皆さんこんにちは!本日も発達障害に関する学びや情報交換の場となることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の子どもが変わる食事」についてです。
発達障害を完治させることは難しくても、ちょっとしたことが変われば少しは楽になるのにと思うことってありませんか?
障害を抱えていると、通常ではしなくても良い手順がいくつか加わり、生活することだけで疲れ切ってしまっては本人も家族も辛くなるばかり。
ですが、その手順を少しでも楽にする方法があったら嬉しいですよね。
実は食事で発達障害の子供が変わる可能性に注目した研究はすでに当たり前で、治療方法にも「食育」を取り入れているのです。
家庭で取り組める食事を中心にご紹介します。
目次
発達障害の研究から分かる食事で子供が変わる理由


発達障害の子どもが変わる食事posted with ヨメレバジュリー・マシューズ/小澤理絵 青春出版社 2012年09月 楽天ブックスで探すAmazonで探す7netで探す
こちらの書籍は、アメリカで発達障害専門の栄養コンサルタントをしている著者が、科学的根拠を交えて家庭でできる食事療法を紹介しています。
発達障害専門の精神科医が、手軽ではないが重要な情報と口コミするほどに詳しく丁寧に説明しているのですが、確かに手軽ではないようですね。
本記事を食育療法のきっかけにして頂きたいので、気になりましたら手に取って損はない本として紹介します。
食事と行動の関連性
21世紀に入った頃からでしょうか。
青少年の事件が連日報道されて、「コンビニ弁当でキレやすい子供になる」とニュースで流れ始めた時、私は第1子を産んだ直後くらいでした。
スーパーのお惣菜やコンビニに頼るのは母親の愛情不足だという価値観が根強く残っていましたし、今ほど気軽に情報を得ることのできなかった時代です。
私も凝った手料理を食べさせてあげるのが母親の務めで愛情だ!などと偏った考えで自分を追いこんでいましたね。
ですが、コンビニ弁当やお惣菜がいけないのではなく、問題は栄養の偏りと欠乏なのです。



カルシウムイオンが脳神経に作用して興奮性や攻撃性を抑制したり、精神的な動揺を抑えて感情の起伏を穏やかにするのです。
栄養的介入による行動の変化
発達障害は脳神経細胞・神経回路(シナプス)の形成異常によるものと考えられていて、摂取する栄養が脳神経に作用することも分かっています。
発達障害を持つ子供の血中や毛髪などを検査すると、マグネシウムや亜鉛、ビタミンB群やオメガ3脂肪酸などが健康な子供に比して不足しているとの報告がありました。
いくつかの研究から、栄養的介入によって発達障害で生じる睡眠障害や消化器症状に改善傾向が見られたり、社会交流やコミュニケーションにも変化があると考えられています。
こうした研究報告により、発達障害の改善に薬剤や心理学、社会生活技術訓練(SST)の他に食育のアプローチも加わっているのです。
欠乏している主な栄養

私は発達障害の症状を、土壌で花の色が変わるあじさいと同じように思っています。
発達障害についてはまだ原因が解明されていませんが、様々な環境要因で様々な症状が複雑に現れると考えられているからです。
そうした複雑さを踏まえて、どんな栄養素が不足していてどんな影響があるかを見てみましょう。
不足しがちな栄養素
栄養素 | 欠乏による主な症状 |
鉄 | ・中枢神経の発達に影響 ・筋肉パフォーマンスの低下 ・鉄が補酵素のドーパミン不足は注意力/記憶力/学習力に影響 |
ビタミンB群 (B1~B3/B5/B6/B12/葉酸など) | ・神経伝達など脳機能に影響 ・代謝障害(疲れやすい/口内炎などできやすい/集中力低下/不眠) |
アミノ酸 | ・神経伝達など脳機能に影響 |
オメガ3脂肪酸 (DHA/EPA) | ・海馬の神経新生(新しく神経を作る)に影響 |
レシチン | ・脳細胞の活動低下 ・認知機能などに影響 |
乳酸菌 | 腸内環境の悪化は包括的に心身に影響 |
上記に挙げた物質は発達障害や精神疾患に不足しがちな栄養素で、補うことで行動や思考の変化がみられるとの研究報告が多数あります。
普段の食事で吸収しずらいものは、医師の診断によってサプリメントで補給することもあります。
積極的に取り入れたい食品

不足しがちな栄養素は分かっても、実際にどんな食品が良いのでしょうか?
正直申しますと、私はあまり料理が得意ではなく、食品に含まれる栄養にも無頓着でした。
手軽に取り入れることができなければ、日々の生活を少しでも楽にすることから遠ざかってしまいますね。
明日からでも可能な食材4選
手軽さと時短を兼ね備えていて、私自身が取り組むきっかけとした4種類の食材をご紹介します。
味噌汁
味噌汁はとっても優秀なメニューのひとつなんですよ。
鉄分を多く含む煮干しやしじみ、小松菜は味噌汁で簡単に摂取できます。
煮干しは出汁にも具にもできますし、しじみや小松菜と組み合わせたら鉄分補給に最適ですね。
そして、味噌には不足しがちな栄養素として挙げたビタミンB群の中のB2やB12、レシチン、アミノ酸、乳酸菌も含まれています。
お味噌汁にはいくつもの栄養素が含まれ具のバリエーションも豊富で、その手軽さから毎日でもそれほど苦行ではありませんね。
枝豆
畑の肉と呼ばれる大豆の熟す前に収穫される枝豆も優秀食材。
良質なたんぱく質に加えて、アミノ酸やビタミンB1・B2と葉酸なども含まれています。
茹でてそのままでも美味しいですし、豆ごはんやサラダも良いですね。
私は、葉酸を多く含むブロッコリーと枝豆、タコをバジルソースで和えたセブンイレブンの商品が大好きです!
サバ缶
青魚はもちろん、オメガ3脂肪酸のDHAやEPAが豊富ですし、ビタミンB2も含んでいます。
サバ缶などは手軽に調理ができ、少し検索するだけで様々な時短レシピもありますし、保存が利きますから買い置きできるのがさらに嬉しいですね。
サバ缶は一石で何鳥になるのか分からないお得食材ベスト3に入るでしょう。
クルミ
ナッツ類で断トツなのはクルミで、青魚のDHA・EPAと同じ効果の脂肪酸です。
おやつやちょっとした間食に数粒を食べるのは、もはやご褒美と同じですね!
ヨーグルトと食べれば乳酸菌も同時に摂取可能です。
バランスは意識しましょう



例えば鉄分は、ビタミンCと摂取することで吸収率が上がります。
欠乏した栄養素を含む食品は積極的に摂って頂きたいですが、様々な食品と共にバランス良く取り入れるようにしましょう。
注意点として、高脂質と糖質は控えるように意識してくださいね。
食事は作る側も食べる側も苦にならないようにしなければ続きませんので、参考までに載せておきます。
発達障害に限らない話

栄養素が欠乏し、それを補給することで脳神経に影響することを述べてきましたが、発達障害に限らない話であることはもうお気づきですね。
私はうつ病を経験しました。
もしかしたら、発達障害の何かしらを持っているかもしれないとも感じますが、医師の検査を受けていないので「発達障害グレーゾーン」と思っています。
寛解と呼べる状態ではありますが、更年期障害も手伝ってうつ症状がぶり返すこともあります。
見直しは食事から
不眠や不調が続くと、砂糖などを少し控えてナッツやアボカドを取り入れたり、先ほど紹介した味噌汁でしじみやホウレンソウなど鉄分を意識するようにします。
翌日から見違えるように!とはいきませんが、食事は口から摂取して直接身体に栄養素を取りいれます。
食べるものを意識することで生活習慣の見直しのきっかけにもなりますので、取り入れやすい食材から考えるとあまり負担にもなりにくいです。
偏った栄養によってキレやすくなるのと同じように、健常者であっても栄養の欠乏は心身のバランスが乱れるものです。


発達障害や精神疾患だけではなく、偏った栄養は誰にとっても少なからず影響があります。
身体を作る食事から見直しをして、少しずつ取り組んでみましょう。
まとめ
気負い過ぎるとストレスとなって逆効果になるので、出来る範囲から少しずつを意識してください。
僅かでもできたことは前進できた時です。
発達障害は特別ではないと考えるのは、私もグレーゾーンでありうつ病を経験したから。
そして、そんなグレーゾーンな人たちが一定数居ることは決して限られた狭い世界の話ではありません。
研究によって欠乏している栄養素と、それを補うことで変化があるのは報告されています。
発達障害の子どもが抱える神経系の不具合・不調から発生する症状を、生活習慣や食事を整えることで落ち着くと考えられるのです。
苦労の中のひとつだけでも減らして、少しでも「楽」をしていきましょう。