アスペルガー症候群の子どもとの接し方のポイント

アスペルガー症候群の子どもと上手く向き合うには、どのようなことを意識すべきなのでしょうか。
接し方のポイントをまとめます。

伝え方を変えてみる

アスペルガー症候群の特性を持つ子どもは、比喩や遠回しの表現を理解することを困難に感じます。
また、話し相手の表情の変化や仕草を読み取って行動するのも、同じく苦手に感じていることが多い傾向にあります。

そのため、アスペルガー症候群の子どもとコミュニケーションを取るときは、その特性を理解した上で、子どもにとってわかりやすい方法をとるようにしましょう。
噛み砕いた表現や、大げさなほどの身振り手振りで、円滑なコミュニケーションがとれるように工夫してください。

指示をわかりやすく伝える

指示を出すときは、わかりやすく短い言葉で、簡潔に伝えるのがポイントです。
具体的でわかりやすい指示を出されると、その通りに行動できます。
「まずはここに座ろうか」「あれをとってくれる?」など、指示を一つずつ出すことによって、子どもが混乱に陥るのを防ぐことができます。

言葉を省略しない

言葉を省略して指示を出してしまうと、子どもの混乱を引き起こしてしまいます。
例えば、服を着て欲しいときは「着て」というのではなく、「椅子の上に置いてある黄色いセーターを着てね」などと、具体的な指示を出すようにしましょう。
アイテムの名前や特徴を使って指示を出すのがおすすめです。
また、「あれ」「ここ」など、代名詞を使って話しかけるのもやめましょう。

視覚的に伝える

言葉だけで伝えることを意識すると、上手くいかないこともあります。
そんなときは、ジェスチャー・写真・絵などを使い、視覚的にわかりやすいような工夫をすることで、理解する上での手助けとしましょう。
子どもに伝えるために、わかりやすいイラストを描いたカードを用いれば、いつでもどこでも指示に従って行動をすることができるようになります。

いつもと違うことがあれば事前に伝える

急に予定変更をすると、それに適応することが難しい子どももいます。
もし予定を変更することになった場合は、わかった段階であらかじめ伝えてあげると良いでしょう。

叱らず教えるように努める

感情的になって叱ったところで、子どもに内容が伝わることはありません。
ただ、「なぜか叱られた」という後ろ向きな感情を持たせてしまうのみです。

子どもには、叱るのではなく教えることを意識して向き合うようにしましょう。
どのように行動するべきなのか、具体的に教えてあげてください。

一度に多くの物事に取り組もうとするのではなく、一つ一つ課題をこなしていけるように指示しましょう。
曖昧な表現は避けて、なるべく端的な言葉で指示を伝えるのがポイントです。

アスペルガー症候群は、原因がはっきりとしていないため、保護者の立場では不安に陥ってしまうこともあるでしょう。
しかし、アスペルガー症候群の子どもは、長所や強みを引き出すことで、才能を発揮することもあります。

専門機関にサポートをお願いしながら、子どもと向き合いゆっくりと治療を進めていきましょう。
もしわからないことがあったら、すぐに支援員に相談をするのも大切なことです。