皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子供がくもんに通うメリットとデメリット」についてです。

発達障害のお子さんを学習塾に通わせるかどうか検討する際、どの学習塾に合うのかと悩む親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

くもんは発達障害の子供の受け入れをしているので、選択肢の一つに入ります。

そこで今回は検討されている方に向け、くもんに通う上でのメリット・デメリットを解説しますので、お子さんの学習塾選びの参考にしてみてください。

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青木
くもんでは発達障害児向けに学習プログラムを用意しています。
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大竹
事前準備は必要ですが、心強いですね。

発達障害児をくもん(公文)に通わせるメリット

発達障害を持つお子さんがくもんを選んだ時に、得られるメリットについてご紹介します。
くもんの独自の教育法が発達障害の子供にプラスに働く点は主に6つです。

  1. くもんの教室は全国にたくさんあるので選択肢が多い
  2. 個人のレベルに合わせた教材で学べる
  3. 反復問題が多く理解度が深まる
  4. 自力で解く力が身に付く
  5. 先生に自由に質問できる
  6. スモールステップで無理なく学習能力アップ

くもんの教室は全国にたくさんあるので選択肢が多い

くもんは日本全国に約16200の教室があり選択肢が多いので、子供に合わせた教室を選びたいと考えた時に比較検討できますね。

また、教室の数が多いので自宅から通いやすい教室も見つかりやすいのも助かる所ではないでしょうか。

個人のレベルに合わせた教材で学べる

一般の学習塾では全員が同じ教材で学ぶため、発達障害を抱えているとついていけないかもしれません。

しかしくもんでは個人のレベルに合わせた教材で勉強するため、自分のペースで学習できる点が発達障害児向けといえます。

たとえばお子さんがADHD(注意欠陥多動性障害)の場合、ワーキングメモリが不足していてなかなか勉強の理解が進みません。

一方、LD(学習障害)のお子さんであれば文字の読み書きが困難なため、発達障害を持たないお子さんに比べて時間がかかる可能性があります。

反復問題が多く理解度が深まる

前述したように発達障害でワーキングメモリ不足があると、勉強を理解するまでには時間がかかることもしばしば起こります。

くもんは同じレベル、タイプの問題が並んだプリントを反復学習するスタイルなので記憶や理解に定着しやすいのも良い所でといえるでしょう。

自力で解く力が身に付く

くもんは自習タイプの勉強法で、先生は基本的にアドバイスやヒントでサポートするので、自力で問題を解く必要があります。

繰り返し自分で問題を解く習慣を付けることで、自尊心ややる気の向上はもちろん、自力で解決する能力も身に付くのではないでしょうか。

先生に自由に質問できる

学校や一般の学習塾では、授業中は質問しづらく、授業後でも聞く時間は限られてきます。

一方くもんはいつでも先生に質問できるので、わからない所を解決できるスピードが早くなり、効率的に学べると言えるのではないでしょうか。

スモールステップで無理なく学習能力アップ

くもんは簡単な問題から、少しずつステップアップするカリキュラムとなっているため、挫折しにくくそして無理なく学習能力アップが期待できます。

発達障害児の場合、定型発達のお子さんと比べて学習スピードが遅くなってしまう子が多い傾向にあります。

しかしくもんで扱う少しずつレベルを上げる方法(スモールステップ)は、「できた」を感じられる回数が多くなり、やる気や自己肯定感に繋がりやすいといえます。

発達障害の特徴については以下の記事で解説しています。興味のある方は参考にしてください。

発達障害児をくもん(公文)に通わせるデメリット

お子さんの持つ特性によっては、くもんの教育法がデメリットになるかもしれません。
気にかかるポイントがあるかどうかチェックしてみましょう。

  1. 教室によって特徴や指導レベルが異なる
  2. 宿題があるため親が家庭学習を見てあげる必要がある
  3. 人が大勢いると集中できない可能性がある
  4. 自習形式のため自分から質問する必要がある
  5. 他の人との学習レベルの違いがわかる
  6. 感覚過敏の場合は事前の相談が必要

教室によって特徴や指導レベルが異なる

メリットの裏返しでもありますが、たくさんある教室それぞれで、教育指導レベルも違います。

これは、他の学習塾を選ぶ際も同じですが、事前にくもんの特徴や教室の選び方など、ある程度把握しておかないとミスマッチが起こる可能性があるので注意が必要です。

だからこそ、この記事でおおよその特徴や選び方を知っておいて頂ければと思います。

宿題があるため親が家庭学習を見てあげる必要がある

くもんは毎回宿題をもらいますので、自宅での自習は必須と言えます。

学年が上がるにつれて1人でも学習できる子供もいるかもしれません。
しかし発達障害児の場合、ADHDでは集中力が無くすぐに気が散ってしまったり、学習障害では文字や数字を読むのが苦手な子など、1人では学習が困難な場合も想定されます。

よって保護者の方は、できるだけ宿題をする時は付いてあげる環境を作ってください。
お子さんと一緒に宿題をする時間が取れるかどうかも考慮した方が良いかもしれません。

どうしても、勉強を見てあげる時間を取るのが難しい場合は家庭教師のようにマンツーマンの環境を選択した方が良いかもしれませんね。

人が大勢いると集中できない可能性がある

他の学習塾を検討する時も同様ですが、周囲には勉強する子供がいるので、集中する事が極端に苦手な子供にとっては継続が難しい可能性もあります。

場合によっては、できるだけ子供が少ない時間に行けるようにするなど、事前に教室と相談してみると良いかもしれませんね。

自習形式のため自分から質問する必要がある

先に書いた通り、普通の学習塾に比べて先生に質問しやすい環境ではありますが、やはりわからない所などの質問は自分から行う自発力が必要になります。

先生側もある程度、発達障害に関して気にしてくれるはずですが、ASDの子供などはコミュニケーションが苦手な場合も多いので、うまく質問できないこともあるかもしれません。

また勉強に対するやる気や好奇心が極端に低い場合は、自習という特性上、続けていくのが難しい可能性もあるでしょう。

他の人との学習レベルの違いがわかる

他のお子さんとの学習レベルが分かる点はメリットもデメリットも両方含みます。理由は「無学年学習」のためです。

勉強の理解が早いお子さんが年齢や学年に関係なく上級生の学習まで進んでいくのに対し、進む速度が遅いと自分の学年より下の学習をしていく、いわゆる実力主義的な側面もあるでしょう。

勉強の進みが遅くても気にしないお子さんならば良いかもしれませんが、周囲と比較してしまうようなお子さんには逆効果になる可能性はあるため考慮が必要です。

感覚過敏の場合は事前の相談が必要

くもんに限らず学習塾を選択する時に考慮する点ですが、発達障害児の中には感覚過敏を併せもつお子さんがいらっしゃいます。

たとえば照明が眩しすぎたり、周りの子供の声や音などが不快で学習できないといった場合です。

お子さんが感覚過敏をもっている場合は、事前に教室へ配慮してもらえるか確認する必要があります。

残念ながら複数のお子さんや先生が集まる環境での学習になるため、視覚や触覚、嗅覚が過敏なお子さんへ個別の対応は難しいケースが多いようです。

感覚過敏のお子さんは、家庭で学習できる家庭教師やe-lerningなどを利用した方が負担は少ないかもしれません。

以下は聴覚過敏のお子さんがイヤーマフなどの使用許可をもらい、学習可能な環境になった成功例です。

聴覚過敏に役立つ耳栓などは、以下の記事でも詳しく紹介しています。興味のある方は参考にしてください。

発達障害の子供を通わせるくもん教室選びのポイント

くもんのメリットとデメリットがわかったところで、くもんの教室選びで見ておきたいポイントを紹介します。

くもんは教室数が多いので、数ある選択肢の中から教室を選びやすい点が一つのメリットです。
教室選びのポイントを把握していれば、大きな選択ミスは減らせるでしょう。

教室の規模や生徒数

発達障害の子供にとって、教室の規模や生徒数はあまり大きく無い方が良いでしょう。

その理由は2つあり、1つは教室が大きく生徒の数が多いと先生の目が行き届かない可能性もあるので質問しづらかったり、先生がそれぞれの子供の学習状況を正確に把握できない可能性も考えられるためです。

ですがこの点は、先生の数も多いのであればこの限りでは無いかもしれません。

2つ目の理由は、生徒が多いと集中力が保ちにくい ADHDやASDの子供にとっては学習の弊害となる可能性があるためです。

周りが気になって勉強に集中できなかったり、コミュニケーションが苦手な子供は人が多すぎる環境はストレスになる可能性もあります。

教室の環境・雰囲気

教室によっては掲示板に様々なイベントや情報を貼っていたり、ディスプレイが配置されている場所もありますが、発達障害の子供にとっては気が散ってしまうきっかけになります。

少なくとも学習室には勉強に無関係な掲示物がなく、集中できる環境がある教室を選んだ方が良いでしょう。

教室の運営年数

新しい教室は一見綺麗で良いように感じますが、運営年数が短いと、教育方針やノウハウなどがまだ蓄積されていない場合もあるので確認する必要があるでしょう。

一方で運営年数が長くても、先生が高齢だったり、どこか活気がないような教室は指導への熱量が低かったりする場合もあるので注意が必要です。

運営年数だけで安易に判断はできませんが、一つの判断基準として他の判断要素と併せて検討材料にしてみてはいかがでしょうか。

先生の指導力や子供との相性

先生の子供への接し方や、指導の仕方なども見定めておけば、先生の力量や熱量なども感じられるのではないでしょうか。

また、先生と子供との相性も見た方が良いでしょう。
例えば、ASDでコミュニケーションが苦手な子供が厳しい先生と当たってしまうと、質問や相談がしづらく、勉強がはかどらないということも考えられます。

口コミ

もし、ママ友などでくもんに通っている方がいるのなら話を聞いてみるのも良いと思いますし、SNSなどでの口コミも参考になるかもしれません。

教室の説明だけではわからない細かい内容も聞ける可能性があるので判断の参考になります。

しかしSNSは匿名性があるため、情報が正しいかはよく確認した方が良いでしょう。
後述しますが、くもんには無料体験学習があるのでこれらの口コミ情報と実際の所がどうなのか判断するのが良いのではないでしょうか。

通いやすいさ

くもんは基本的に週2回程通うことになるので、通いやすさも考慮に入れる方が良いでしょう。

多くの場合は学校帰りに通うことになることになるので、帰宅ルートにあるのが最も望ましいと言えるのではないでしょうか。

合いそうな教室と通いやすさの兼ね合いで決める必要がありますね。

発達障害向け教室

教室数は少ないものの、くもんには発達障害者専門の教室があります。

多くは放課後等デイサービスや自立訓練支援施設、就労支援施設といった障害者支援施設などが開いている教室となっています。

発達障害のことを理解したスタッフが指導するので、発達障害の人にとってはより適切な教育環境になるでしょう。

くもんの公式動画では、発達障害児向けの教室の雰囲気をご覧いただけます。

先生に発達障害に対する知識があるか無いかでは対応にも違いが出てくるので、教室選びの大きなポイントになります。

ただし教室によっては発達障害の子供を受け入れられる環境や設備が整っていない教室もあるので、絶対に入塾できるとは言えません。

以下のページに「公文式教室での学習についての問い合わせ先」が掲載されているので、事前に確認するようにしましょう。

無料体験教室

くもんは無料体験学習ができるので、まずはいくつか候補を挙げて無料体験に行ってみることをおすすめします。

その上で、前記したポイントをチェックリストに控えて検討してみると良い教室選びができるのではないでしょうか。

体験としたからといって、必ず入会する必要はないので積極的に体験学習に足を運んでみましょう。

くもんと学研教室の違い

料金だけを比較すると、くもんの料金の方が高いのですが、それぞれに教育方針の違いがあるので一概にどちらが良いとは言えません。

くもんと学研教室の教育方法の大きな違いは以下のようなものです。

くもんの教育方法

  • 自習による反復学習
  • 教室ではプリントに集中して黙々と学習
  • 教材は算数なら計算問題が並び文章問題などはほとんどない
  • 暗記や概念の理解を深める
  • 自習により自分で学ぶ
  • 無学年学習
  • 与えられる問題数が多く効率的

学研教室の教育方法

  • 絵やイラストなどが入ったプリントで学習
  • 先生とのコミュニケーションをしながら学習
  • くもん同様にプリントを自分で学習
  • 考える力を身に付ける
  • 自習により自分で学ぶ
  • 無学年学習
  • 問題数は公文と比べて少なめ

発達障害の子供の傾向を考慮して考えると、くもんは効率的に黙々と多くの問題を解いて、学習力を鍛える方法なので、コミュニケーションが苦手なASDの子供には向く傾向があるかもしれません。

一方で、一つのことに集中するのが苦手なADHDの子供は、絵やイラストがある学研の教材の方が楽しみながら学べる可能性もあります。

ただし、発達障害の特性は人によって千差万別なので、子供の特性とご紹介した特徴を照らし合わせて検討するのが良いでしょう。

実際、口コミなどを見ても「くもんが合っていた」という方もいれば、「学研教室の方が良かった」という人もいて、その子供の特徴によって合う合わないが別れていることがわかります。

くもんを検討する際の注意点

くもんを選ぶかどうかを考える上で、押さえておきたい注意点は以下の通り。

  • 家庭で宿題を見てあげる時間があるか
  • 周囲に人がいても勉強ができるか
  • 自分で質問ができるか
  • 勉強に対して意欲があるか
  • 周囲と比べてしまう性格でないか

これは学研教室でも同じ事が言えますが、自習中心とした環境がつくれるかどうかは事前に確かめたいポイントでしょう。

くもん(公文)の学習スタイル

くもんはどのような学習方法を行う学習塾なのか知らない方もいるのではないでしょうか?
はじめにくもんの学習方法の特徴について解説していきます。

学習方法

教科は算数・数学・英語・国語に絞って指導します。

くもんの特徴は先生が生徒へ授業を行うではなく、教材を渡して子供に黙々と解いてもらう自習学習のスタイルであることでしょう。

額守頻度は、基本的に週2回通い、学習時間は30分~数時間の短期集中型です。

問題を解いたら先生に採点してもらい、間違えた所は100点になるまでやり直し、学習後は宿題をもらうので、次に来る時まで自宅でも反復学習します。

先生はその子に合わせたアドバイスやヒントを出しつつ、子供が自力で解けるための手助けをしてあげたり、間違えた理由なども教えてあげることで一人ひとりと向き合う勉強スタイルとなっています。

無学年学習で個人に合わせた教材

くもんの受け入れている生徒の年齢は0歳~社会人までと、全年齢に対して受け入れている学習塾です。

問題のプリントはそれぞれの子供の学習レベルに合わせて作られており、その子に合わせた学習を与える事ができます。

くもんのもう一つの特徴が、学年ごとの学習内容に縛られない、「無学年学習」を取り入れている所です。
早いスピードで学習が進む子供は、例えば小学3年生でも小学6年生レベルの教材で勉強したりしています。

スモールステップ

最初はかなり易しい問題から初めていきます。

くもんは、まず「できた!」という体験を増やしつつ、徐々に高度へ問題へ進めていくスモールステップになっているので、無理なく学習レベルを上げていくのに適していると言えるでしょう。

くもんの学習料金は?

2022年5月時点でのくもんの月会費は以下のようになっています。
これは1教科あたりの料金となっており、仮に東京の小学生が3教科を受けると23,100円かかることになります。

対象東京・神奈川の教室左記以外の地域にある教室
幼児・小学生7,700円7,150円
中学生8,800円8,250円
高校生以上9,900円9,350円
くもん月謝(2022年11月時点)※すべて税込

全国展開する学習塾のうち、くもんとよく比較される学研教室では、2教科、週1回~2回の学習でおよそ7,000円~9,000円(税込)です。

教科に英語が加わると13,000円(税込)を超えるため、金銭に余裕がない場合はお子さんが何を必要としているのかきちんと見極める必要があります。

放課後等デイサービス「アップ」

放課後等デイサービスとは障害をもつ子供が放課後や長期休暇などに利用する福祉サービスです。

学校外での集団生活や子供の居場所をつくったりすることで、子供と家族を支える役割を担っています。

「子育てに向けたお役立ち情報」を運営するアップでは、集団生活や感情のコントロール、読み書き、ワーキングメモリのトレーニングなど多岐にわたるカリキュラムで子供に「生きる力を身に付けさせる」活動を教えています。

発達障害による学習の困難さの改善に加え、コミュニケーションなどの社会性などのトレーニングなども行っているので、生きるための様々な力を養えるので、気になる方は一度お気軽にお問合せください。

まとめ

くもんに限らず学習塾は、お子さんによって相性が異なるため、お子さんの性格や発達障害の特性をよく知った上での検討をおすすめします。

お子さんへの理解度を深めたあなたなら、大事なお子さんに合った学習環境が見つかるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。