皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 不安が強い」についてです。
発達障害を持つ子供のお母さんなら「なぜ、うちの子供はこんなにも不安が強い?」と心配に思ったことがあるのではないでしょうか。
不安という感情は自然な反応です。だから、不安を感じること自体に問題はありません。しかし、発達障害の子供の場合、ちょっと程度が強すぎる気がしますよね。
結論から言うと、その理由は発達障害の特性にあります。
そこで今回は以下の2つを中心に紹介します。
- 発達障害の特性と子供の不安との関係。
- 子供の不安への対処法。
子供の不安を和らげるためにできることを、お母さんと一緒に考えてみましょう。
目次
発達障害の特性

発達障害の特性には、子供たちに強い不安を与えやすい特徴があります。
そこでまず、発達障害の特性から説明を始めますね。今回は、代表的な3つの発達障害(ASD, ADHD, LD)でみられる特性について見てみましょう。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 言葉のキャッチボールが苦手、喩えや比喩を理解できない、一方的に話す。
- ゲームや遊びなど、友達と一緒に協力してプレーすることが苦手。
- その場の雰囲気や相手の表情、仕草から相手の気持ちを汲み取るのが苦手。
- 決まった手順、いつも使っている物に強くこだわる。
- 知覚(聴覚・視覚・味覚・臭覚など)が異常に敏感だったり、鈍感だったりする
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
- 落ち着きなくそわそわしている。じっとしているのが苦手。
- 気が散りやすく、一つのことに集中するのが苦手。
- うっかりミスや忘れ物が多い。
- 物事の善悪など、後先考えずに行動したり、口に出してしまう。
学習障害(LD)
- 知的障害と異なり、全体的な理解力に遅れはない。
- 読み、書き、算数(計算)など特定の学習が苦手。
「発達障害の特性って結構辛いかも」と思われたお母さんたちが多かったのではないでしょうか。このように、発達障害の子供たちの日常生活は、不安を感じやすい状況にあります。
ツイッターを見ていたら、偶然お母さんへの応援メッセージを見つけましたので、下記に記載します。
子供が不安を感じる時

それでは、発達障害の特性がどのようにして子供に強い不安を与えるのでしょうか。お母さんがイメージしやすいように3つの具体例で説明しますね。
不安1:人とのコミュニケーション
人とのコミュニケーションは表面的な言葉のやり取りだけでなく、
「言葉の裏の意味(本音)を読み取る、比喩や喩え、その場の雰囲気や相手の表情から察する(空気を読む)」などのスキルが大切になってきます。
しかし、発達障害の子供たちにとって、それらのスキルはどれも苦手なものばかりです。
そのため、子供同士でおしゃべりをしていても、話が上手く噛み合わず、疎外感を感じやすくなります。場合によっては、いたずら・からかいのターゲットにされてしまうこともあるのです。
そうなると、人との関わり合いに強い不安を持つようになってしまいます。
不安2:予定が変わること・新しいこと
「こだわりが強い」のも発達障害の特性の一つでしたね。
いつも決められた手順や習慣を頑固に守り、融通が利きません。そのため、急に予定が変更になったり、新しい出来事に遭遇すると、強い不安感を覚えることがあります。
場合によっては、パニックになって泣き出したり、不機嫌になって怒り出したりすることもあります。
また、知覚過敏の一つである聴覚過敏を持つ場合、騒がしい場所がとても苦手です。そのため、外出すること(人混みの多い場所)に不安を覚える場合が少なくありません。
いずれにしても、本人にとって辛い経験を何度も繰り返すうちに、いつもと違うこと・新しいことに対して強い不安を持ち、避けるようになります。
その結果、自分の成長にとってプラスとなる新しい経験をする機会を失うことにもなります。
不安3:失敗・間違い
「落ち着いがなく、うっかりミスが多い。読み書き・計算などの特定の勉強が苦手」
これらは発達障害(LD)の特性ですが、見た目には、本人のやる気のなさ、怠けていると見られてしまうことが少なくありません。
そういった障害への無理解や偏見によって「本人の失敗・間違い」として指摘されてしまうと、
発達障害の子供たちは「また怒られる」「また注意される」と失敗することに対して不安がるようになってしまいます。
不安に思って自信を無くすと、さらに失敗や間違いも増えるので、より強く不安を感じるようになって悪循環に陥ってしまいます。
不安がさらに進行すると
不安が強い状態が長く続くと、ひきこもり・うつ・不安障害などの二次障害を引き起こす場合があります。
発達障害の子供たちは、一見すると「自己主張が強く、人の目や意見などを気に留めない、我が道を行くタイプ」のように思う人も少なくありません。
しかし、上述したように、彼らはこころの中にいくつもの不安を抱えており、とびきりの心配性です。更に、発達障害の子供たちはストレスに弱い傾向にもあります。
このように、不安が強いと、子供たちの成長につながる機会(人との関わり合い、新しいことへの挑戦など)を逃すだけでなく、二次的な障害を併発するリスクも高まります。
それでは、周りの大人たちは子供たちに対して、どのような対応すれば良いのでしょうか。
不安への対処法

それでは、不安への対処法はどのように行えば良いのでしょうか。一番大切なことは、発達障害の特性に沿った対処を行うことです。
間違っても、世間一般の普通に合わせようとしないでください。
発達障害の特性は生まれつきのものなので、その特性を変えることはとても難しいです。そのため、世の中の普通に合わせようとしても、子供たちが辛い思いをすることが多くなります。
それでは、子供の不安への対処法を、先程述べた3つの不安を例にして見てみましょう。
どれも、基本的な考え方や技術ばかりです。しかし、しっかりと理解しておけば実際の子育てにも応用が効きますよ。
対処1:人とのコミュニケーションへの不安
お母さんとのコミュニケーションで、しっかりと子供に自信をつけさせて、不安を少なくしてあげましょう。そのためのポイントは以下の3つです。
- 具体的な表現を使う。曖昧な表現(比喩や喩えなど)は使わない。
- 肯定表現を使う。否定表現は使わない。
- イラストや絵を使って、視覚的な説明を活用する。
例えば、「おはようございます」「こんにちは」などの簡単な挨拶から始めてみるのはどうでしょう。挨拶はコミュニケーションの潤滑油なので、とても大切になりますね。
またまた、ほっこりするツイッターを見つけましたので記載します。
この親子はお風呂でのコミュニケーションを始めたみたいですよ。
あと「自分の思いや感情を表現する」コミュニケーション・スキルはとても大切です。もちろん、発達障害の子供たちにも大切になります。
しかし、発達障害の子供たちは感情表現が苦手なので、上手く相手に伝えることができず、イライラして不安になることが多いです。
そんな時「絵カード」を使って、感情表現のトレーニングを行うのが効果的です。
対処2:予定が変わること・新しいことへの不安
決まった手順に強くこだわることは、臨機応変な対応が苦手だということです。しかし、急な予定変更が避けられないことだってありますよね。
だとしたら「変化することが苦手という特性」をどのように対応すれば良いのでしょう。
例えば、次のような対応が考えられますね。
- 事前に情報を伝えておく。例:もし雨が降ってイベントが中止になった時は、〇〇〇にするね。
- 子供が安心するお気に入りのグッズ(ぬいぐるみ、おもちゃ、タオルなど)を持たせる。
同様に、学校などの遠足ではじめての場所(遊園地や動物園など)に出かけても、やはり発達障害の子供たちは不安になり易いです。
そういった場合には、以下の対応が良いでしょう。
- 出かける場所が視覚的にイメージできるように、ホームベージに掲載されている写真とか、SNSの投稿写真などを活用する(視覚優位の特性を上手く利用)。
また、聴覚過敏の人は、騒がしい場所が苦手なので、外出することに不安を覚えがちです。そういった場合は「聴覚過敏用の耳栓やイヤホンなどを利用する」とストレスが軽減され、不安が減るみたいですよ。
対処3:失敗・間違いへの不安
発達障害の子供たちは、普通の子供に比べて「失敗や間違い」をしやすいので不安になりがちです。そこで、その不安を無くすためにお母さんに実践して欲しいことがあります。
キーワードは「達成感」と「ほめる」です。
具体的には以下の3点になります。
- 出来たことを褒める。
- 失敗しても注意しない。頑張って挑戦した行為に注目して褒める。
- 小さな達成感を繰り返し経験させる。
気をつけて欲しいのが、最初からいきなり大きな達成感(課題)を目指してはいけません。失敗することが多く、子供たちが自信を無くしてしまうからです。
もし、大きな課題に挑戦する時は、その課題を小さな課題(スモール・ステップ)に細分化して、小さな課題を一つずつクリアすることを目指します。
さらに、その小さな課題もゴールから取り組んでもらうと効果的です。
まず最初に、ゴールという達成感を子供に体験させます。そこから一つずつスタートに向かって遡って行きます。この逆算思考も覚えておくと便利ですよ。
3つの対処法を紹介しましたが、いかかでしょうか。
発達障害の特性に沿って、周囲の環境を整えると、障害を不便だなと感じることはあっても、強く不安に思うことは少なくなるでしょう。
そして、小さな達成感をたくさん経験させ、たくさん褒めてあげましょう。達成は子供の自己肯定感を高める(自信を持つ・自分を大切にする)ことにつながります。
まずは、自分でもできそうなところから、始めてみるのはどうでしょう。
相談機関を活用
家族だけで子供の不安に対応するのは、お母さんにとっても大変ですよね。そこで、お住まいの地域ある相談機関を積極的に活用することをお勧めます。
専門機関に相談することには、以下のメリットが存在します。是非、活用してみてください。
- 発達障害に関する専門的知識をもった職員のサポートを受けられる。
- 職員が子供の成長を共に喜んでくれる存在となる。
- 他の支援機関と連携が可能になる。
- 同じ悩みを持ったお母さんたちと知り合いになれる。
参考:「▷▷▷発達障害者支援センターの一覧」

子供とその家族の支えとなる福祉サービスを目指している「運動・学習療育アップ」では、発達障害と子育てに役立つ情報を発信中です。▷▷▷興味のある方はこちら
お母さんだって不安になる

「子供が不安で落ち着かないのは、私の子育てやしつけに問題がある」と頑張り屋のお母さんは、自分を責めて不安になっていませんか。
そんな時、自分の不安な気持ちを後回しにしてはいませんか。子供と同じくらい、お母さん自身の不安な気持ちへのサポートも大切ですよ。
そんなお母さんに、オススメの不安解消法があります。
それは、各地で行われている親子教室・親子グループなどに参加して、発達障害の子供を抱えているお母さんたちと知り合いになることです。
似たような悩みを持った親同士が、悩みを相談し合ったり、情報交換をしたりしながら、不安な気持ちをケアするのはどうでしょう。
辛い気持ちやネガティヴなことも「その気持ち、分かるよ」「本当だよね」と気軽に言い合えるフラットな関係って、不安解消には良いみたいですよ。
親子の集まりに関する情報は、児童相談所や発達障害障害支援センターなどで紹介してもらえるでしょう。
また、ネット検索も可能です。こくちーずプロ◁◁◁こちらのサイトから「発達障害 家族会」で検索してみてください。
ラベンダーのお香には「緊張をほぐし、気分を和らげる効能」があるそうです。このお香は私もよく使っています。興味のあるお母さんは、一度試してみてください。
まとめ
発達障害の特性は、見た目には分かりにくいものです。そのため、周囲の人たちから、理解してもらえないことも多いです。
その結果、発達障害の子供が強い不安を持ってしまい、生きづらさやストレスを感じているケースが少ないありません。
そんな不安な子供のサポートは、まず障害の特性を理解することです。その次に、障害の特性に沿った対処法を行います。
子供たちの不安が少しでも減り、楽しい毎日を送れるようになることを願っています。