皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害・育児」についてです。

お子さんが発達障害やその傾向にあると、育児の悩みや迷いをたくさん感じそうですね。

お子さんにそのような傾向がなくても育児に悩む親御さんはたくさんいます。

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青木
発達障害とその傾向にあるお子さんと傾向のないお子さんの育児に違いはあるのでしょうか?
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大竹
また、共通点はあるのでしょうか?

今回は、親御さんの悩みと悩みに対してどんな工夫をされているかを取り上げていきます。

発達障害のお子さんの育児で親御さんはどんなことで悩むのでしょう?

まず、発達障害やその傾向のあるお子さんの特性について記します。

発達障害の種類と特性

発達障害の要因として脳の機能がスムーズに働かないことが挙げられます。親御さんの中には「自分の育て方が悪かったのではないだろうか」と思い悩む方が多いです。

要因はまだ解明されていないことが多いのです。しかし、特性に対して有効な内服薬での治療をすること、専門の方に相談しながら日常生活の工夫をすることで特性上での悩みを軽くすることも可能です。

自閉症スペクトラム(ASD)の特性

ASDの特性

・表情や話ぶり、視線などから相手の気持ちを汲み取ることが苦手
・受身すぎたり、一方的すぎるなど人間関係を築くことが難しい
・友人と密接な関係を築きにくい
・無意識的に相手を怒らせてしまうことがある       
・強いこだわりがある為に順番や競争で思うような行動を取れないとパニックを起こしたり、相手とトラブルになる              
・感覚の敏感さがある                     など

注意欠如・多動性障害(ADHD)の特性

ADHDの特性

・本人は気をつけているのに忘れ物やうっかりミスが多い
・発達年齢に比べて落ち着きがない、待てないことが多い
・休憩をとることが苦手、活動的な方が得意           など

学習障害(LD)

LDの特性

・読み・書き・計算するなど、一部の学習のみに困難さが認められる
・全体的な知的発達の遅れは見られないので家族を含め周囲からの理解を得にくいことがある                      など

発達障害の一つの特性が現れるケースよりも、複数の特性が重なり現れ方が変化することがあります。ですのでお子さんご本人やご家族が対処するのに苦労されているケースがあります。

親御さんの具体的な悩み

発達障害の特性を見る限りでも、お子さんや親御さんの苦労が想像できます。

具体的に悩まれていることを調べてみました。

以下のアンケート結果は“発達障害児を持つ児の保護者の育児上の困難さに関する調査”から抜粋したものです。結果の上位より順に記載しています。

保護者が困っていること

・子育てがとてもつらい
・さまざまな行動への対応の仕方がわからない
・就労支援や仕事の不安
・同じ立場の保護者同士の交流がほしい
・同じタイプまたは良き子供同士の交流がほしい
・薬の服用で医療費がかかる
・家族内で協力を得られない
・保護者が体調不良になった                  など

アンケート結果を反映しているような親御さんの声を拾った動画もよろしければご参照下さい。動画の視聴時間は約8分です。

また、お子さん本人の困っていることについても“発達障害児を持つ児の保護者の育児上の困難さに関する調査”に掲載されていましたのでご参照下さい。

アンケート結果の上位より記載します。

 

お子さん本人の困りごと

・自分の感情をうまく表現したり、コントロールすることが苦手
・対人スキルが年齢相当に身に付かない
・社会的な常識のスキルが年齢相応に身に付かない
・物の片付けや身の回りの習慣のスキルが身に付かない
・ささいなことへのこだわりや気持ちの切り替えが悪い
・運動や手先の作業が苦手なこと
・忘れ物をしないようにすること
・課題になかなか集中できないこと              など

このように、ここでは拾いきれないくらいに親御さんの悩みは多岐に渡りあります。

次に親御さんが悩みに対して工夫されていることを挙げます。

発達障害とその傾向をもつお子さんの親御さんの悩みに対する工夫

先ほどのアンケートの結果からも考えられることですが、お子さんのことを抱え込んでしまう親御さんが多いのではと思います。

抱え込まないこととその為にはどのような行動をとったら良いのかを挙げていきます。

相談相手に一番に浮かぶのが家族だと思いますが、その家族に理解されないケースも聞きます。

家族以外にも相談や話を聞いてもらえる場所を知っておくことだけでも楽になることがあります。

保育園・幼稚園、小学校の担任の先生や養護教諭

お子さんが保育園や幼稚園、小学校に通っている場合まずは身近に相談できる担任の先生や保健室の先生を頼ってみましょう。

お子さんにはっきりとした発達障害の特性がなくても、少し気になることでも結構ですので話されると良いです。

電話対応もして下さいますが、話をする時間がなかなかとれない場合はまずは連絡帳を通じて発信されてみるのも良いでしょう。

どんな言葉で伝えたら良いのだろう?と考えすぎるとプレッシャーになり行動に移しにくくなることもあります。

気になっておられることをそのまま伝えるつもりで相談してみましょう。

そこから、状況に応じて行政の相談機関や学校のカウンセラーにつなげてもらえることがあります。

区市町村などの行政の発達相談支援所

お住まいの各区市町村の発達相談支援所に相談やお話を聞いてもらうことができます。

場所や支援内容などネットや広報誌に載っています。ネットでしたら、お住まいの役所関連のサイトや国立障害者リハビリセンターの発達障害者支援センター・一覧などをご参照ください。

直接伺うことにハードルを感じる方は電話でも対応して下さいます。

悩みまで至らなくても、なんとなく気になることについても話を聞いて頂けます。

発達専門のクリニックや病院に相談

初診の受付をされている『枠』に限りがある病院が多いです。理由は、医師がしっかりと話を聞く為です。

ですので、初めて予約を取りたいと思われる方は早めにご連絡されると良いと思います。

病院のHPに初診受付の注意点が掲載されていますが、時折初診受付に事前の電話予約が必要なことが書いていない場合もありますのでご注意下さい。

受診に行かれる際は、聞いてもらいたい内容をメモしてそれを読み上げるように伝えると良いです。

せっかくの受診ですので、ご遠慮なくと思います。中には、先生やスタッフに遠慮して話の半分も話せなかったと仰る方もおられます。

放課後デイサービスや 発達障害の相談窓口を開設されているNPO法人などへの問い合わせ

最近、街でよく見かけるようになりました放課後デイサービスという発達障害のあるお子さんを預かり運動や勉強などのサポートをされている施設があります。

中でも、発達障害デイサービス アップでは、お子さんの日常生活や学校生活での困りごとなどをお電話でも相談して頂けます。お気軽にご連絡下さい。

また、以下の記事もよろしければご参照下さい。

他に、LINEで相談に応じて下さるNPO法人などでも相談できます。

電話で相談することやメールでの相談にハードルの高さを感じる方にお勧めですが、まだ実施機関が多くない点がデメリットと言えます。

他にチャットや通話で発達障害の相談をしてもらえる課金性のアプリもあります。

大きな悩みの一つ、お子さんへの障害の告知について

障害を踏まえながら育児を行う上で悩ましく思われることとして障害の告知をどうするかが挙げられます。

こちらの記事の中でも挙げましたアンケート結果の中でも、ランキングには入っていないのですが意見として取り上げられていました。

発達障害の子どもを持つ親でつくる「福岡市自閉症協会高機能自閉症アスペルガー症候群部会・タンポポ」の会に所属する母親(51)は、高機能自閉症の長男(18)=高校3年=が小5の春休みに告知した。9歳での診断後、友人関係などに苦労する姿を見て時期が来たと判断した。

西日本新聞 me 【発達障害 どう向き合う】
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青木
このように悩む親御さんがたくさんいらっしゃいます。
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大竹
子供さんの成長につれて告知は必要ですよね。だからこそ特にタイミングについての悩みをもたれるようです。

告知のタイミング

告知のタイミングのタイムリミットとして一般的に考えられるのが“就職を考える時期”です。

他に、障害者手帳を申請する時などが挙げられるようです。また、自身と他者を比較するようになる7歳位が告知のタイミングとも言われています。

以下の記事もご参照下さい。

九州大病院子どものこころの診療部の山下洋特任講師(児童精神医学)は、段階を踏んだ告知を勧める。 (1)小学校入学時(2)自己意識や自尊心が育まれる小学校高学年(3)進学や就職など社会的な現実の壁が見えてくる中高校生-と、成長の節目に本人の困り事や疑問に合わせて繰り返し丁寧に伝えていく。「告知そのものよりも、内容を準備する段階で保護者、教育や福祉の支援者など周囲が理解を深め、支援態勢を整える過程が大事だ」と強調する。

西本新聞 me 【発達障害 どう向き合う】

告知を行う上で気をつけること

よく言われているのが、お子さんが失敗した時や学校や家庭でのトラブルなどタイミングとしてネガティブな場面は避けることです。

伝える準備として、主治医や学校や保育園・幼稚園の先生、地域の発達支援窓口の職員の方など普段連携をはかっている方と相談しながら行うことがポイントのようです。

その為には、やはり親御さんや家庭で抱えられるのではなく相談することが大切ではないでしょうか。

また、何のために伝える必要があるのかを共有し、親御さんもぶれないようにすることも大切です。

まとめ

発達障害は親御さんの育て方のせいではないと言われていますが、自分のせいではないか、子供将来はどうなるのだろうと多くの悩みをもたれていることが改めて分かりました。

お子さんに障害や病気などがない場合の子育てに於いても不安や悩みをもちます。悩みの質や量は人それぞれと言えましょう。

共通して言えることは悩みを抱えすぎると行動しづらくなるということだと思います。

気になっておられたら早めに話したり相談されることをお勧めします。