皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害児におすすめな食事レシピ」についてです。

「発達障害児の困りごと」の中に偏食が挙げられます。

こだわりの強いお子さんが多いため、料理に四苦八苦している保護者の方は多いでしょう。

今回は、偏食がちな発達障害児向けて、おすすめな食事レシピやアイディアを紹介します。

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青木
定型の子供に比べて、発達障害児は偏食と言われてます。
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大竹
一般的には歳を重ねるごとに偏食は減るものの、子供のうちから減らしたいものですね。

偏食=わがままではない!偏食の原因を取り除こう

「嫌いな野菜が入っているから食べたくない」「食感が無理」……毎日何かしら食事の不満が聞こえる方は多いですね。

このままにしておくと偏食になってしまうのでは?と悩むかもしれませんが、活路はあります。

まずは根気よくお子さんとの食事の様子を観察してください。

食事の様子原因を取り除ければ、食べてくれる可能性が上がるかもしれません。

例1:見た目で口を付けない場合

例えば、大好きなゼリーでもパッケージデザインが変わっただけで食べなくなるような子がいます。

そういう子の場合は、見た目を好きな食べ物に寄せていくことも効果を上げてください。

【見た目で口を付けない場合の対処例】

  • ホットケーキは食べるなら⇒豆腐を入れてホットケーキにする
  • 餃子は食べるなら⇒皮の中にみじん切りにして他の食材を混ぜ込んでしまう

CoookPadでは野菜入りパンケーキのレシピがたくさん掲載されています。是非チャレンジしてみてくださいね。

参考元:お野菜パンケーキ(米粉) 離乳食幼児食に|CookPad

CookPadには専用アプリがあり、手順が分かりやすく掲載されているためアプリを見ながら作れます。

興味のある方はダウンロードしてみてください。

例2:食感にこだわりがある場合

例えば同じキャベツでも、コールスローサラダは食べないけどロールキャベツは食べる子はいますね。

その場合はそのほかの食材でも、その子が好んで食べるレシピに食感を合わせてみましょう

【食感にこだわりがある場合の対処例】

  • しゃきしゃきのキャベツは食べないなら⇒スープに入れてクタクタに煮る
  • ほくほくした食感が嫌いなら⇒マヨネーズで和えるなどして滑らかにする

CookPadではフライドポテトなどの揚げ物好きのお子様向けのレシピがありましたので、興味のある方は参考元を確認してください。

参考元:自閉症で偏食の子へ野菜揚げアレルギー|CookPad

例3:食べ方にこだわりがある場合

感覚過敏がないとまったくピンとこない例かもしれませんが、「味が混ざることが嫌い」というタイプがいます。

偏食があるから分からないように色々混ぜようとすると逆効果になってしまうのです。

このツイートは三角食べが嫌なお子さんを持つ方のもので、八宝菜のようないろいろな具材が入っているのが苦手という一例です。

シンプルなものは食べるという場合、味を混ぜないということを意識してみてもいいかもしれません。

CookPadでは、しめじだけを使ったシンプルなパスタのレシピがあります。興味のある方は参考元を確認してください。

参考元:子供喜ぶ!シンプル!和風きのこスパゲティ|CookPad

以上のように、「偏食」はわがままではありません。「食べられない」のであって「食べたくない」ではないのです

「偏食する」のではなく「偏食せざるを得ない」理由があるため、発達障害のお子様の偏食は「わがままではない」ことを十分に理解してあげてください。

発達障害児が偏食になりやすい原因とは?

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青木
定型発達でも偏食の子供は沢山いますが、発達障害ゆえの偏食にはいくつかの特性による理由があります。

例えば、感覚過敏や同一性保持などです。

感覚過敏とは

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚が過敏に反応してしまい、日常生活などに悪影響を及ぼす症状です。

同一性保持とは

同じ状況やものに対するこだわりや安心感から同じものや同じ手順などを好む傾向があること

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大竹
子供がなぜ偏食するのか、その原因が分からないと対処法が考えづらいですよね?
更に詳しくみていきましょう。

発達障害児と食事に関する問題

発達障害児と食事には密接な関係があります。ここでは要因毎に起こる問題点を確認してみましょう。

心理的要素に起因する問題点

「食べたくない」という意思が働く原因は例えば以下のようなものがあります。

  • 食べられるものが極端に少ない(偏食)
  • 食べ物ではないものを口に入れる(異食)
  • 同じものばかり食べる(同一性保持)
  • 初めて食べるものに不安や恐怖を感じる(同一性保持)
  • 咀嚼(食べ物を噛み細かく粉砕する)や嚥下(飲み込むまでの過程)がうまくいかない

先ほどご紹介したような偏食や異食、同一性保持にこだわる姿勢、咀嚼や嚥下など身体的な面も関わってきます。

環境要因による問題点

発達障害児の中には食事の際、一人であれば問題なく食べられる子がいます。

ですがたくさんの人と一緒に食べると緊張して何をしているのか分からなくなり食べられない状況に陥ってしまうのです。

発達障害児ではなくても、感覚過敏による金属食器の「カチャカチャ」する音が嫌で食欲がなくなる子もいます。

環境改善には、解決するまでに必要な条件が多く、柔軟な対応が求められるかもしれません。

発達障害児に不足しがちな栄養素

発達障害は「自閉スペクトラム症」「注意欠如・多動症(ADHD)」「学習障害(LD)」に大きく3つに分かれ、その他「チック症」「吃音」もあります。

以上のことを前提に、発達障害児に不足しがちな栄養素を確認していきましょう。

不足しがちな栄養素の代表「鉄分」

発達障害児に不足しがちな栄養素として「鉄分」が挙げられます。

なぜ不足しがちになるのかと言えば、お子さんが大好きなお菓子やパン類には鉄分よりも糖分が多く含まれており、摂取しにくい環境に置かれやすいからです。

よって改善するには発達障害児だけはなく、家族ぐるみで食事の摂り方を改める必要があります。

参考元:発達障害は本当に増えているのでしょうか?|みゆきクリニック

鉄分

鉄分は血液を構成するために必要な成分で、不足すると頭痛や集中力低下、食欲不振など身体に影響が出やすくなります。
男女によっても必要な摂取量が異なり、女性の方がより多く必要です。
参考元:「鉄」e-ヘルスネット|厚生労働省

鉄分を摂りやすいレシピ:ココア

鉄分を摂りやすいレシピを一部ご紹介します。

ココアには添加物や砂糖が入っていない純ココアには100gあたり14gの鉄分が入っています。

スーパーなどに売られている一般的なココアは、添加物や砂糖が入っている調整ココアの場合もあるので注意しましょう。

参考元:純ココア|森永

おかずに一品足して鉄分を補う

コンビーフが決め手 ブロッコリーと半熟卵のさわやかサラダ レシピ・作り方

コンビーフには塩味がついているので、無理に味付けをしなくても問題ありません。

茹でたブロッコリーと卵とあえてできあがりです。

参考元:コンビーフが決め手 ブロッコリーと半熟卵のさわやかサラダ レシピ・作り方

精神安定にかかわる物質「セロトニン」

発達障害児(特にアスペルガー症候群)の特性として神経伝達物質であるセロトニンが不足しやすいと言われています。

セロトニンが不足したために深く悩んでしまったり不安を招いてしまいやすい傾向があるのです。

セロトニン

脳内で働く神経伝達物質の1つで感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。

セロトニンを増やすことで脳内の神経伝達の活性化を促進できます。

よってセロトニンの活性を促せる栄養素が大切です。

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大竹
つまり、神経伝達物質や神経細胞の材料となる栄養素を含む食品を積極的に取りたいですね。これは発達障害児だけでなく、ストレスを抱えた大人にも大切な栄養素です。

参考元:発達期のセロトニンが自閉症に重要|理化学研究所

▼アスペルガー症候群については下記を参考にしてください。

セロトニン活性化を助けるアミノ酸「トリプトファン」

トリプトファンとは必須アミノ酸の1つで、セロトニンが生成される材料となります。

トリプトファンを多く含む食品は身近な食品が多い点が特徴です。

肉・魚類にもたくさんのトリプトファンを含みます。

ですが動物性タンパク質に含まれるBCAAというアミノ酸はトリプトファンを脳に取り込みにくくするので、その他の食品を意識的に取りたいですね。

ビタミンB6や炭水化物と一緒に採ることで血糖が上昇し、トリプトファンの合成が促進されます。

【トリプトファンが取れる食材】

  • 豆腐
  • 納豆
  • みそ
  • 醤油
  • チーズ
  • 牛乳
  • ヨーグルト
  • 米などの穀物類
  • ごま
  • ピーナッツ
  • バナナ
  • 肉類
  • 魚類

ストレスを和らげ脳の興奮を鎮める栄養素「GABA」

不安定になりがちな発達障害児の助けとなるGABAも取り入れたい栄養素の一つです。

チョコレートが好きなお子さんには取りやすい栄養素と言えるでしょう。

【GABAを含む食品】

  • チョコレート
  • 発芽玄米
  • キムチ
  • 納豆
  • ジャガイモ
GABA

体内に存在する天然のアミノ酸の1つでストレスを和らげ、脳の興奮を鎮める効果があるとされる成分です。
食品に含まれているものもあります。

こちらのチョコはコンビニやスーパー、ドラッグストアでも気軽に購入可能で、GABAでの機能性表示食品です。

お菓子なら食べるという場合は、こういったものを間食として選んでいくのもおすすめです。

神経伝達物質の補助効果を期待できる栄養素「ビタミンB6」

ビタミンB6は神経伝達物質セロトニンを助ける目的で摂取すると、効果が期待できます。

【ビタミンB6を含む食品】

  • とうがらし
  • ニンニク
  • バジル
  • 青魚(サバ、マグロ、カツオなど)
  • さんま
  • 鶏むね肉
  • ささみ
  • ごま
ビタミンB6

こだわりや不注意、過敏を軽減し、体内でのGABAの合成をサポートします。

頭が良くなるといわれる栄養素「DHA」

魚を食べると頭が良くなるというように言われていますが、DHAは魚以外にも含まれています。

【DHAを含む食品】

  • 青魚類(イワシ、サバ、マグロ、カツオなど)
  • 魚の缶詰め
  • ナッツ類
  • 亜麻仁油
DHA

ドコサヘキサエン酸といい必須脂肪酸の1つです。食品からしか摂取できず記憶力や集中力の維持などが代表的な効能とされます。
イワシやサバなどの青魚に多く含まれます。

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大竹
こんなにたくさん摂取を期待される栄養素があるんですね。
すべての栄養素を一回の食事で取り入れるのは無理があります。
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青木
なるべく多くの栄養素が摂取できるよう作り方を整えていきたいですね。
食べられないものについてはサプリも一考かもしれません。

偏食への対応策

発達障害児には偏食しやすい環境や要因ができやすい点がわかりました。

そこで偏食への対応策を考えてみましょう。

偏食の対応策とは

偏食への対応策はいくつかあります。

大事なのはある時点から一気に対策を施すのではなく、徐々に生活へ浸透していく姿勢です。

できる範囲で徐々に行ってください。

無理強いしない

何らかの理由があって「食べられないもの」を無理に食べさせようとする行為は、我が子からしたら、まさに拷問です。

小学校の先生が、偏食は体に良くないと決めつけ「わがまま」だと無理やり食べさせたり、食べ終わるまで昼休みがないなど昔は結構聞いた話です。

次第に、食事の時間が怖くなったり、食べることがトラウマになってしまってもおかしくありません。

「食べられない理由」は何なのかを具体的に挙げて、それに沿ったメニューを食べさせてあげることです。

また、残さずに食べることを強要するのでなく、食事量を自分で調整させたり、時間にゆとりを持たせるなどの柔軟な配慮が必要です。

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大竹
発達障害のある子供たち、ひとりひとりに合わせた食事を提供しています。
参考にしてみてもよいかもしれません。

参考元:広島市西部こども療育センター食育研究会

特徴を考慮しフルオーダーレシピを考案

先ほどのレシピのところでも説明しましたが、調理法を変えるだけで食べられる可能性が高くなります

例えばふにゃふにゃの刺身が気持ち悪くて「食べられない」のであれば、「焼く」「フライにする」「すり身にして茹でる」など試してみてください。

サクサクのコロッケが痛く感じて食べられないなら、「一度揚げたコロッケをレンジでチンしてみる」「ジャガイモの素材ごと与えてみる」なども良いかもしれません。

まずは食べられるものが何なのか具体的に挙げて、同様のものを提供してください。

そして食べられない理由を把握し、他の調理方法で試してみることが大切です。

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青木
ただ、作っても作ってもうまくいかないことが続くと親御さんの心が折れてしまいます…。
頑張って作ってみようという日は新しい手法にチャレンジして、疲れている日は食べると分かっているものを出すというようにメリハリをつけてくださいね。
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大竹
また成長とともに食べられるものは変化していくことが多いので、うまくいかないときは一度時間が経つのを待ってみてもいいかもしれません。

相談できる支援機関の利用

頑張っても頑張ってもうまくいかない場合、本当に疲れてしまいます。

独りで悩まず相談できる病院への診察や支援機関の利用も是非検討してみてください。

児童発達支援センターは地域の障害のある児童を通所させ、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練施設です。

発達障害者支援センター は、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。

都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。

参考元:発達障害者支援センター・一覧|国立障害者リハビリテーションセンター

発達障害を抱えた児童を対象に療育と目的とした放課後デイサービスというものもあります。

運動・学習療育アップは、横浜市にある障害を抱えた児童を対象にしたデイサービス施設です。

子どもの療育を目的とした運動や遊びによる学び、また、一時的な保護者の負担軽減も見込めますし、食事などのお悩み事の相談も出来ますよ。

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大竹
上記リンクよりご覧下さい。また、発達障害に関する子育てに向けてのお役立ち情報の配信も行っています。

まとめ

好きなものを食べさせるだけではなく、不足しがちな栄養素(今回紹介した鉄分など)を意識して摂取しましょう。

発達障害児はこだわりが強く、中々口に入れてくれないかもしれません。

お子様特性レシピを検討したり、食べやすくしたりなどひと工夫凝らしてみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。