皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「子育て お金」についてです。
目次
子育てに必要なお金は○○円!
内閣府の調査を基づいて計算すると、子供が生まれてから大学卒業するまでにかかる費用は3000万円以上だと考えられています。
大学の学費は私立か国公立か、文系か理系かによって大きく変わります。特に医学系の場合、私立と国立では約2千万円の差が生じます。それぞれの場合の学費を表にすると以下のようになります。
文系 | 理系 | 医歯系 (医学部や歯学部、6年分) | |
私立 | 3,977,697円 | 5,416,925円 | 23,568,949円 |
国立 | 2,425,200円 | 2,425,200円 | 3,496,800円 |
公立 | 2,548,150円 | 2,548,150円 | 3,496,800円 |
私立-国立 | 1,552,497円 | 2,991,725円 | 20,072,149円 |
※公立大学は地域住民か否かによって学費が変動する。
高校生の約半数が進学する中、大学の費用で頭を抱えている方は多くいます。
発達障害がある場合でも、大学に進学するケースは珍しくありません。発達障害を持つ方の大学進学についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
大学生の約80%はアルバイトをしています。アルバイト代から学費の一部を負担している学生は約20%です。
参考 令和2年度学生生活調査
子育てに使うお金の種類
子供が小さいうちは養育費が高いんだけど、大きくなるにつれて教育費が高くなってくるよ。
衣類・服飾雑貨費、食費、生活用品費、医療費、保育費、スマホなどの通信費、お小遣い、入学祝などの行事費、子供のための預貯金・保険、お出かけ用のお金
学校教育費…学校での教育にかかる費用で家庭が負担するもの
学校外教育費…塾や家庭教師などの学校以外の教育にかかる費用
学校外活動費…習い事などにかかる費用
養育費の内容
養育費の中で常に高いのが食費です。子供の成長と共に負担も大きくなります。未就学児の1年間の食費は約17万円で、中学生になると約36万円まで増加します。
子供が幼いうち(0~2歳)は生活用品費の割合が高くなります。オムツや体拭きなどの消耗品、ベビーカーやチャイルドシートの子供用品が中心です。0歳が最も高く年間20万円で、1,2歳も年間10万円以上かかります。
幼稚園・保育園に通う場合、調査時点(平成21年)では保育費も年間30万円と高額でしたが、現在は幼児教育・保育の無償化の制度があるため基本の利用費は無償です。
教育費の内容
学校教育費は小学生で年間約10万円、中学生で約30万円前後です。中学生になると私立に進学する子の割合が増えるため、費用の平均値も大きくなります。公立に進学するか私立に進学するかで総額300万円近く差が出ることがあります。
習い事などの学校外活動費は小学3・4年生でピークになり、年間約8万円です。小学校高学年では中学受験、中学生は部活動などがあるため学校外活動費は減少していきます。
塾などの費用である学校外教育費は中学受験を控える小学5,6年生や高校受験を控える中学3年生で高くなります。特に中学3年生になると約25万円となっています。塾の費用は高額になることもあるので、子供が小さいうちから貯金しておくと良いです。
経済的な理由で塾に通わせることが困難な場合でも、地域の学生ボランティアなどが無料で学習指導をしてくれるところもあります。ここでは2つ紹介しますが、お住まいの地域にもあるか調べてみましょう。
学習サポート「夕暮れ学級」:神奈川県の座間市、横浜市で活動しています。学びたい気持ちがある小学4年生~高校生まで対象としています。
【認定NPO法人】八王子つばめ塾(無料塾) :東京都八王子市にあります。経済的な理由で塾に通えない中学生・高校生を対象としています。
発達障害があるとどうなる?
療育にかかる費用
療育のために児童発達支援や放課後デイサービスに通わせる費用が必要となります。これらの支援にかかる費用は、各市区町村で取得できる受給者証を受け取ることで負担を減らすことができます。
受給者証を持っている場合、利用料は1割負担になります。1回の利用で750円~1200円程です。また自己負担上限額が決まっており、世帯所得により金額が異なります。
世帯の収入状況 | 負担上限額 |
生活保護 市町村民税非課税 | 0円 |
世帯所得約900万円以下 | 4,600円 |
世帯所得約900万円以上 | 37,200円 |
1回の利用料が10,000円の施設を15回利用した場合、自己負担額は150,000円の
1割なので15,000円になります。
但し、世帯所得約900万円以下の家庭は上限額の4,600円の負担になり、生活保護・非課税世帯は負担が0円になります。
世帯所得900万円以上の家庭は上限額を超えていないので15,000円の負担になります。
これらの利用料とは別におやつ代や行事費がかかる場合がありますので、施設ごとに確認が必要です。放課後デイサービスの料金についてはこちらの記事にまとめています。
特別支援学校の学費
公立の場合、小学校・中学校は義務教育なので特別支援学校・学級でも授業料はかかりません。その他の教材費やPTA会費などの費用はかかります。
高校は全日制と特別支援学校高等部では学費が大きく異なります。全日制の場合、4年間にかかる総額(教材費、修学旅行費なども含む)は公立高校は約84万円、私立高校は約216万円です。一方、特別支援学校高等部は1万円以下になります。
特性に合わせた環境作り
視覚過敏の場合は光を遮断するためのサングラス、聴覚過敏の場合には雑音や高音を遮断するためのイヤーマフなどが必要になることがあります。また、家具の色や配置などを工夫して対処することもあります。
視覚過敏の対策について知りたい方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
子育て支援の手当と給付金
毎月もらえる手当
児童手当
子供が中学を卒業するまでもらえる手当です。もらえる金額は年齢によって異なります。
年齢 | もらえる金額(月額) |
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上小学校修了前 | 10,000円 第3子以降は15,000円 |
中学生 | 一律10,000円 |
参考 【内閣府】児童手当制度のご案内
生まれてから中学卒業までにもらえる児童手当の総額は約200万円になります。どのように活用するかご家族でしっかり話し合うことが大事です。
障害児福祉手当
精神や身体に重度の障害があり、日常生活に常に介護が必要な20歳未満の子供に支給されます。月額14,880円です。申請の際には医師の診断書などが必要になります。
特別児童扶養手当
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等が対象になります。障害の程度に応じて1級は52,500円、2級は34,970円が支給されます。発達障害がある場合はこの特別児童扶養手当がもらえる可能性が高いです。
申請した月の翌月から支給が開始されます。申請する前の分を遡ってもらうことはできないので注意が必要です。病院で発達障害の診断や疑いが出たら、なるべく早く申請の準備をした方が良いです。
特別児童扶養手当については、こちらの記事をご覧ください。
教育に関わる支援制度
幼児教育・保育の無償化
3歳から5歳までのすべての子供の幼稚園、保育園、認定こども園などの施設の利用料が無料になる制度です。住民税非課税世帯は0歳から2歳の子供の利用料も無料になります。
自治体から保育の必要性の認定を受けると、幼稚園の預かり保育や認可外保育施設の利用料も決まった額まで無料になります。児童発達支援など、就学前の障害児の発達支援を行う施設も3歳から5歳まで無料になります。
特別支援教育就学奨励費
障害がある児童・生徒が特別支援学校や特別支援学級で学ぶ際にかかる教育関係費を、家庭の経済状況に応じて国や地方公共団体が補助する制度です。通常学級に通う児童・生徒も対象になることがあります。
教育関係費に含まれるのは通学費、給食費、教科書費、学用品費、修学旅行費、寄宿舎日用品費、寝具費、寄宿舎からの帰省費などです。
高等学校等就学支援金
世帯年収約910万円未満の世帯の生徒が対象となります。公立、私立問わず授業料の負担を軽減するために支給され、金額は学校の種類によって変わります。
公立高校の場合、全日制は月額9,900円、定時制は2,700円、通信制は520円、特別支援学校高等部は400円になります。私立高校やその他の学校の金額は文部科学省HPを参考にしてみて下さい。
参考 【文部科学省】高等学校等就学支援金(支給期間・支給額一覧)
高等教育の修学支援新制度(令和2年から)
学びたい意欲があるが経済的に困難な家庭(住民税非課税世帯)の子供を対象に、大学や専門学校の学費を国が補助する制度です。国公立大学の場合、入学料・授業料がほぼ全額免除となり、給付型の奨学金も支給されます。
対象となるためには、学校の成績ではなくレポートなどで学習意欲を示し、大学進学後も学修状況に厳しい要件が課せられます。
下の動画も参考にしてみよう。
まとめ
支援や手当は申請しないと支給されないことが多いです。申請忘れには注意しましょう。また、対象になるかどうか不明な時は各自治体に相談して確認することが大切です。
様々な制度が整備されてきましたが、まだまだ子育てにかかる経済的負担は大きいのが現状です。これから先、より子育てしやすい社会になってくれると良いですね。