皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「子育て アンガーマネジメント」についてです。
「なんで片付けないの!」「どうしてこんなことするの!」
忙しい時や疲れている時は、どうしても子供に怒鳴ってしまう場面がありますよね。怒ったことを後悔して自己嫌悪になってしまうこともあります。
アンガーマネジメントを学ぶと、その悩みを解決できるかもしれません。
ネットや書籍でも色々紹介されていますが、実践し続けるのは中々難しいものです。
そこで今回はアプリを活用して、子育てで感じてしまうイライラをアンガーマネジメントする方法を紹介してきます。
目次
アプリを使ってアンガーマネジメント
アプリを使うことでアンガーマネジメントに必要な考え方や行動を身につけやすくなります。
新しい事を学ぼうとするときには継続することが大切です。スマホやタブレットなど、日常生活の中に深く浸透しているものを活用することで、習慣化することができます。
今回はこちらのアプリを利用して紹介します。
商品概要 | 気分を記録することで自分の気分の変化を把握できるアプリです。 何があってどんな気持ちになったのかをすぐに記録することができます。 |
価格 | 無料(広告を非表示にするには370円) |
特徴 | 何回イラッと来たかを日ごとにグラフ化できる。 アンガーマネジメント以外にも目標達成のためのモチベーションの維持などの使い道もある。 |
レビュー | ・一日の終わりに書く日記と違ってその時々で一言を何回も書けるのが良いです。 ・無駄な機能がほぼほぼなく、使い方に迷わないのでとても使いやすい。 |
とりあえず記録することから始める
気分ログというアプリを紹介しましたが、自分の感情を知ることがとても重要になってきます。
自分が怒鳴りそうになったときには、アプリに記録する習慣をつけましょう。これをアンガーマネジメントの用語でアンガーログといいます。
子供に怒鳴る前に記録をつけることで、気持ちを落ち着かせて冷静になる効果もあります。
アンガーログを書くときに必要な情報は以下の4つです。
- いつ、どこで感じたのか
- 何が起きたのか
- どうして欲しかったか
- 怒りのレベル
参考 【日本アンガーマネジメント協会】怒りの記録「アンガーログ」をつけよう
実際につけるとこのように記録されます。
大事なのはすぐに書くことです。紙やペンだと手元に用意するのに時間がかかりますが、スマホなら起動してすぐに書きだせますね。
また、アプリだと日時を自動で記録してくれるので、自分で書く手間が省けます。
何が起きたのかはなるべく簡潔に書きましょう。怒って感情が高ぶると、その時には関係ないことまで思い出してしまい、何に怒ったのか分からなくなってしまいます。
簡潔に書くことを心掛けることによって、子供への伝え方も的確になっていきます。
どうして欲しかったのかは、子供にして欲しかったことを書きます。例えば、片付けをしないことにイラッとしたのなら、「片付けて欲しかった」と書くだけです。
最後に怒りのレベルですが、1から10の間でつけます。10は今までで一番怒った時くらいだと考えましょう。
基準は人それぞれですが、こんな感じでつけている方もいます。
分析して怒りの傾向を探る
記録をつけたら次は分析をしましょう。自分が何に怒っていたのかを客観的に分析することによって、どんなことで子供を怒りやすいかを発見できます。
分析をしていく内に、怒らなくて良いことまで怒っていたり、いつも同じことで怒っていたりしていることが分かることがあります。
傾向を知ることで、それぞれに合った対策を考え、解決できるようにしていきましょう。
子供を怒る時の基準
人が怒りを感じるのは自分の考え、ルールから外れたことをされた時だと言われています。
アンカーログを確認していくと自分のルールが分かってきます。そのルールが本当に必要かどうか、子供にとって厳しすぎないかどうかなどを検討することで、怒る回数を減らすことができます。
特に発達障害を持つ子の場合は、発達障害の種類や強さの違いで得意なことと不得意なことの差が大きくなっています。
「自分が子供の時はこんなことしなかったのに」「周りの子はみんなできるのに」
など、自分自身や周囲の子供を基準としたルールでは厳しくなってしまいます。
子供の苦手なことは何なのか、それは発達障害によるものなのか、改善すべきことなのかを考え直すことで、自分の中のルールを拡張したり、ルールに関して寛容になったりすることができます。
こちらの記事では、発達障害の種類による特性の違いと対策を紹介しています。参考にしてみて下さい。
また、ルールを他の家族と共有することも大切です。母親と父親で基準が異なると子供が混乱してしまうことがあります。
本当の感情を子供に伝える
自分の怒りを制御できるようになったら、次は子供にどう伝えるかが問題になってきます。
子供を叱る時には怒りの中に隠されている感情を伝えると効果的です。
ただ怒りだけをぶつけても、子供は怖いと感じるだけで、伝えたい事が伝わりにくくなってしまいます。
怒りの中に隠された感情を見つけ出す
怒りとは、何か別の感情が変換されたものだとする考え方があります。
例えば、子供がおもちゃを投げて遊び始めたとします。ほとんどの親が怒りますよね。
おもちゃが割れてケガするかもという心配や、外でやって誰かにケガさせるかもという不安、このような感情から怒りが生じます。
隠れていた本当の感情を知ることで、子供にも伝えやすくなります。
アンガーログを付けるのに慣れてきたら、怒りの中の感情も記録してみると良いでしょう。
不安、つらい、寂しい、苦しい、心配、困った、嫌だ、虚しい、悲しいなど。これらの感情を第一次感情といい、怒りはこれらの次にある第二次感情といいます。
子供に思考と感情を伝える
本当の感情を認知できるようになったら、それを子供に伝えましょう。コツは何が起こるかとセットで伝えることです。
先ほどのおもちゃを投げてしまう子への伝え方の例は
「おもちゃを投げると壊れてケガしちゃうから、お母さん心配だなあ。」
「おもちゃを投げると他の子にぶつけちゃうかもしれないから、お父さん不安だなあ。」
などです。その行いがどんなことに結びついてしまうのか具体的にイメージでき、子供も納得します。
また、子供に「やめなさい!」と命令するよりも親の気持ちを伝えた方が、子供は行動を起こしやすくなります。
このような伝え方をアイ・メッセージといいます。アイ・メッセージについてはこちらの動画が参考になります。
口癖を変えてポジティブ思考
「なんでそんなことするの!」「どうしてわかってくれないの!」
ここまで怒りの記録や伝え方について書いてきましたが、咄嗟に出てしまう口癖は中々治らないものです。
しかし、口癖を変えることで考え方も変えることができます。
なんで?どうして?⇒どうしたら?
なんで?どうして?は子供を叱る時についつい出てしまうフレーズですよね。物事の本質を考える時に使う言葉ですが、叱る時にはあまりおすすめできません。
この言葉を使うときは、怒られた原因を子供に考えさせるためだと思います。
しかし、これでは次に繋げることは難しいです。なんで?どうして?はあくまでも原因を探るための言葉です。
怒られてしまった原因を考えていると、段々ネガティブになっていってしまいます。
これをどうしたら?に変えるだけで一気にポジティブな思考に変わります。
どうしたら?は改善に向けてできることを探ります。その中で原因についても考えることができます。
「次からはこうする!」など子供から解決策や意思表示してくれる可能性も上がります。子供から言ってくれると成長を感じて親も嬉しくなりますよね。
アプリには嬉しかったことや楽しかったことがあった時の思い出も残せるので、プラスのこともどんどん書いていきましょう!
一人で抱え込まないで!相談してみよう
子育てをしている最中は、何でも自分で抱え込んで悩んでしまう方が多いですよね。自分の子供が他の子供たちと違ったところがあると、余計にストレスを感じてしまいます。
アンガーマネジメントをして自分の怒りをコントロールすることも有効ですが、一人でやるのは大変です。
今は発達障害に関する相談をしてくれるところや療育を行ってくれる施設がたくさんあります。
一人で抱え込まず第三者や専門家に相談することで、ストレスを和らげることができます。積極的に活用していきましょう。
どこに相談すれば良い?
お住いの自治体によって支援の内容が異なるので、まずは市町村の発達障害者支援センターに相談してみましょう。
こちらから発達障害支援センターの一覧が見られます。【日本発達障害ネットワーク】全国の発達障害支援センター一覧
相談窓口以外にも、ネットで医師に相談できるサービス等も存在しています。有料であることもありますが、医師からの専門的な意見を聞いたり、他の発達障害の子を持つ親の相談を見たりすることができます。
こちらのサイトは月額税込330円で一つの質問に対して3,4人の医師の意見がもらえます。また発達障害以外の病気や健康に関する相談も可能です。「AskDoctors」
他にも電話相談を受けてくれるところはあります。どんなところに相談すれば良いのか、どんなことを相談できるのかはこちらにまとめてあります。
自分の時間を作る
子育てをしていると中々自分だけの時間は作れません。子供が学校に行っている時間も家事や仕事に追われ、一息つこうとすると子供が帰ってくる、なんてこともありますよね。
自分に余裕を持つこともアンガーマネジメントには必要です。
そんな時は放課後等デイサービスなど、子供を預かり運動、学習の療育を行ってくれる施設を利用してみるのも良いでしょう。
療育内容についてはこちらで紹介しています。
このサイトを運営しているアップでも、児童発達支援及び放課後等デイサービスを行っています。
自分だけの時間を作り、ゆっくり休んだり、趣味に打ち込んだりすることで心に余裕ができ、子供との時間をより有意義なものにしていけるでしょう。
まとめ
今回は、アプリを活用してアンガーマネジメントする方法を紹介しました。ポイントは以下の通りです。
- 怒りの記録をつけることで、怒りをコントロールしやすくなる。
- アプリを活用すれば、手軽に素早く記録ができ、分析も簡単になる。
- 自分が怒る基準を見直し、子供に合わせて変える。
- 怒りの中の感情を把握し、理由とセットで子供に伝える。
- なんで?どうして?をどうしたら?に変える。
- 相談窓口や放課後等デイサービスなど、利用できるものは利用して自分への負担を軽くする。
アンガーマネジメントの理論はわかっていても、実践となると話は別ですよね。
失敗した時には、やっぱり自分には無理かもと考えてしまうかもしれません。
それでいつの間にか忘れてしまい、やらなくなってしまう。アプリを入れておけば、スマホを開く度に目に入ってくるので、これを防ぐことができます。
失敗しても何度も意識して挑戦していくことで、少しずつアンガーマネジメントの考え方が身についていくはずです。