皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 ノート術」についてです。

発達障害のお子さんによくあるお悩みの一つに、ノートをとることが苦手、というのがあります。ノートをとるのが苦手で勉強にまで苦手意識を持つようになる、ということも少なくありません。

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青木
ノート術は勉強するには欠かせない能力ですね。
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大竹
黒板を書き写すだけでも大変な困難を伴うお子さんもいます。

勉強するのは本人なので、本人の代わりにノートをとることはできません。しかし、そのお子さんの特徴を把握したうえで対策を考え、サポートしていくことは可能です。

勉強に集中してもらうためにも、ノートをとることが苦手になる原因を理解して適切にサポートし、苦手克服につなげましょう。

ノート嫌いで学校嫌いに!?発達障害のためのノート術とは?

新年度が始まりましたね。最初は戸惑っていたけど少しずつ学校が楽しくなってきたお子さんもいれば、なかなか馴染めなくて学校が苦手に感じているお子さんもいるかと思います。

学校になじめない理由には人間関係や苦手な教科がある、など色々ありますが、学校が苦手になる理由の一つとして、「ノートをとるのが苦手、嫌い」というものがあります。

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学校生活を送る中で避けては通れない「ノートをとる」が大嫌いになるというのは、当事者であるお子さんにとっては辛くて苦しい問題です。

ノートが苦手という状況が引き起こす問題は、学校が苦手になるだけではありません。

うまくノートをとれない、苦手といった失敗体験を繰り返すと、次第に勉強への苦手意識や勉強ができない子なんだという自己意識が定着してしまいます。

また、板書は苦手だけど話したり聞いたりするのは得意なお子さんもいます。しかし、ノートをとるのが苦手なことで、「自分は勉強ができない子なんだ」という意識が定着してしまった結果、得意だったはずの話す・聞くといった分野までもが「勉強が苦手」という意識に塗りつぶされてしまうこともあります。

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青木
ノートが苦手だと、学校にいるほとんどの時間が苦痛になりますね。
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大竹
勉強への苦手意識につながったり、得意分野までもが嫌いになってしまう、といった問題に発展することもあります。このため、ノートが苦手なお子さんには適切なサポートが必要です。

ノートをとるのが苦手という状況は、勉強や学校が苦手という意識につながりかねません。このような事態を防ぐには、発達障害のためのノート術として、個々人の状況をよく理解したうえで問題点に対応した方法を用いること重要です。そのためにも原因を理解して、それぞれに合ったノート術で苦手意識を克服しましょう。

ノートをとるとき何が起きてる?苦手の理由とは

どんなに頑張ってもノートをとるのが苦手、ノートは取れたけど肝心の先生の話は全然聞いてなかった…このような状態は学習障害でみられます。

学習障害(限局性学習症、LD)は、読み書き能力や計算力などの算数機能に関する、特異的な発達障害のひとつです。的確な診断・検査が必要で、一人ひとりの認知の特性に応じた対応法が求められます。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などを伴う場合には、それらを考慮した配慮、学習支援も必要となり、家庭・学校・医療関係者の連携が欠かせません。

引用:学習障害(限局性学習症) | e-ヘルスネット(厚生労働省)

では、具体的には何が原因なのでしょう。その理由として大きなものを4つ挙げます。

同時進行が苦手

実際の学校の授業では先生が説明をしながら黒板を書いていきます。生徒は先生の説明を聞きながらノートをとることになるのですが、発達障害の場合は同時進行が苦手です。

したがって、先生の話を聞くかノートをとるか、どちらかを優先するしかなくなります。その結果、先生の話に集中してたのでノートはとれなかった、ノートに集中したので先生の話は聞けなかった、どっちも頑張ろうとしたけどノートは全部とれなかったし先生の話も肝心なところは聞けなかった、といった状況が発生します。

記憶することが苦手

実際に黒板を書き写すという作業は、黒板を見て、書き写す部分を一時的に記憶して、ノートに書く、という動作の繰り返しです。

ところが発達障害の場合、「書き写す部分を一時的に記憶する」という作業が大きな壁となって立ちはだかります。

情報を一時的に記憶、処理する能力をワーキングメモリといいますが、発達障害の場合この機能が弱い傾向があります。このため、黒板の内容を少しずつしか覚えられない、覚えたけどノートに書く時点で忘れてしまう、といった状況が発生します。

語彙が少ない傾向がある場合も、この一時的に記憶する作業を困難にします。このようなケースの方は興味のある分野の単語はたくさん覚えているのですが、授業に関係のある語句はあまり知らないため、覚えづらかったり、一字一字書き写すしかないといった状態になります。

頻繁に視線を動かすことが苦手

近年の研究により、視機能と発達障害との関係が明らかになってきました。視機能とは文字通り視る機能のことで、眼球を動かすというのも視機能の一つです。

ノートをとるとき視線は、黒板からノートへ、ノートから黒板へと忙しく動かさなくてはなりません。しかし、この視線を動かすことが負担となって、学習への悪影響につながることがあります。

字を書くこと自体が苦手

文字を書くことが苦手で、それを指摘されることでどんどん字を書くことへの苦手意識が強くなります。

また、罫線などが、文字を書くことをより困難にしているケースもあります。

字を書くこと自体が苦手な方の場合、書字障害の可能性があります。書字障害につきましてはこちらのページで詳しく解説されているのでご覧ください↓

この他に中高生の場合は、先生の言ったことも黒板も全部丁寧に書き写そうとして追いつかなくなってしまう、といったケースもあります。

苦手克服で授業を楽しく!サポート術6つ

ノートが苦手な原因を4つ挙げました。ここからは、それらを踏まえたうえで、ノートが苦手なお子さんへのサポート方法について説明します。

キーワードだけをメモする

板書を全部ノートにとったり、先生の話を全てノートにとるのは大変な作業です。
そこで、キーワードだけをノートにメモするようにしましょう。キーワードさえ把握しておけば、教科書のキーワードの箇所を開いて復習することも可能です。
また、授業後に教科書の当該箇所を自分のやり方でまとめることで、オリジナルのまとめノートを作成でき、自信にもつながります。

板書を写真にとる

タブレットなどで板書を写真に撮るという方法もあります。また、先生によっては板書計画を作成している方もいるので、可能ならばそちらをいただくという方法もあります。
ただし、どちらも担任の先生や学校側から事前に許可をもらう必要がでてきます。
生徒や保護者では許可をもらうのが難しい場合は、医師や特別支援コーディネーターといった専門家の方から説明していただくなどの対応をとりましょう。
これらが難しい場合は、お友達のノートをみせてもらって書き写す・写真にとる、という手段もあります。

責めない

字が美しくてノートをきれいにとれることに越したことはないですが、そもそもノートは後で読み返して復習するときに使用するものです。
つまり、本人が理解できれば目的を達成していると言えます。せっかく頑張って書いたノートを字が汚いと指摘してしまうと、お子さんの中にノート嫌いや勉強嫌いの意識が生まれ、指摘され続けるとその意識が定着してしまいます。
ノートをとる苦手意識を克服し、勉強に興味や楽しさを感じてもらうためにも、「読めるならOK」とハードルを下げることも必要です。
そのためにも、誤字脱字や字が汚くても責めない、はじめは褒めてノート作成に前向きな姿勢を育てる、といったことも大切です。

予習をする

事前に予習をしてから授業に臨むことで、どこがポイントか理解したうえで授業に臨むことができます。すると、授業に対して余裕も生まれますし、要点を理解してノートをとることができ、復習もスムーズになります。

ビジョントレーニングを行う

視機能はビジョントレーニングというトレーニングにより改善を図ることができる場合があります。
単純な訓練を毎日繰り返し積み重ねる必要があり、根気が必要ですが、黒板とノートの視線の往復へのストレスが減りますし、読み飛ばしが減るなどの効果も期待できます。

使う道具を工夫する

発達障害のお子さんの中には、罫線や枠が苦手な方もいます。このため、自由帳や枠が大きいといったノートを使用することで大きな効果が得られる場合があります。
また、書きやすい硬さの鉛筆を使うなど、本人にとって使いやすい筆記用具を使用しましょう。

ビジョントレーニングにつきまして、子供も大人も簡単に参加できる内容の動画がありましたので、紹介します。

大人になってもノートは必要!大人のためのノート術

ノートをとるというのは、学生時代だけの問題ではありません。社会人になってからも会議のメモをとったり、スケジュール管理や考えを整理したり…とノート術は便利かつ必要なスキルです。

そこで、発達障害の方向けのノート術に関する書籍を2冊紹介します。

バレットジャーナル 人生を変えるノート術

自身も注意欠陥障害(ADD)であるライダー・キャロル氏自身が、生み出した画期的なノート術です。思考・情報・タスク・時間・習慣・目標といった内容を箇条書きにすることで全てを整理・管理できると記されています。1冊のノートと1本のペンがあれば誰でも始められる、というのがうれしいですね。

価格:1,760円(※記事作成時の「楽天ブックス」価格)

見るだけでわかる!大人の発達障害のための段取りノート術

会議に出席しても内容がつかめなかったり、約束や締め切りを守れなかったり、忘れ物をしてしまったり、整理整頓が苦手で物をなくしてしまったり…そういったミスを防ぐためのメモ術について記してあります。

オールカラーで、イラスト、図解、写真が多いので、タイトルどおり読みやすく解りやすい内容となっています。メモフォーマット付なのもありがたいですね。

価格:1,320円(※記事作成時の「楽天ブックス」価格)

まとめ

学校生活はノートをとる作業の連続です。ノートに苦手意識を感じていたら、勉強も学校も楽しくないですし、毎日がつまらなくなってしまいます。

また、ノートへの苦手意識がさらに悪化すると、勉強ができないという自己意識につながったり、自己否定感につながってしまうこともあります。

しかし裏を返せば、ノートを上手に取れるようになれば授業に集中できますし、学校が楽しくなって自信にもつながる、とも言えます。

充実した学校生活のためにも、本人の特性や苦手なポイントを理解して工夫するなどの適切なサポートを行って、ノートへの苦手意識を克服したいですね。

お子さんたちが勉強や学校を楽しく感じ、毎日を充実して過ごせるよう願っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。