子どもと視線が合わない場合や、アイコンタクトがないと感じた時、できる工夫があります。
大人は子どもにこれらの特徴が見られると、つい無理矢理アイコンタクトをとろうとしてしまいがちです。

しかし、それでは却って子どもに抵抗を感じさせてしまいかねません。
ここでは、楽しい経験を共有する中で、少しずつ自然と目を合わせられるようになる方法をまとめます。

欲しいものを利用して目線を合わせる

人と目を合わさない子どもも、自分にとって欲しいものがあれば目を向けるはずです。
目線を合わせるには、この欲しいものを利用すると良いでしょう。

おやつの時間やゲームを利用してトレーニングをする

例えば、おやつの時間を例に出して考えます。
子どもにとって魅力を感じるおやつを目の前に出されると、つい視線が向かうものです。

そこで大人がおやつに顔を近づけて、自然に子どもと目を合わせるチャンスを作りましょう。
おやつを用意したら、子どもと同じ目線の高さに合わせて座ります。
その状態で、おやつをこめかみの横あたりに持ってきて、「おやつ食べる?」と聞いてみてください。

子どもが目線を上げてこちらを見たら、すぐに「目を合わせることができたね」と言って褒めてあげましょう。
その際ご褒美として持っていたおやつを与えてあげてください。

また、おもちゃを使った目線の合わせ方もあります。
同じく子どもと同じ目線の高さにしゃがんだ状態で、ゲーム機を持って大人の目の横あたりに持っていき、
「今日は何のゲームで遊ぶ?」などと聞いてみましょう。

ゲームに関心を持っている子どもなら、すかさずゲーム機に目線を向けるはずです。
そこで大人が子どもの目を見てどのゲームをするか逐一確認することで、目を合わせる機会は多くなります。
ずっと目線を合わせて会話することはできなくても、少しずつ目を合わせられる時間が長くなるでしょう。

身体遊びを利用してトレーニングをする

他に、身体遊びを使って目線を合わせるトレーニングもあります。
例えば、子どもの目線に近づいた状態で「高い高いしたい?」と問いかけ、子どもが目を合わせて「したい!」と答えたら遊んであげるようにします。

他の身体遊びでも同じように目線を合わせる練習をすることができます。
一度遊び終わったら、再度目線を合わせて「もう一回やる?」と聞くことで、目を合わせる機会を増やすことができます。

目線を合わせるトレーニングが子どもにとって義務的なものにならないよう、遊びの中で楽しんで行うのがコツです。

どちらの方法にしても、はじめはしっかりと目を合わせる必要はありません。
おやつしか見ていないなと思っても、顔まわりしか見れていないと感じても、細かいことに言及するのはやめましょう。

目線を上げられたということだけでも十分だと思って、褒めて伸ばすことを心がけてください。
くれぐれも、子どもの顔を力ずくでこちらに向けさせるなど威圧感のある方法はとらないようにしましょう。