなどにより発症する場合がありますが、詳しい原因に関してはまだ解明されていません。

  • 瞬きを繰り返す
  • 奇声を上げる
  • 肩をすくめる など

このチック症は成長に伴い改善する場合があります。しかし、この症状が蔓延化する場合もあるのです。その際には「トゥレット症候群」と呼ばれます。

参照元:チャレンジド・アソウ チック症とは?原因と症状の種類、診断基準と治療法、受けられる支援

吃音

発話障害のひとつで、通常の会話のように「声が滑らかに出せない症状」です。幼児期に発症する場合が多く、この際には発達性吃音とも呼ばれます。

  • 上手に言葉が出ない
  • 言葉がどもる
  • 言葉を繰り返してしまう など

吃音に関して呟いているツイートを見つけましたのでご紹介します。

発達障害に関する書籍

全員に限ったことではありませんが、発達障害を抱えた子供は「強い拘り」を持った場合が多く、納得できない事があると癇癪を起こしやすくなります。

理由が分からないと対応にも困ってしまい、保護者としても大変です。

発達障害に関する書籍は多数出版されています。発達障害の知見を深めておくことをおすすめします。

発達障害 僕にはイラつく理由がある!posted with ヨメレバかなしろにゃんこ。/前川 あさ美 講談社 2019年08月08日頃 楽天ブックスAmazonKindle

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青木
次にDCD:発達協調性運動障害について解説していきますね。

DCD:発達協調性運動障害とは

発達性協調運動障害とは、麻痺などといった神経的な異常がないにも関わらず、協調運動に困難を感じ、私生活に支障をきたすものを指します。

協調運動?

ここで言う協調運動とは、身体のいくつかの部位を同時に個別で動かす運動のことです。例えば、「縄跳びを跳ぶ」という動作は協調運動の一つです。足、腕、目、複数の部位を同時に動かすからですね。

そして、この協調運動は二つのグループに分けることができます。それは、大きな動作を起こす「粗大運動」と、細かい作業をする「微細運動」です。

粗大運動と微細運動?

例えば、姿勢を保つことや寝返りを打つことなどは、粗大運動と区分されます。一方、ひもを結ぶ、字を書くといった手先を使うことは微細運動に区分されるのです。

そして、協調運動障害は個人によってその症状は様々。例えば、ある人は粗大運動が苦手であったり、またある人は微細運動が、また別の人は協調運動全般が苦手、ということもあります。

つまり、発達障害を持つ子の姿勢が良くない場合は、協調運動障害で粗大運動が苦手である、という理由が考えられます。

ライター体験談

筆者の妹も長いこと、姿勢を正すよう父親が口頭で伝えたり、実際背中と肩を押して正しい姿勢を教えようとしてきました。

しかし、結局それもうまくいかず…。

障害が原因である姿勢の悪さは、そんな簡単には矯正することはできないようです。

このような姿勢の悪さから、発達障害を持つ子が周囲から「やる気がない」「気合が足りない」などと思われてしまう事も少なくはありません。しかし、その認識は間違いなのです。

発達障害やDCDの影響により、綺麗な姿勢を維持することが難しい為と言えます。

しかし、発達障害やDCDは外見からでは判断が難しいのが特徴です。これにより日々ストレスを感じて過ごしている人は少なくありません。

このDCDに関する書籍が出版されています。知見を深める為におすすめの本です。

発達性協調運動障害の評価と運動指導posted with ヨメレバ新田收 ナップ 2018年11月 楽天ブックスAmazonKindle

二次障害について

先ほど言ったように、姿勢の悪さ以外にも、発達障害を持つ子にはそれぞれ様々な特性があります。

そういった特性に関して保護者をはじめとした周囲の人々から叱責などを多く受けたり、理解されずからかわれたり、仲間外れにされる扱いを受ける子供は少なくありません。

このようなストレスに晒されてしまうと、それは二次障害を引き起こしてしまう原因となるのです。

二次障害とは、自分に対する精神的な問題である「内在化障害」と、その精神面の葛藤が外部へ向けた行為として表現される「外在化障害」の二つに分けることができます。

内在化障害の例としては不安障害や抑うつ、外在化障害の例は暴力、怠学などが挙げられます。

周囲の理解と協力によってこの二次障害を防ぐことは決して難しいことではありません。

なので、日頃からそのようでいるように努め、本人の過ごしやすい環境作り・できることに注目してほめる、などということを意識していきましょう。

姿勢の改善方法

では、一体発達障害を持つ子の姿勢を改善するにはどうすれば良いのでしょうか。

その方法について記していきます。

抗重力運動を定期的に行う

姿勢を保つためには、やはりある程度の筋肉が必要です。特に抗重力筋を意識して行う必要があります。

地球に重力があるのはご存知の通りです。抗重力筋とは、普段生活に必要な筋肉で、地球の重力に対し姿勢を保つ筋肉を言います。

発達障害の子の姿勢があまり良くないのはもちろん、併発することの多い協調性運動障害が原因の事も多いですが、このように筋トレをすることで少しずつ改善してくれるかもしれません。

ライター体験談

筆者の妹も、週に何回かは母親と一緒にスクワットなど筋トレをするようにしています。
無理やり嫌なことをさせてしまうのも本人のストレスになってしまうので、少しずつ、無理のない範囲で行っています。

抗重力運動に関するエクササイズ動画がありましたのでご紹介します。動画そのものは1分程度と短くまとめられていますので、気軽に視聴も可能です。ぜひ参考にご覧下さい。

ジャンプする

感情が高ぶった際、飛び跳ねて喜ぶ動作をすることがあります。子供の場合、何気ない事でもジャンプして感情を表現する事もあるでしょう。

このジャンプこそ、地球の重力に逆らいつつ運動している抗重力運動のひとつです。

ここでおすすめしたいのはトランポリン。

トランポリンで飛び跳ねる運動を行うことで、通常では得られない空間認知の刺激や抗重力運動を併せた有酸素運動など、子供にとって楽しみつつ様々な効果が期待できます。

参考元:All About 健康・医療 いちばんの抗重力運動「飛び跳ね」のススメ

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青木
発達障害を抱えている子供に対し、様々な刺激を与えて成長を促進することが大切なんです。
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大竹
ただDCDの影響により、トランポリンで遊ぶことが難しい可能性はありますので、注意は必要です。

商品の力を借りる(正しい姿勢をキープする)

最近では、小さい子供や障害を持つ方々が正しい姿勢で作業ができるような学習机や椅子の研究・開発が行われています。

また、正しい姿勢をキープする椅子が開発されています。姿勢を正しくするには、まず身近の環境から変えてみる方法も良いでしょう。

参考元:tobiraco 体幹の弱い子がラクに座れて姿勢をキープできる椅子

さらに、ネットショッピングでも姿勢改善を目的とした商品がありましたのご紹介します。

MTG ボディメイクシート スタイル レッド正規品(1台)posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

姿勢を改善することにより、課題や勉強などをする際も集中力が高まるという効果もあるので、一石二鳥ですね。

思い悩んだら

「子供が発達障害かもしれない…」

「発達障害って誰に相談したらいいの?」

子供の育児は大変です。発達障害を抱えているとなれば、その苦労は計り知れません。このような発達障害を抱えている当事者やその家族に対し、支援する専門機関があります。

これらの支援機関は全国に展開されています。なのでお近くの支援機関の利用が最適です。発達障害に関する相談を含め、様々な悩みに対応してくれるおすすめ機関です。

ただ、支援内容は各地域の支援機関によって異なります。ご利用前に確認しておきましょう。

SNSを活用する

近年ではスマホ普及により、TwitterやInstagramなどSNSによって自身の情報を発信している人は多くいます。

発達障害に関しても例外ではありません。イベント開催の告知や発達障害に関する悩みを打ち明けている人は少なくありません。

https://twitter.com/Kojirase_tencho/status/1145887110978650112

SNSで情報を交換し、「気持ちが楽になった」という人は多くいます。

放課後等デイサービスという方法もある

高齢者の介護をイメージしてしまう人は多いかもしれませんが、発達障害を抱えた児童を対象にしたデイサービスを行う事業は多くあります。

障害を抱えている子供にとって過ごしやすい療育環境があり、さらに保護者にとっても休息が取れます。

運動・学習療育アップでは、上で紹介したデイサービス事業を行っています。

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青木
ぜひ一度ご覧下さい。何かお手伝いできるかもしれません。

まとめ

【発達障害と姿勢の関係】

  1. 発達障害を持つ子は、発達性協調運動障害を併発する確率が高い
  2. 理解すること、周囲の環境作りによって二次障がい防止に努める

【姿勢の改善方法】

  1. 基本的な筋トレを無理のない範囲でしてみる
  2. 抗重力運動がおすすめ
  3. 姿勢改善のために開発された商品の力を借りる

いかがでしたでしょうか。

発達障害を持つ子の姿勢が悪い、という特徴には、実は上記のような理由がありました。

思い込み・決めつけなどはいったん手放し、常に「なぜそうなのか?」と相手を理解しようと努めましょう。そうしてお互いに過ごしやすい環境を一緒に作っていきましょう!

お読みいただき、ありがとうございました。