数字が出てくる文章問題を苦手に感じる子どもは少なくありません。
算数の計算はできても、文章問題になると途端に解けなくなるという子どもの苦手意識はどのようにして取り除くことができるのでしょうか。

そもそも、数の文章問題を苦手に感じるのは、状況をイメージすることが得意でないことが原因です。
計算ができるという場合は、本来文章問題を解くための能力は備わっているということです。

そこで、数字を見て問題の内容をイメージすることが難しい子どもには、実際に目の前で数を動かして見せることがおすすめです。
まず準備するものは、おはじきや算数の授業で使うことも多いブロックです。

同じ大きさ、見た目のものを複数個揃えると便利に使えるでしょう。これを3種類ほど用意します。
次に用意したブロックを問題文に合わせて移動させ、足し算や引き算の様子を実際に表します。

例えば、問題文が「リンゴ3個とバナナ5個を合わせるといくつになるでしょう」だった場合、赤のブロックをリンゴ、黄色のブロックをバナナとします。
問題の書いてある紙の横に、赤のブロックを3つ並べ、黄色のブロックを5つ並べます。
最後に、それらを全て数えるといくつになるか、子どもに尋ねます。

導き出した数字と問題文に書かれている数字が同じであることがわかったら、ブロックを用いた計算の練習は成功です。
見やすいように、問題文中で「リンゴ」と書かれている箇所に赤ペンで線を引くなどと工夫をすると、より良いでしょう。

文章題の中でヒントとなる箇所に注目させる

文章題をスムーズに解けるようになるには、文中でヒントとされる箇所に注目させる工夫も必要です。
例えば、足し算の場合は「全部で」「合わせると」などのワードに線を引きます。
引き算の場合は「残りの数は」「あまりは」などを強調しましょう。

最初は大人が印をつけてあげながら、子どもに「これが大切な部分だよ」と教えてあげましょう。
その上で問題を解くことに慣れてきたら、次は子ども自身に印をつけてもらいます。

文章題が長いと混乱してしまう子どもも、注目すべき箇所を知れば適切な計算ができるようになるはずです。

式を作ることが難しいとき

計算をすることができても、計算式を作るのを困難に感じる子どももいます。
そんな場合は日常生活と計算式を紐づけるのがおすすめです。
「どの答えを導くために計算しているのか」ということを意識できるようになるためです。

例えば、夕飯の準備の際に「ピーマンは1人2個食べるよ。家族みんなで何個必要かな?」といって計算してもらいましょう。
4人家族の場合は「2+2+2+2=8」という計算式になります。

この際、実際にピーマンを目の前に出してあげると、数を確認しながら答えを導くことができるのでわかりやすいでしょう。
実体験の中で計算式を作る練習をすると、文章題を見たときも何の数字を導きだせば良いのか意識して取り組むことができるようになります。