皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」という本についてです。

発達障害をもつお子様の子育ては特に工夫が必要とされますよね。

そんな中「全然子育てがうまくいかない・・・」「これでいいのだろうか?」と日々頭を悩ませている方はとても多いです。

この本には発達障害をもつ子どもへの具体的な接し方が様々な場面で描かれており、「お守りとして持っている」という口コミがあるほど評判です。

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青木
今回は内容を一部ピックアップしてお伝えします。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけはとても役立つ本

著者の「shizu」さんが、3歳の時に自閉症と診断されたお子様の子育て経験と自閉療育アドバイザーとしての方法をまとめられた本です。

子どもの小さな「できた!」の成功体験を積み重ねていき、自己肯定感がみるみるはぐくまれていきます。

2020年6月の時点で16万部を突破しています。

4コマ漫画もあり、とても分かりやすいと評判です。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけposted with ヨメレバshizu/平岩 幹男 講談社 2013年12月 楽天ブックスAmazon

著者の「shizu」さん

shizuさんのお子様が自閉症と診断され、言葉が遅れていたそうです。shizuさんご自身も幼いころ「場面緘黙(かんもく)」の症状があったそうです。

shizuさんはお子様に対して「間違った方法で接したためにお子様の場面緘黙が悪化した」「適切な方法を知らなかった」と言われています。

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大竹
ご自身の「失敗談」を同じ経験をしているお母さんお父さんに役立てたら、という思いがつまっています。

こちらはshizuさんご自身のブログです。

 ちょっとしたコツでお子さんの「できない」が「できる」に変わったり、親のイライラがなくなったり、親子に笑顔が増えます。 

引用 「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」著者

特に読者の「お母さん」に対するshizuさんの優しさ、温かさがとても伝わります。

読んだ方の評価

レビューを見ていると、とても高く評価されています。私もとても学ばせていただきました。レビューの一部をご紹介するので参考になればと思います。

良い評価

・癇癪の回数が減り、お互いに意思疎通ができるようになった
・イラスト・マンガがあり読みやすい。ちゃんと裏付けのコメントもある
・良いパターンと悪いパターンの比較があり分かりやすい
・当たり前のことだが、その当たり前のことが出来ていなかったと振り返ることができた
・発達障害ではなくても役に立つ

「分かりやすい」「すぐにやってみることができた」などと、とっつきやすさの評価が多くあり、放課後等デイサービスで働いている方からのレビューもありました。

良くない評価

・自閉症の子に特化していると感じ、うちの子には合わなかった
・小さい子に適している
・多忙な生活の中でなかなかできない

「子ども」といっても小さいお子様なほど有効であること、ADHDをもつ子には向いていないなどのレビューもありました。

お母さんが楽になることが大事

何よりも大事なことは、お母さんが楽になることだと私たちは思っています。

怒ったり叱ったりすると、とても疲れたり「あれでよかったんだろうか・・」といつまでも悩んでしまい、落ち込む子どもを見て自己嫌悪になってしまったり・・・こんな話を本当によく聞きます。

この本から学んだことを使っていくと、怒ったり感情的になる必要があまりなくなります。

お母さんの声

「前より怒ることが減った」
「叱るよりほめる方が私も嬉しい!」
「この子はこの行動をしてどうしたいんだろう?と考えるようになったから、自然と怒る必要がなくなった」

このような声を実際に聞いています。

発達障害に関しては下記の記事で詳しく書いてあります。

認知度の低い場面緘黙

shizuさんは自閉療育アドバイザーとして、場面緘黙を広める活動を
かんもくネットに所属し電話コンサル、講演会、セミナーなど様々な形でされています。
「今の子どもの姿がすべてではないよ」というメッセージを伝えておられます。

本書では主に「ABA(応用行動分析)」というやり方を重視しています。

ABA(応用行動分析)とは

親からの適切な言葉かけで、良い親子関係をつくりながら、子どもの問題行動を減らし適切な行動を増やすやり方です。主に自閉スペクトラム症の療育に非常に有効だとされています。

ABAの改善効果は、世界中の大学・研究機関での長年にわたる研究データによって実際に証明されており、非常に科学的で信頼性の高いものである、という点です。なかでも米国UCLAのロバース博士らの研究チームが開発した「ABA早期集中療育(早期集中行動介入、EIBI)」という方法は、自閉症の症状の改善に画期的な効果を上げて注目されています。

引用 発達障害の子どもの「できた!」を増やすABA療法とは?
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青木
家庭だけではなく施設などでも多く活用されています。

毎日の生活の中で使える方法

発達障害をもつ子どもの子育ては一つ一つの行動に困ることがかなり多いですよね。ABA(応用行動分析)は、その日常の生活にこそ役に立ちます。例えば

  • 手を洗うとき
  • 着替えをするとき
  • 料理や食事をするとき
  • 遊ぶとき
  • お店に買い物に行くとき

などと、日常の中ですぐに使える方法です。

発達障害の子どもの困った行動について「予防」と「対策」ができることを解説されている動画です。

「ガチャガチャがしたい!」と駄々をこねる場面など、とても分かりやすいです。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ

こちらの本には第1章から第9章まであります。ここでは第1章から第3章までの一部を私たちの経験を交えてお伝えしていきます。

第1章 ABAを利用した言葉かけのすすめ

子どもがお手伝いをしてくれた時に、発達障害をもつ子どもは上手にできなくて叱られることが多くなりがちです。

しかし子育てで大事なことは「自信をつけさせて笑顔を増やすこと」だと私は思っています。

課題を小さく分ける

例えば「テーブル拭き」をする時たくさんの課題があります。

  • 布巾を折る
  • 布巾を濡らす、絞る
  • テーブルのはしっこから拭く
  • 布巾を洗って絞って干す

こんな風に細かく分けて「布巾を上手に折れたね」などとその都度ほめてあげると良いですね。

ほめることと感謝すること

たとえ上手にできなくても子どもの「やったよ!できたよ!」という気持ちを大事にし「ありがとう」や「助かったよ」と感謝の気持ちを伝えることは、ほめること以上に子どもの自信がつくことにつながります。

途中でうまくいかなくても、最後は成功して終わるということも大事です。

良い関係をつくる

親子の間に信頼関係をつくることは、とても大切です。私たちもまず第一に信頼関係をつくることを目標にしています。

「最終的には絶対自分の味方になってくれる」という安心感があることが理想ですね。

怒ったり叱ったりと良くないところにばかり注目していると、親子に不信感できて指示が通らなくなったり、反抗的になったりします

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大竹
なんだかうまくいかないな、関係が良くないなと感じたら、「子どもの良いところを注目しよう」というサインだと思うことに私はしています。

第2章 ABC分析で子どもに対するイライラを減らそう

ABC分析

ある行動を、「その行動の前の状況」「その行動」「結果」
と3段階に分けて見ていくことです。
客観的に見ることで、どうすれば良いか?と改善策を考えることができるようになります。

困った行動への対応

公園に遊びに行った時に、「そろそろ時間だから帰ろう」という状況になり

「まだ遊ぶ!帰らない!」と駄々をこねた子がいました。よくある光景ですね。

ここで「駄々をこねるから仕方なくもう少し遊んで帰ろう」としてしまうと、子どもは「駄々をこねたらまだ遊べる」とその行動を強化してしまいます

そのことを思い、私たちはグッとこらえて帰る準備をしました。その駄々をこねた子が少し落ち着いた時に「よくこらえたね!」と言葉かけをしました。

こういったことを繰り返すことで子どもは「駄々をこねずに我慢をする」という行動を強化し、駄々をこねないようになっていきます

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青木
最後に「よく我慢できたね」とにっこり笑って言うことをとても大事にしています。

先述したように、ほめるのも良いですがそれ以上に「ありがとう」ということに子どもはとても勇気づけられると言われています。

第3章 ほめ上手になろう

最近ではほめることを推奨されていることが多いですよね。いたるところで「ほめて伸ばそう」という文字を見かけます。

けれど、中には「うちの子にはほめるところがありません」と言われるお母さんもいます。頭ではほめた方がいいと分かっているけれど、実際にほめるのは難しいですよね。

当たり前のことをほめる

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大竹
ほめるコツは、特別なことをした時ではなくて「当たり前のことをほめる」ことです!
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青木
朝起きて「おはよう」と子どもが言ってくれたら「あいさつしてくれて気持ちいいね!」ということで良いんです。

極端かもしれませんが「居てくれるだけで嬉しいよ」というメッセージを態度で表すと子どもはとても元気になります。

子どもに限らず、大人でもそう思ってもらえるととても嬉しいですね。

こちらの動画では発達年齢に応じたほめ方を解説されています。

動画の中にもありますが小学校中学年以上になってくると「すごいね!」「えらいね!」とばかり言うと「バカにしてるの?」と思われて関係が悪くなることもあります。

そんな時のやりとりの仕方も分かりやすく紹介されています。

他の子と比べない

せっかくほめられて良い気分になっているところに「〇〇ちゃんはもっとできてたね」などと、人と比べられるとほめられたことが台無しになってしまいます。

後押しをするために言ったつもりでも、言われた方はとても傷つくことが多いです。

兄弟であっても比べられることはとても辛いものです。

とても価値の高い本

ここまで第1章から第3章の一部をお伝えしました。第9章までたっぷりあるので、とても読み応えもあり勉強になります。

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青木
本の内容の全てを実践するのは難しいので、1日1つでも良いと私は思います。
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大竹
何回も繰り返していると、何も考えなくてもできるようになったりもします!

まとめ

今日は「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」の一部を私たちの経験を交えてお伝えしました。

何よりもお母さんの笑顔が子どもにとって一番の栄養だと私は思っています。

親子関係が良くないと感じたり、一生懸命がんばっているのになかなかうまくいかずに不安になっている時は、少し違うやり方を学んでみるのも良いかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。