毎日の決まりごと以外のことになると「わからない」と答える子どもとの向き合い方

起床や帰宅、学校や習い事など、毎日のルーティーンとなっている決まりごと以外のことになると上手く話せなくなる子どももいます。
そんな時は、敢えていつもとは違う体験を共有して、出来事を思い出す練習の材料にしましょう。

例えば、いつもお家で夕ご飯を食べることが習慣になっている家庭の場合、外食をする機会を設けます。

お店でご飯を食べている最中、「今何を食べているの?」と聞いてみましょう。
子どもが「ハンバーグ!」などメニュー名を答えることができたら、「ハンバーグを食べているんだね。美味しそうだね」などと前向きな声がけをしましょう。

次にご飯を食べ終わって店を出たら、「さっき食べたのはなんだったっけ?」と聞いてみましょう。
子どもが迷いを見せたり思い出すことができないようなら、そこですかさず「ハンバーグだったよね」と答えを提示します。

もしくは、料理を撮っておいて「これを食べたんだったよね」と写真を見せて思い出させたり、「ステーキかハンバーグ、どっちだったっけ?」と二択でクイズを出しても良いでしょう。

大人が一緒に体験した出来事について質問に答えられるようになったら、次は子どもが一人で体験した出来事について質問をしてみましょう。
学校から帰ってきた子どもに「今日はどんな勉強をしたの?」「休み時間は何をしたの?」など、限定的な質問をして思い出すのを待ってください。

ただ、子どもが答えられたとしても、大人がその答えを正確な情報か確かめる手段はないので、一つの出来事について掘り下げる必要はありません。
子どもが何か答えたら「そうだったんだ」「楽しかったんだね」など共感を伴う相槌を打ちましょう。

なんども同じ質問をしているうちに、子どもの記憶が長持ちして数時間前のことでも答えられるようになります。

数日前のことになると思い出せない場合の対処法

最近の出来事は思い出せても、数日前のことになるとわからないという子どもの場合、曜日や日付とセットで覚えるトレーニングをしましょう。

学校の時間割やスケジュールを見ながら「一時間目の後は何をした?」「国語の時間の後は何をした?」など具体的に質問をします。
子どもが理解しやすいように、はじめはわかりやすい質問から始めましょう。

子どもが「わからない」とだけ答えて終わってしまわないように、ヒントを準備しておくことが大切です。
最初から全て答えられる必要はないので、まずは子どもが落ち着いて答えられるような環境を作ってあげましょう。

このステップが完了したら、次はカレンダーを見ながら「この日は何をした?」と質問をして、数日前の主な出来事や予定について尋ねます。
なかなか思い出せないようなら、カレンダーにわかりやすく印をつけておき、それをヒントにするのがおすすめです。

例えばピアノの習い事がある日なら音符マークを書いておくなどすると、過去の出来事と曜日や時間を紐づけて考えるきっかけとなります。