皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子供をもつ親が読むべきおすすめ」についてです。

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青木
子供が何を考えているのか、どうして理解できないことばかりするのか悩んでいます。
発達障害の子育てについて参考になる本があれば教えて欲しいです。
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大竹
発達障害を抱える子供の行動や考えは、親御さんにとっては理解が難しく、どうして?と悩みますよね。
発達障害の子供への理解と成長に役立つ本をご紹介させて頂きますね。

健常である親にとっては、発達障害をもつ子供の行動や考えは、時に理解が難しく、どう理解すればよいのか難しく感じることもあるでしょう。

この記事では、発達障害の子供を理解し、どう接してあげると良いのか、特性をどうコントロールすればいいのか、将来を見据えた子育てについてなどに役立つ本をご紹介していきます。

それぞれの本の概要やおすすめする理由についても解説していきますので、気になる方は一度読んでみてはいかがでしょうか。

また、この記事を書く私自身も月に1冊は本を読んでおり、本の選び方や読み方のコツについてもお伝えしていきます。

本を選ぶ際のコツ

まず本を選ぶ際にお勧めしたいのは、読んだ後、実際に行動に移しやすい本です。

本を読む際にありがちなのは、目的を意識せずに何となくタイトルに惹かれて買ってしまうケース。
何となく買った本は、何となく読む事になり、情報を知って満足しただけで行動に結びつかず、結果何も変わらない可能性がある為です。

そこで私が提案するのは、本を買う時、その本でどのような行動をするために買うのか、明確な目的をもつことです。

ですのでこの記事では、以下の目的別に分けて本をご紹介していきます。

・発達障害の子供を理解するため
・子育ての具体的な方法やノウハウを知りたい
・将来、自立した大人にれる子育て方法が知りたい

本を買う際は「今自分は何の情報が知りたいのか」目的をもって買う事で、より自分にあった本と出合えることでしょう。

以上のことを踏まえておすすめできる本をご紹介していきますので、本選びの参考になれば幸いです。

発達障害の子供をもつ親が読むべきおすすめの本10選

発達障害の本といっても「発達障害とは何か」という概念から「子育ての方法」など、人によって欲しい情報は違ってくることでしょう。

そこでこの記事では、以下3つの視点で本を選びました。

  • 発達障害を理解する
  • 発達障害の子供の子育てノウハウ
  • 発達障害の子供が自立、活躍するために

ご自身の状況に合わせて本を選んでみてはいかがでしょうか。

発達障害を理解する

まず、発達障害がどんなものなのか、子供の行動や思考はどこからくるのかを理解するのに役立つ本からご紹介していきます。

①「発達障害」だけで子供を見ないで その子の「不可解」を理解する

著者は過去に精神科医や臨床心理士、児童精神科医、北海道大学名誉教授などを務められており、現在は発達障害の子供や大人を支援しているクリニックを運営している医師。

著書ではASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥多動性障害)といった障害の年齢別のストーリーが12項目書かれており、それぞれのライフステージに生じる「不可解な出来事」について記されています。

どうして困らせることをするのか、言う事を聞いてくれないのか、といった親の悩みに対して、子供はどんな気持ち、考えをもっているのかや、著者の考える対応方法などもわかりやすく解説されているので、対処や改善の参考になるでしょう。

発達障害の診断を受けることや、障害名ばかりに目を向けるのではなく、子供と同じ目線で見ることでその子の個性を発見する大切さにも言及されています。

「発達障害」だけで子どもを見ないでその子の「不可解」を理解する /SBクリエイティブ/田中康雄(精神科医)posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

②うちの子は字が書けない

読み書き障害と呼ばれるディスレクシアの子供をもつ、千葉リョウコさんのコミックエッセイ。

子供がディスレクシアと分かるまでのいきさつから、ディスレクシアの症状や日常での困難、 発達障害があることが分かった後、親子で取り組んだことや、悩んだことなどがリアルに綴られています。

その時々で感じた著者の気持ちなども漫画で描かれ、当事者や親の方には共感できるであろう部分も多く、症状の理解や子育てについて学べる一冊ではないでしょうか。

うちの子は字が書けない 発達性読み書き障害の息子がいます /ポプラ社/千葉リョウコposted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

③ぼくはアスペルガーなお医者さん

アスペルガー症候群をもつ当事者であり、現在は整形外科の医師として病院を開業している畠山昌樹さんの著書。

自身の子供時代に経験した出来事、アスペルガー症候群の特徴から、子供をどう育てれば良いのか、特徴の改善や活かし方などが綴られています。

本の中では経験だけでなく、自身が考えていたこと、自分が才能を伸ばせた理由など、著者が考え導き出したいくつかの結論も述べられているので、障害をどう捉えて改善し、活かすかについて、当事者ならではの考察がとても参考になる一冊でしょう。

ぼくはアスペルガ-なお医者さん 「発達障害」を改善した3つの方法 /KADOKAWA/畠山昌樹posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

④自閉症の僕の七転び八起き

重度の自閉症をもちながら作家として活動している東田直樹さんのエッセイ。
以下の動画を見てもわかる通り、著者には顕著に自閉症の症状があることがわかります。

幼い頃は辛く、発達障害から逃げ出したい程だったと語る東田さん。
2020年現在、28歳となった彼は日常会話はできないものの、パソコンや文字盤のポインティングにより自分でコミュニケーションが取れるようになり、数々の書籍を執筆されています。

いらないのに要ると言ってしまう、関係の無い言葉を言ってしまう、パニックになると時間をかけて抑えるしかない、など健常者には理解が難しい事象についてもわかりやすく書かれているので、参考になることでしょう。

筆者の特筆する点は、今までよくわからなかった自閉症の人の思考や世界観を、客観的に当事者である東田さんが文字にしていることにあります。

本人は何を想い、どう考えているのかを知った時、彼らには悩み、苦しみがあり、また相手を想いやり、感謝する心があることに気づかされます。

自閉症の本人が綴る言葉だからこそ心に響く良本です。

自閉症の僕の七転び八起き /KADOKAWA/東田直樹posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

発達障害の子供の子育てノウハウ

ここでは発達障害の子育てにおける学習、社会性など具体的な方法や対策が中心に書かれている本をご紹介していきましょう。

⑤ブレない子育て

モデルでタレントの栗原類さんの母、泉さんの手記。

幼い頃に発達障害を診断された類さんを育てるにあたって考えた、マイルールを紹介されています。

「周りや先生が良いというからやる」ではなく自分で情報を集めて、分析し、自分なりの考えを持って子育てを実行されており、子育てのみならず自分の頭で考える大切さや方法についても勉強になります。

筆者の試行錯誤から生まれた具体的な「子育てルール」「親も学ぶ大切さ」「症状を改善するノウハウ」「特性を活かし将来へ繋げる方法」などが紹介されており、発達障害に限らず、生きるヒントをもらえる本です。

ブレない子育て 発達障害の子、「栗原類」を伸ばした母の手記 /KADOKAWA/栗原泉posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

⑥コグトレ

発達障害や困りごとの多い子供への支援を目的とした本で、学習面や認知行動、社会面といったカテゴリごとに多数のシリーズが出版されている本。

現在ではコグトレ研究会、コグトレトレーナー養成講座などが全国で実施されており、コグトレのトレーニングノウハウを正しく実践できる環境づくりにまで発展しています。

その中でも「教室で使えるコグトレ」では「学習面」「社会面」「身体面」といった幅広い3つの観点から122のワークが収録されています。

発達障害の困難さはどこからきて、改善にどうアプローチすれば良いのかという事が詳しく書かれていますが遊び感覚でできる内容もあるので、楽しんでトレーニングができるでしょう。

基本は学校で活用する本となっていますが、個別指導向けの使い方についても記載されているので、ご自宅でも活用できます。

1日5分!教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレ-ニング122 /東洋館出版社/宮口幸治posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

⑦発達障害の子供を伸ばすビジョントレーニング

著者の小林佳弘さんは「視機能」を向上させる「ビジョントレーニング」を、プロ野球選手から発達障害者の指導まで行ってきた「ビジョントレーナー」の第一人者。

ビジョントレーニング

視覚機能を鍛えるためのトレーニング。
眼球を動かす筋肉を鍛えることで、目標を正確に捉える、目からの情報を脳で処理し体を動かす機能の向上に効果がある。
40年以上前からアメリカにて提唱、開発されてきたトレーニング方法で、北米や欧州ではトレーナー国家資格もあり、プロアスリートや発達障害の治療にも有効とされている。

自身も発達障害のグレーゾーンを克服した経験から、「体とメンタルの関係性」「運動の質、量、環境」を重視した独自のビジョントレーニングを提唱されており、実際に効果があったと定評であったことから口コミで広まり、現在も全国の学校やデイケアセンターから依頼が殺到しているそうで、トレーナーの養成講座も実施されています。

この本には、トレーニング方法がわかりやすく解説されており、ワークシートをダウンロードして実際にトレーニングを行う事ができますし、youtubeでもトレーニングについて紹介されているので、参考にしながら子供と一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。

発達障害の子どもを伸ばすビジョントレーニング 1日5分!親子で楽しみながらできる /実務教育出版/小松佳弘posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

発達障害の子供が自立、活躍するために

最後に、発達障害を改善し、将来自立できる大人に育てるために、今子育てで考えたいこと、子供を伸ばすヒントなどについて書かれた本をご紹介していきます。

⑧発達障害の子供を伸ばす魔法の言葉かけ

親が子供にかける「言葉」について解説されている本です。

ABA(応用行動分析)に基づく「言葉」や「行動」のコツについて書かれていて、子供を伸ばすための言葉かけの方法がわかります。

子供が幼少期に育む自己肯定感や考え方、捉え方は大人になった時の判断の基準となります。
小さな子供の頃にかける親の言葉の影響は少なくないと言えるのではないでしょうか。

日常生活の様々なシチュエーションで子供にどんな言葉をかければ良いのかはもちろん、子供の困りごとでのイライラや、不安を解消するための対処方法なども書かれていて、親子の笑顔を増やす効果も期待できる一冊です。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ /講談社/shizuposted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

⑨発達障害の僕が食える人に変わったすごい仕事術

発達障害もしくはグレーゾーンと呼ばれる人達は社会に出て、多くの困難を抱える傾向にあります。
著者である借金玉さんもそんなADHDをもつ発達障害当事者。

幼少期から空気が読めない、ルールへの拘りが強いなど、社会適応ができず登校拒否と落第寸前になるもなんとか高校、大学を卒業。
本人の生きづらさとは裏腹に、以外にも金融機関の堅い仕事に就く。
が、スケジューリングや段取り、整理整頓などが壊滅的だったことに加え、やらなくてもよいことをやってしまう衝動性などもあり2年で退職。

その後も紆余曲折を繰り返しながら、現在はブログや記事の執筆などをされています。

そんな、困難の連続の中で考え、導き出した仕事の改善方法、立ち回りなど様々なライフハック情報を記したのが本著。
発達障害とどう向き合い改善していくかを考えられる本と言えるでしょう。

発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術 /KADOKAWA/借金玉posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

⑩凹んだ数だけ強くなれる29の法則

昨今、注目されるレジリエンスの鍛え方についての解説本。

発達障害に関わらず、様々な困難に凹み沈んでしまう人、その経験を活かして成長する人の違いは何なのか、どうすれば辛い経験や困難な状況、恐怖の気持ちをコントロールして前に進んでいけるのかを様々な事例を交えて解説しています。

発達障害を抱える子供が、困難に遭遇した時にどう捉えて行動するかでその後に展開される人生は変わったものになるでしょう。
幼少期から、心の回復力や柔軟に対応できる思考を鍛えるという意味で子育てに役立ちますし、親にとっても学ぶことが多い一冊です。

レジリエンス

ストレスなどの外的な衝撃に対して「回復力」や「復元力」と訳される言葉です。
逆境や辛い出来事などを経験した後の心の回復力や、ストレスに上手に向き合い適応、再起する力などと定義されます。

凹んだ数だけ強くなれる29の法則 しなやかな強さを身につけるレジリエンスの鍛え方 /総合法令出版/金森秀晃posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

本の活用方法

先にも書きましたが、本は仕入れた知識を行動してはじめて役に立ちます。
ただ、読んでいるだけではノウハウコレクターになってしまい、何の変化も起こすことができません。

本を読む際に意識した方が良いのは、以下のような考え方です。

・この本でどんな知識が手に入るのか
・この知識で自分の実際の生活にどう活かせるのか
・実際に行動に移せるまで理解を深める

これらを意識することで、読んだ後に行動できる確率がグッと上がります。
もちろんその通りうまくいかないこともあるでしょうが、その経験から仮説を立てて更に改善したり、またわからない事があれば、そのテーマについての本を探したり、ネットで調べたりと行動を続けるループを生み出せます。

ぜひ、この考え方も意識しつつ本を活用してみてください。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスとは障害をもつ子供が放課後や長期休暇などに利用する福祉サービスです。

学校外での集団生活や発達障害への配慮がある環境で子供が遊び、学べるので、子供と家族を支える役割を担っています。

「子育てに向けたお役立ち情報」を運営するアップでは、集団生活や感情のコントロール、読み書き、ワーキングメモリのトレーニングなど多岐にわたるカリキュラムで子供に「生きる力を身に付けさせる」活動をしています。

専門知識をもつスタッフが対応しており、子供の困りごとや成長のお力になれる可能性がありますので、ご興味があればぜひお気軽にお問合せください。

まとめ

発達障害を理解し、子育てに活かせる本と、活用方法についてご紹介しました。

今の自分にはどんな情報が必要なのかを意識しつつ本選びをして、子育てに役立ててみてください。

様々な情報や知識を実践してみることで、子供の才能や違った面を見つけられるかもしれませんし、成長するキッカケをつくってあげられる可能性もあるでしょう。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。