皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害に見られる忘れ物」についてです。

日々、忘れ物が多くて怒られるのを通り越してもはや呆れられる・・・もしかしたら自分は発達障害があるんじゃないか?と不安になったりモヤモヤを抱えていませんか?

忘れ物への具体的な対策法って、本屋に行けば何冊もあるしググればたくさん出てきますよね。

この記事では具体的な対策ではなく、少しでも不安やモヤモヤを減らして楽になるような考え方の紹介をしています。

発達障害かどうかは、どちらでもいい

これを見て、「えええっ!発達障害かどうかを悩んでいるのに!」と思われたかもしれません。理由をお伝えしていくので安心してください。

一旦答えを置いておく

「発達障害かどうか」の答えを一旦保留にしておく。

これ、実はとても大事な考え方の土台になるものなんです。実際にあったことで、具体的な例をお伝えします。

Aさんの場合

ここの施設を利用しているAさんは、ちょこちょこ忘れ物をしたり時間を守れなかったり(わざとではありません)することが多くありました。

「明日から気を付けよう!!」と本気で誓ってくれますが、また同じこと繰り返していました。

その度にAさんは困ります。周りも困らせます。失敗続きですからものすごく落ち込みますよね。落ち込んでいる時に決まってこう考えていました。

「自分は発達障害なんじゃないか?」

答えは病院に行かないと出ない。でも病院に行く勇気がない。本当に診断が下りたら下りたで受け入れられないし、診断されなくてもモヤっとしたままだ、とAさんは思っていました。

そんな風に同じことをぐるぐるぐるぐる考えて、気持ちが暗くなる一方でした。自分ではどうしようもないことを持ち続ける。これはメンタル面でとてもしんどいことです。

ちょっと保留にしておく

なのでまず、「自分は発達障害なんじゃないか、ヤバいんじゃないか」などという考えは一旦置いておいたほうが良いでしょう。「絶対に考えちゃだめだ」と思うと余計に気になってしまうので、「それについてはちょっと保留にしておく」くらいのゆるさがポイントです。

どんな風に考えると良いか

「発達障害かどうか」を「何にどんな風に困っているか」に替えてみる

もし、あなたが子どものころから忘れ物が多くて親や先生に怒られたり、大人になっても職場でしょっちゅう注意を受けたり、周りから呆れられて白い目で見られたりする経験をしていたとしたら、落ち込むのは当たり前です。

そんな状態だと「自分はおかしいんじゃないか」などと、どうしても自分を責める考えしか浮かばなくなり、いくら良い具体的な対策方法があっても前向きに取り組んでいくことは難しいと私は思います。

「自分はおかしいんじゃないか」をストップ

例えば職場などで忘れ物が多いことで注意を受けることは仕方ないと一旦受け止めつつも、自分まで自分を責めないように、少なくとも「自分はおかしい」などと考え始めたら、そんな時こそひとまず考えることをストップしましょう。

すぐに答えをだそうとしない

「発達障害かどうか」の答えを出すことはひとまず置いておく、この考え方がとても重要です。

いきなりは難しいかもしれませんが、少しずつ少しずつ意識していきましょう。

「自分は忘れ物が多い」と真っ向から認める

「発達障害なのかどうか」を考えることを少しずつ手放せそうでしょうか。

現実をそのまま認める

次のステップはちょっと勇気がいりますが、「自分は忘れ物が多いんだ」と現実をそのまま認めることが大切です。

Bさんの場合

Bさんはしょっちゅう忘れ物をしたり、大事な書類をどこに置いたのか忘れたりする整理整頓ができないでいました。Aさんのやらかしより5倍上をいっていました。

Bさんは1日に何度も注意をされていたし、他の社員がいる前で怒られるのが当たり前にって「怒られキャラ」になっていました。

こんなに頑張っているのに

Bさんは「次からは怒られないようにしよう」と思い、ものすごく頑張っていました。

しかしその気持ちとは裏腹に怒られ続ける毎日が続きました。

漠然と「自分はダメだ」と考える危険

「なんか自分はダメなんだな」と、漠然と自分を卑下していました。「どうせ私がやっても迷惑かけるし」と新しい仕事にも挑戦できず、さらに評価は下がっていきました。

さらに「注意された」「怒られた」ということだけが頭に残り、ただただ愚痴が増えていく→同じミスをする→叱られる→愚痴が増えるという悪循環になっていました。

ボヤっとしたものを具体的に

そんな姿を見て私は、うまくいかない自分を「なんか自分はダメなんだな」とボヤっとした感じで捉えていることが余計にモヤっとさせるんじゃないかと思いました。

勇気はいるけれど具体的に何がどうダメなのか、きちんと認めてしまった方が対策も立てられて前に進み、不安やモヤモヤを減らしていけるんじゃないかと思ったんです。

自己肯定より自己受容

昨今「自己肯定感を高める」というワードがたくさん出てきますね。ここで知ってほしいことがあります。

似ているけれど全然ちがう

自己肯定と自己受容を区別して、自己肯定感を上げるより自己受容しようということです。

一見同じように感じるかもしれませんが、大きく異なります。

自己肯定とは

「自己肯定」とは 自分の良い部分に注目すること。 反対語が「自己否定」です。

自己受容とは

「自己受容」とは 自分の欠点やネガティブな部分も含め、あるがままを認めること。

自己受容をする時に大事なことは、「自分で自分を責めない」ことです。

自分の良くない面をそのまま認め、責めずに許し、不安を少なくするために対策をする。

逆から言うと、対策をするためには今の自分をそのまま認める。このプロセスが必要となってきます。

「〇〇すべき」「〇〇してはいけない」という考え方をやめる。

これは鬱になりやすい傾向の人がもつ「べき思考」と言われる考え方のクセです。

「べき思考」がなぜ苦しくなるのか

例えば、「私は絶対に忘れ物をしてはいけない」とか「怒られないようにすべき」などという考え方をです。

実際の自分より良くみせようとする

先ほどお話ししたAさんやBさんは「常に完璧にしないといけない」と無意識的に思っていました。仕事でも友人と食事に行くのも付き合っている人の前でも実際の自分より良く見せようとしていたんです。

その結果、言うまでもないかもしれませんが毎日ものすごく疲れていました。

休日も休まらない

休日にリフレッシュのつもりで友人とドライブしたり遠出をしても、一日ずーっと気を張っているので、家に帰った時は「あぁ~やっと帰れた。やっと一人になれた。」とお風呂に入る気力も残らないくらいぐったり疲れていました。

それなら誰かと一緒に行かなきゃいいのにと思いますよね(笑)

そこにも変なプライドをもち「○○さんと遊んだ自分」という見栄を張っていました。

人の目がものすごく気になる

昔から人よりも失敗が多い分、周りの目を過剰に気にして「これ以上ミスしてはいけない」とか「人にすごいと思われる私じゃないといけない」などと自分で自分をキツく縛っていたんですね。そして出来ない日は自分で自分を責めていたし、焦っていました。

もし鬱と診断されていなくてもこれではとてもつらいし、自分の良さも発揮できません。毎日が全く楽しくないですし、「誰とも関わりたくない」と心を閉ざして殻にこもってしまったり、体調を崩してしまうことも大いにあるでしょう。

認知の歪み

ちょっと専門的な言葉が出てきましたが、分かりやすくお話していきます。

認知行動療法から

認知行動療法という心理療法において、「認知の歪み」というものの1つが「べき思考」です。

認知とは、物事の捉え方という意味です。

これは、手放した方が良い考え方と言われています。

ものごとや出来事に対して、「~すべき」「~であるべきだ」といった理想像のようなものが必ず存在しているかのように考えることです。

https://www.uraraka-soudan.com/column/91うららか相談室 サイトより

まずは気づくところから

「あぁ。自分は『こうすべきだ』っていつも思ってるなぁ。」

そう気づけたら、べき思考をやめるだけで気を張る必要がなくなるので、とても楽になります

人間、完璧な人はいません。もともと不完全な人間に「完璧主義」の考え方は合いません。

少しゆるめてみる

もしあなたが、「〇〇すべき」や「〇〇してはいけない」という考え方をしていると気づいて、でもそんなすぐに変われないよ!と思ったなら

まずは「〇〇すべき」を「〇〇した方が良い」などと少しゆるめてみることからオススメします。

4.信頼する人に頼る

怒られたり呆れられたりすると、とても傷つきますよね。

もう人と関わりたくない!!とかみんなが自分を嫌っている!と思ったり、周りの人が全て敵に見えてしまうこともあると思います。

周りを見渡してみる

もし、周りの全ての人が敵に見えているのだとしたら、少し自分を疑ってみてください。

「本当にそうかな?」「もしかしたら違うかもしれない」と独り言でも良いので言ってみましょう。実際に、周りの100%の人があなたを嫌っていることはほぼありません

2:7:1の法則

アメリカの心理学者、カール・ロジャースが提唱した2:7:1の法則というものがあります。

2:7:1の法則

もしあなたの周りに10人の人がいたとしたら
2人は気が合う人
7人は無関心
1人は気が合わない人

このように自分の周りにいる人との人間関係を表す目安になる法則です。

2人の気の合う人を探してみる

この、たった1人の気の合わない人にばかり注目してしまって、人間関係が嫌になる人が実はとても多いんです。

でも一旦冷静になって周りを見回すと、もしかしたら味方になってくれる人がいるかもしれません。

「そういえばあの人は別に何も言ってこないな」

「あの人はいつもあいさつしてくれるなぁ」

などと思い浮かぶ人がいるかもしれません。

思い切って頼ってみよう

そんな人がポッと思い浮かんだら、勇気を出して頼ってみませんか?

ここではあまり考えすぎず、行動に移してしまうことをオススメします。

頼り方にもコツがある

「相談」と「愚痴」も似ているようで全然違うんです。

「愚痴」は「いつもいつも忘れ物して怒られるんだ~嫌になるわ~。」

「相談」は「どうしても忘れ物をしてしまって、困ってるんだけどどうしたら良いと思う?」

違いは、「質問しているかどうか」です。人に頼る時は「最後に質問すること」を意識してみましょう。

頼られると嬉しいもの

自分から悩みを打ち明けることで、また新しい関係ができることもあります。相談してもらうことで嬉しいと感じる人も案外多いですよ。

「人の役に立ちたい」

多くの人はこう思っていることも頭の片隅に置いてみてもらえたら嬉しいです。

もしもあなたの周りのひとを見渡してみて一人も思い浮かばないなら、転職するなどの環境を変えたほうが良い場合もあるかもしれません。

まとめ

以上の不安を軽くする4つの方法をお伝えしました。まとめると、

  • 発達障害かどうかは一旦置いておく。
  • 自分の欠点をそのまま認め、許す。
  • 「○○すべき」などのべき思考をやめる。
  • 信頼できる人を見つけ、頼ってみる。

最初から全部ではなく、まずは1つでも良いので試してみましょう。

ハードルをじゃんじゃん下げて、少しずつ改善していけば良いんです。

あきらめさえしなければいいんです。

こうしてここまで読んでいる時点で、すでにあなたは一歩前に進んでいます。

ここで少しだけ楽になったなら、次は具体的な対策を調べてみませんか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。