皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 中学生」についてです。

発達障害をもっていたり、診断されていなくても特性が当てはまることが多いグレーゾーンのお子様が、中学生になるとまた小学生の時とは違う大変さがあると思います。

「あんまり手出し口出ししすぎるのも良くないのかな?」「でもまだまだ助けが必要・・・どうすればいいの?」と距離のとり方に悩まれる親御さんは多いです。

この記事を読んで、接し方について少しでも不安がなくなればと思います。

発達障害をもつ子が中学生になると距離のとり方が重要

人によって成長の速度が違うので一概に「中学生になったら急に距離をとる」ということではありません。

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青木
「発達障害をもつ子は実年齢より3割幼い」と言われることもありますが、ひとりひとり程度はちがってきます
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大竹
情報は「目安」程度にとらえた方が良いですね。

情報をもとに観察すると当てはまったり違和感があったり人によって様々です。

息子は18歳なので、そろそろこの「3割幼い」の見方を改めたい気持ちもありますが、続けています。人間関係の問題が起こると考え方が幼いと感じることがあるからです。

引用 「年齢より3割幼いと思ってね」医師の言葉通り息子を見守るも…

発達障害の特性

発達障害には大きく分けて3つあります。

  • ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)
  • ADHD(注意欠如・多動性障害)
  • LD(学習障害)

それぞれの特性が独立して強くみられたり、混ざっていたりとその人によって違ってきます

「発達障害の併発」についてはこちらの記事をご覧ください。

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青木
併発していることの方が多いのですが、発達障害と診断されず「グレーゾーン」の人もたくさんいます。

中学生で起こりやすい問題

小学生の時は、人間関係の面では「まだ子どもだから仕方ないか」と思えたし、学習面は「焦らずゆっくりやっていけば大丈夫」などと余裕を持っているお母さんお父さんも多いです。

小学生の時との違いに戸惑う

小学生と違って一気に大人に近づく中学生となると「そうは言ってられないと」焦り、頭を悩ませる人も少なくありません

中学生になると小学生の時より授業が難しく感じたり、小学生の時に仲良かった子と疎遠になり友達関係が大きく変わったりして「問題が顕著に表れる」ことが増える傾向にあります。

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大竹
環境が変わるときにその人特有の「考え方のクセ」がよく表れます。

中学生の発達障害チェック

発達障害の診断基準は小学生の時と比べて、傾向は同じで大きく変わることはありません。

こちらのサイトでは発達障害のチェック10の質問というものがあります。

きちんとした対応をすれば、子どもは普通の子と同じように育つので、悩む必要はありません。

引用 子どもの様子が少しおかしいと思われている方へ

元中学校の教師をされていた方が、現在思春期の発達障害をもつ人のアドバイザーとして活動されています。

こちらの動画でも同じ10の質問を聞くことができます。

こちらの動画では特徴についても分かりやすく解説されています。

中学生ならではの問題

中学生になると体も心もどんどん大人に近づきますよね。

思春期となるととても複雑な葛藤を抱えている子が多いです。「自分はこういう人だ」という心が作られる時でもありますね。

しかしまだ気持ちをうまく言葉にできずに思ったようにいかないと感じたり、本当は気が進まないけれど友達に合わせすぎたりと、悩みが多いわりに相談ができないという子もたくさんいます。

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青木
うまく要領よく立ち回ることが出来る子もいますが、発達障害をもつ子はそれが難しい傾向にあります。
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大竹
空気をつかむことが苦手だったり、「ある程度」や「適当さ」というあいまいなことが苦手であることが多いからですね。
参考

発達年齢による課題についてはこちらの文部科学省のページをご覧ください。
文部科学省 各発達段階における子どもの成育をめぐる課題等について

こちらのツイートのように成長するにつれて「理解をしてもらいにくくなっていく」という声をよく聞きます。

見た目では分かりづらいため「分かってもらえない」苦しさが中学生から社会人と大人になるほど大きくなると言われています。

親や周りの大人ができること

先述しましたが複雑な悩みや葛藤が出てくる中学生となると、小学生の時とは少し距離のとり方に気をつけた方が良いでしょう。

人により程度の差はありますが、中学生になると小学生の頃と変わり親から離れたがるようになると思います。

しかし自分の物の管理が苦手だったり、オンラインゲームで課金をたくさんして請求書を見てあ然・・・なことがあったり、何かしらの援助は必要になってきます。そこの距離の取り方が中学生になると難しいですよね。

適度に距離をとってみる

心配だったり失敗させたくなかったりという気持ちから、あれこれ助言したり代わりに準備をしてあげたりとしてしまうのが親というものですよね。

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青木
何よりも大切なお子様のために、お母さん方は日々試行錯誤されています。

その気持ちとは裏腹に子どもが反抗することが増えたと感じることはありませんか?

「反抗期」は別名「自立期」

中学生になると反抗期になる子は、発達障害をもっていてももっていなくても多くいます。
反抗期は別の言い方で「自立期」とも言います。
中学生になると大人と同じように考えられることが多くなるのですが、いつまでも子ども扱いされると「反抗」して自分の意見を言ったり分かってほしくて態度に表します。

ポイント

親や先生などが必要以上に干渉しなかったり、心配しすぎず信頼をする態度で接していたら、子どものほうも反抗する必要がなくなります。

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大竹
「認められたい」という気持ちがとても強いんですね。
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青木
それをうまく言葉で言えないところが歯がゆいんですよね。

お互いに心地よい距離をとってみる

親子や夫婦など距離が近い関係であるほど、感情的になってしまうものです。

施設を利用されている子のお母さんの話で、親子喧嘩をしたという話を聞きました。

中学生のお子様と激しく親子喧嘩をしていて、お母さんがお子様に対してすごく恐い顔で怒っている時に、宅急便が来たそうです。

お母さんは玄関のチャイムが鳴った瞬間に「はーい!」と明るい声でにこやかに対応し、戻ってくると同時に先ほどの「恐い顔」に戻った自分に気づいて

「近い関係ほど感情的になる」とハッとしたと言われていました。

ポイント

子どもが反抗や反発をする時は「距離が近すぎるのかも?」というサインだと思って、意識をして土俵から降りてみましょう。

言い合う必要のない、お互いにとって「心地いい」と感じる距離を見つけられると関係も良くなることがあります

話をよく聞いてみる

特に発達障害をもつ子やグレーゾーンの子は学校で辛い思いをすることが多いです。

せめて家は「安心」できる場所であったり「逃げ場」であってほしいと私たちは願っています。

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大竹
私たちも「話を聞くこと」をまず大切にしています。

話を聞くことは技術なので、身に付けることができます。ちょっとしたコツを3つ紹介します。

あいづちをうつ

相手の話の間に「うん」「へぇ~!」「おぉ~」などと話の邪魔にならない程度にあいづちを打つことで話しやすくなります

オウム返しをする

「今日部活で〇〇君が褒められてた」と子どもが言うと
「〇〇君が褒められてたんだ」とか「部活だったんだ」と
一部分で良いので相手の言葉をくりかえすことで
「聞いてもらえているんだ」と相手はさらに話しやすくなります

共感する

「今日〇〇先生に怒られた。すごいムカついた!」と子どもが言うと
「そうなんだ。ムカついたんだね。」とか「怒られてムカついたんだ。」と
と感情の部分をそのまま返すことで
「分かってくれている」と相手は安心できます

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青木
相手のテンションに合わせることも意識しています!

アドバイスはあまり重要ではない

悩みを聞いていると「何か言ってあげたい」「アドバイスをしなきゃ」と思うことがありますよね。

お子様のことならなおさら親としての思いから、色々なことを言ってあげたくなるものです。
しかし「何かを言ってあげること」はそんなに重要ではないんです。

それ以上にまず「聞いてあげること」がとても大切だと私たちは考えます。

案外アドバイスを求めていない人は多いです。

親子関係に限ったことではないと思いますがアドバイスをするとしたら、相手が「質問してきた時だけ」で良いんです。

目指すのは「自立」と意識する

目先のことにばかり目がいってしまい、目標を見失ってしまうことが私たちもしばしばあります。

日々、忙しく過ごしているとなおさらです。

自立とは「自分で決めること」

「忘れ物が多い」特性があれば「どうやったら忘れ物が減ると思う?」などと問いかけてまずは自分で考えさせてみることをおすすめします。

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大竹
色々と助言をしたくなるとは思いますが、グッとこらえてみましょう。まずは信じて見守るというスタンスも、長い目で見るととても大事です。

自分で考えてアイデアがどうしても出てこなかったり、良くない方向へ行きそうだったら初めてそこで助言をすることをおすすめします。

言い方のポイント

「お母さんはこう思うよ」「お母さんの意見はこうだけど、どうかな?」
とあくまで「自分の意見として提案をする」がおすすめです。
親や先生だからと上から目線ではなく、良き友人のようにふるまうことで信頼関係が作られていきます。

特性による対策

発達障害やグレーゾーンといってもそれぞれの傾向がありますよね。

ASDの傾向、ADHDの傾向で対策が変わってきます。

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青木
ここでは「人との関わり方」への対策を考えました!

ASD傾向の人へ

ASD傾向のある子は「こだわりが強い」ことや「趣味嗜好が偏っている」特性が強いと思います。

その特性を活かし興味のあるものが同じ人と関わることをおすすめします。

こちらの動画では「新しいコミュニティに入ることはとても勇気がいるけれど、スモールステップで良い」と温かく語られています。

学校ではなかなか同じものが好きな人がいなくても、今はインターネットで同じ趣味の人と関わることが簡単にできますね。

「ひとりじゃない」「仲間がいる」と思えることはものすごく生きる活力になります。

ADHD傾向の人へ

ADHD傾向のある人は社交性が高いことも多いです。

好奇心が旺盛なことや、興味がコロコロ変わったりする人も多いと思います。

そんな人には複数のコミュニティをもつことをおすすめします。

こちらの動画では「依存先」というと少しネガティブなイメージですが、「居場所」を増やすことのメリットを話されています。

人との関わりは嫌な思いをすることももちろんありますが、得るものも大きいです。

「所属している」という感覚をもてると人は気持ちが安定するといいます。

まとめ

今回は「発達障害をもっていたりグレーゾーンの子が中学生になった時の接し方」についてお伝えしました。

・話をよく聞いてあげること

・心地よい距離をとること(近すぎず、遠すぎずを意識する)

・必要な時にあくまで意見を言ってあげること

・特性によって居場所の作り方を考えること

これらが親や周りの人が意識してほしいと私たちが思うことです。

少しずつで良いので、一緒に頑張りましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。