皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害を抱えた子供の身だしなみ」についてです。
「身だしなみ」はマナーの一つとして押さえておきたいポイントですが、発達障害を抱えた人の中には「身だしなみ」に無関心な人が少なくありません。
今回は発達障害と「身だしなみ」の関係性を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
発達障害に限らず身だしなみは重要だが苦手な傾向…

発達障害に限らず「身だしなみ」は、マナーの1つとして重要視されるようになってきました。
見た目の「第一印象」で、相手のイメージがある程度決まってしまうほどです。
育児の一環として、散髪や歯磨き、爪切りや耳掃除など、保護者に手伝ってもらう期間は誰にでもあるモノです。
しかし、発達障害を抱える子供は極端に嫌がる場合があります。
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ただ、身だしなみは非常に重要です。
身だしなみを整えないデメリットをしっかり把握しましょう!
身だしなみが悪いと?
上でも触れた様に、見た目の第一印象で、イメージのほとんどが決まります。
寝癖がついていたり、ボタンがずれていたりなど、ちょっとだらしない状況は発達障害に限らず誰にもで経験があります。
しかし、ちょっとだらしない状況が連日の様に行われるとイメージダウンに繋がりかねません。
「友達になりたい」「ちょっと話かけてみたい」と相手から思わせる為にも、必要最低限の身だしなみは必要です。
身だしなみが悪い理由
身だしなみが悪い傾向にある発達障害を抱えている人の特徴を挙げました。
- 感覚過敏を抱えている
- 興味のないことへの関心が無い
- 注意散漫で、身だしなみに意識が行かない
- ストレスから身だしなみに対しやる気が出ない
- 強いこだわりがある
- 単純に時間が無い
上記のように、自分のことに精いっぱいで、他人の目を気にする余力が少ないのが現状です。
下記は発達障害に理解のある脱毛サロン経営者の方のツイートを一部ご紹介します。
以上のように身だしなみを整えたくても、発達障害の特性の影響で十分に身だしなみができない人がいるのです。
身だしなみが悪い人=発達障害とは限りません。
また、発達障害を抱えている人全員が身だしなみが悪いとも限りません。
また、触覚過敏の影響から、触られることにストレスを感じてしまう人もいます。
【触覚過敏】の観点から身だしなみを考える

では、触覚過敏とは具体的にどのような症状でしょうか?
人の感覚には「視覚」「聴覚」「臭覚」「味覚」「触覚」があります。
人の様々な感覚に「過敏」に反応してしまうほど「苦手部分」があることを「感覚過敏」と言い、触覚過敏は、その1つです。
つまり触覚過敏とは、触れられることが極端に苦手なのです。

それが、日常生活で必要になる道具、あるいは人の手でさえ過敏に反応してしまうんです。
触覚過敏の特徴
触覚過敏を抱えている人の特徴の一部をご紹介します。
- 苦手な素材で作られた洋服が着られない
- 洋服のタグが苦手
- タートルネックの洋服が苦手
- 帽子をかぶるが苦手
- 握手を嫌がる
- 歯磨き、耳掃除、爪切り、散髪などが苦手
- 自分からは触れるが、相手から触れられるのは嫌がる
- 気に入った感触のモノを触り続ける
- シャワーを痛がる
- 扇風機の風を痛がる
ツイッターでは触覚過敏の方が意見交換をしていたので一部ご紹介します。
以上のように、感覚過敏が無い人にしてみれば「え?」と思う様なことが耐えられず困っているという人もいます。
生活に支障が出るほど、感覚過敏が影響する人が実在しているのです。
団体行動ではいつ触られるか不安
幼稚園や保育園、学校での団体行動などでは、いつ触られるかも分かりません。
スキンシップや、偶然にでも触れられたことで不快感を得てしまうことがある為です。
また、感覚過敏は見た目での判断が難しい特徴があります。
感覚過敏は、周知不足が要因となり「すぐに慣れる」と周囲に判断されがちです。
強引に触らせるなどの対応が逆効果となる場合もあり得ます。
結果、分かってもらえない「苦しさ」などから悲観的になり「不登校」「うつ」などの精神障害を生じる2次障害へ繋がりかねません。
発達障害などのストレスが原因で、精神障害など新たな障害を生じてしまうことです。


発達障害と併存していることが多い
感覚過敏は発達障害と併存していることが多くあります。
発達障害とは、生まれつき「脳の機能障害」により、「出来ること」「出来ないこと」の成長に極端な偏りが出来てしまうことで「生活に支障をきたす」症状の総称です。
発達障害を大きく3つに分類すると以下の通りになります。
- ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
- ADHD:注意欠陥・多動性障害
- LD:学習障害
感覚過敏は「脳の機能障害」の影響を受ける為、発達障害を抱えている子供に併存しやすいのです。

発達障害の観点

次に発達障害の観点から見ていきましょう。
身だしなみに興味が無い
症状により様々ですが、発達障害を抱えている子供は「興味のあるモノ、ないモノへの反応が極端」な特徴があります。
オシャレ、身だしなみに興味を持っている場合には率先して取り組みますが、逆に興味が無いとルーズになりがちです。
さらには注意散漫な特徴もある為、身だしなみを整えている最中に別のことに意識が向いてしまうこともあり得ます。
意識がそれてしまったら最後、ボタンがズレていたり、髪を整えていても、後ろに寝グセがついていたりなど、「だらしない」と周囲に思われがちになってしまいます。
ストレスなどが原因でやる気が起きない
発達障害からくる「生きづらさ」によってストレスを抱えている人は沢山います。
精神的状態から、身だしなみまでやる気が出ないこともあり得るでしょう。
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疲れているときに、身だしなみ…正直かまってられないものですよね
発達障害と疲れやすさについては下記の記事で詳しく説明しています。
対応の仕方が分かっていない
どのような服を選んだらいいのか、対応が分からない場合もあり得ます。
また、こだわりが強い特徴もあるので、気に入った服を続けて着ていることも少なくありません。

時間が足りない
発達障害に限ったことではありませんが、学校や仕事などの準備を出かける直前に行うと、ついつい確認漏れが出てしまいます。バタバタした状態では身だしなみも綺麗にはできません。
ADHDの特性で優先順位付けが苦手な場合、どうしてもバタバタしがちになってしまいます。
早めに始めるようにしたとしても、本来であればやらなくていいことをしてしまって時間が無くなるケースが見受けられます。
優先順位に関する記事は別途ありますので、興味のある方はご覧ください。
身だしなみ対策
発達障害を抱える人は、身だしなみを整えるまでにさまざまな苦難が待ち受けている点を確認しました。
さまざまな理由があるものの対策を練り、身だしなみを整えていきたいとは思いませんか?
対策はいくつかあり、別途記事に設けております。概要だけ説明すると以下の通りです。
原因 | 対策 |
触覚過敏の場合 | ・環境整備する ・周囲への理解を求める ・触覚に耐えうるためにトレーニングを実施 |
発達障害の場合 | ・作業をルーティン化 ・余裕をもってスケジューリングする ・ほめてのばす |
詳細は下記のリンクから確認できますので、是非ご覧ください。
まとめ
「身だしなみ」が苦手、関心を持たない発達障害を抱えた子供が少なくありません。
それには触覚過敏という「触れられることによる苦手意識」が隠れている場合や、身だしなみの手順が分からないといった理由があり得ます。
外見からでは抱えている問題が分かりづらいのが特徴の為、周囲からは勘違いされがちで、精神的ストレスを抱えている子供も多いのです。
周囲に「問題」「対応」を周知させること、苦手となるモノから距離を置くこと、環境を整えることで軽減できる方法があります。
この記事が少しでもお役に立てたなら幸いです。