皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害児へ絵カードを効果的に利用する方法」についてです。

発達障害の子どもを育てると、コミュニケーションや指示の伝わりにくさで困っている方はいませんか?

今回は発達障害の子どもが生きやすくなるための道具の一つ、絵カードをピックアップし正しい利用方法をご紹介します。

是非最後までお読みください。

絵カードをおすすめする理由

絵カードとはイラストが描かれているカードのことで、主に4種類(指示カード、スケジュールカード、コミュニケーションカード、練習カード)あります。

お子さんとお子さん以外がスムーズにコミュニケーションを取るための道具であり、状況に応じての利用が求められます。

絵カードを使った子育てをおすすめする理由は、「目からの情報のほうが理解しやすい」特性の子供が多いからです。

例えば初めて行う作業について説明を受ける際、人によっては言葉で説明されるよりも動画やイラストを用いて説明を受けた方が分かりやすいと感じる人がいますよね?

これらの現象は認知特性と言われています。

認知特性の事例

突然ですが、何かを覚えるとき、自分の得意な覚え方ってありませんか?

みなさんにも実感してもらうために、以下のような簡単なテストに参加してみましょう。

あなたの目の前に、なんでも良いので3つ物を並べてください。そして、今からその3つの物を「自分の好きな方法」で覚えてください。

覚えたら、次の質問に答えてくださいね。

上記の3つをどのようにして覚えましたか。下記のうち一番近いのはどれですか。
  1. 言葉に置き換えて文章にして覚える(例:目の前の机には、◯◯があり、その横には△△・・・とエピソードにして覚える)
  2. 言葉に置き換えて、声(音)にして覚える(例:◯◯、△△、□□とテンポよく声に出して繰り返し覚える)
  3. 見たまま覚える(例:写真を撮るように風景として覚える)

参考元:本田40式認知特性テスト

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青木
参考元の「本田40式認知特性テスト」からリンクしている診断を受けてみると、ご自身の認知特性がおおよそで判明します。

みなさん、選べましたか?

本田40式認知特性テストから、その人の「思考のパターン=認知特性」がおおよそ見当がつきます。

上記の例ですと、(1)言語優位(2)聴覚優位(3)視覚優位という結果です。

保護者の方も試してみてください。認知特性が個人によって違うことを実感して頂けるでしょう。

本田40式認知特性テストは優劣を決めるものではありません。

大切なのは、認知特性を子育てに活かすことです。

▼視覚優位については下記の記事も参考にしてみてください。

視覚優位を活かそう

発達障害の子どもは視覚優位さが顕著です。

発達障害は生まれ持ったものであるため、特性を変えることは難しいと言われています。

ちなみに小さい子は、言語の能力が発達途上なことから、発達障害の有無に関係なく視覚優位なのが一般的です。

視覚優位の子の場合、「言って聞かせる」のではなく「見せて伝える」子育てに変えると、親子ともども楽になります。

「見せて伝える」手法が、絵カードを使ったサポートです。

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大竹
上記ツイッターのように、「あいさつ」のサポートにも絵カードを使えそうですね。

絵カードを実際に作ってみよう

それでは、実際に絵カードを作ってみましょう。

絵カード作りに関しては「商品購入・無料サイトからダウンロード・手作り」などの方法があり、自分が好きなものを選べば良いでしょう。

絵カードのタイプは4パターンありますが、今回は日常生活で使用頻度が高い1〜3を紹介します。

  1. 指示カード
  2. スケジュールカード
  3. コミュニケーションカード
  4. 練習カード

指示カード

指示カードとは、保護者の方が子どもにしてほしい行動を描かれた絵カードです。

例えば、お母さんが子どもにトイレのカードを見せて「トイレに行きなさい」と指示する時に使います。

保護者の方が子どもに見せるカードなので、保護者の手に持ちやすいサイズ(運転免許証~L判)が良いでしょう。

ですがあまり多用すると、子どもが嫌がるかも知れないので注意してください。

スケジュールカード

朝の身支度や1週間の予定表など、一連の行動を示す絵カードです。

発達障害の子どもたちは「自分で順序立てて行動すること」「行動の始まりと終わりを認識すること」が苦手です。

ですからスケジュール表で全体像を目で確認できると、発達障害の子どもは安心して行動できます。

スケジュール表は壁に設置する場合が多いのですが、絵カードのサイズが大きいと一列に並びきらないことがあります。

頻繁に使用するのならスケジュールカードのサイズは、35 x 35 mm が適しています。

例えば身支度カードの場合、一つの作業を終えるとそのカードを順番に剥がして行きます。

完了した作業から意識を遠ざけて、今しなければならない作業を把握できるように、手を差し伸べる必要があるかもしれません。

例えばこちらのツイッターでは、完了した作業の絵カードは完了ボックスに入れているようですね。

https://twitter.com/KANATA0606mr/status/1280743418046619654?s=20&t=MXYNWnQmORCA9_kV79GQPg

予定表(カレンダー)の場合、当日を枠で囲むようにすると良いでしょう。

見通しを立てやすくする方法は下記のYouTubeも参考になるのでぜひ見てみてください。

コミュニケーションカード

コミュニケーションカードは、発達障害の子どもがお母さんや周りの人に自分の意思を伝えるための絵カードです。

発達障害を持つ子どもは、自分の気持ちを言葉で伝えるのが苦手です。

ですからコミュニケーションカードを使って自分の気持ちを伝えるといいでしょう。

子どもの手の大きさを考えて、コミュニケーションカードのサイズは、45 x 45 mmが適しています。

慣れてくると35 x 35 mm の方が使い勝手が良くなります。

こちらの方は本人からリクエストがあったようですね。事前に用意しておくと安心です。

絵カードを作成する時の注意点

絵カードを作成する時には、いくつかの注意点があります。

保護者の方が一生懸命に絵カードを作っても、子どもが興味を持ってくれないとしたら辛いですよね。

以下ではついやってしまいがちな悪い例や注意点を紹介します。

情報はシンプル

発達障害を持つ子どもは、一度に複数の情報を理解することが苦手です。

そのため、1つの絵カードには1つの情報をのせるようにしてください。

ノイズに注意

写真を絵カードとして使うのもとても有効です。

例えば子どものお気に入りグッズの写真を使った絵カードは、子どもの注意を引きつけられるからです。

ですが、子どもに伝えたい内容以外のものが背景や周囲に映り込んでいると、効果は期待できないかもしれません。

子どもの関心が背景や周囲のものに移ってしまい、どれに注目したらよいのか迷ってしまいます。

例1:「パジャマに着替える」を伝えたいのに、パジャマがアンパンマン柄でアンパンマンにしか注目できず、指示が通らない。

例2:同じカードを「着替え」と「服を脱ぐ」に使うと、どちらの意味か混乱し両方できなくなる。

例3:「帽子をかぶる」の帽子のイラストや写真が自分のものと違った色や形だと、自分の帽子のことだと認識できない。

適度なサイズ

普通に考えると「絵カードは大きい方が見やすいはずだ」と考えてしまいますよね。

しかし発達障害を持つ子どもは、注視できる視野(有効視野)が普通の子どもに比べて狭いと言われています。

そのため、サイズの大きい絵カードを目の前に出された時、発達障害を持つ子どもはカードの一部にしか注意を向けることができないかもしれません。

その結果、絵カードの内容が正しく伝わらない可能性があります。

一般的には

  • 指示カードの場合は写真サイズ(L版)
  • コミュニケーションカードやスケジュールカードの場合は3.5cm x 3.5cm

が望ましいと言われています。もちろん個人差はあるので、あくまでも目安になります。

否定的な表現はNG

「〇〇ちゃん。△△してはダメ!」

子育て中のお母さんなら毎日一度は口にするフレーズですよね。

しかし発達障害の子どもにとって否定的な表現は理解されにくいようです。

そのため「肯定的な表現」を使うのがポイントです。

肯定的…だとわかりにくいかもしれませんが、やめることではなく「やってほしいこと」を具体的に伝える表現です。

具体的な例で説明してみましょう。学校の先生が廊下を走っている子どもに注意します。

「〇〇ちゃん。廊下を走ってはダメ!」

一般的には「廊下を走ってはダメ」=「廊下は歩きましょう」と本当の意味を推測できます。

つまり、否定的な表現を肯定的な表現に自分で変換できるのです。

しかし発達障害の子どもは本当の意味を推測するのが苦手で「廊下は歩きましょう」というゴールに辿り着くことができません。

そればかりか「否定的な絵カード」を見せられる度に叱られている印象が残ってしまい、絵カードを避ける可能性も出てきます。

今回のケースで絵カードを作る場合、以下の画像で示す通り「○歩こう」のカードを作ってくださいね。

絵カードを使う時の注意点

絵カードが完成したら実際に使ってみましょう。

本項では絵カードを効果的に使う3つのポイントを教えますね。

しっかりと声かけ

発達障害の子供は自分で何かを始めたり、終わらせたりするのが苦手です。

ですから黙って絵カードを子どもに見せたり、渡すだけでは子どもが行動に移せない可能性があります。

対処法としては、作業を行う前に「〇〇ちゃん。△△始めようね」と笑顔で声かけを行ってみてください。

子どもの意識を作業に向けてあげましょう。

見せて実践する

次に、保護者の方がお手本を見せてあげます。

「(絵カードを見せながら)〇〇ちゃん。私が今から△△するからよく見ててね」と言って、実際に行ってみてください。

できたことをほめる

そしてもし子どもが上手くできたら、思いっきり褒めてあげましょう

子どもはみんな、保護者の方に褒められるのが大好きです。

もっと保護者の方に褒めてほしいと思って、どんどん作業に取り組んで行くかもしれませんよ。

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青木
きっと自己肯定感も高まりますね。

参考資料

絵カードの無料素材

絵カードはネット通販(楽天やアマゾンなど)で数多く販売されています。

ですが無料素材もたくさんあります。まずは無料ダウンロードできる素材から試してみてはいかがでしょうか?

ご自宅にプリンターがなくてもコンビニから直接印刷できるようにしてくれているサイトもあります。

一つ、イラストレーターで発達障害のお子さんを育てておられるたきれいさんをご紹介します。

ご自身の育児経験+プロの仕上がりで非常に見やすい絵カードが多数あります。

参考元:コンビニで印刷できる絵カード

またコンビニからいつでも直接印刷でき、カラー素材ではないので、その子の持ち物に合わせた色を塗るなどの工夫ができるのも素晴らしい点です。

その他、無料で使いやすい素材のリンクを下記にまとめたのでぜひ一度見てみてください。

絵カードの書籍

今回の記事を書くに当たって参考にした書籍が何冊かありますが、一番のオススメ本を紹介します。

「発達障害の子ものびのび暮らせる生活サポートブック(2012)」

絵カードの使い方を日常生活の場面(トイレ・食事・着替え・遊び・他8つ)で紹介しています。写真やイラストをたくさん使って説明してあるので、とても分かりやすいでしょう。

さらに、発達障害の子どもの特徴も丁寧に説明してあります。

ちなみに、私は県立図書館で借りました。興味のある方は、お住まいの地域の図書館に問い合わせてみてくださいね。

絵カードアプリ

感染症予防の観点から、カードを使いまわすだけではなくスマホを利用して、必要以上の接触を避ける方法にも需要が高まっています。

えこみゅ
無料
(2022.07.25時点)
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えこみゅは絵カードをアプリ化したものです。

一部課金制ですが、無料分だけでも十分コミュニケーションを取れます。

興味のある方は一度試してみてはいかがでしょうか。


子供とその家族の支えとなる福祉サービスを目指している「運動・学習療育アップ」では、発達障害と子育てに役立つ情報を発信中です。

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まとめ

  • 視覚優位の子供には絵カードを使って説明すると効果的
  • 絵カードは無料素材で作ることもできる
  • 絵カードの要素はしぼってシンプルにするなど注意点を把握しよう

「絵カード」を使った育て方は、発達障害を持つ子どもだけでなく、定型発達の子どもに大変効果的です。

絵カードは無料素材でも作成できるので、気軽に試してみてください。

絵カードを試してみても、子供さんの発達段階や絵の素材によってうまくいかないこともあります。

そんな時は絵カードの素材を変えてみたり、期間を空けて見たりしてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!