今回も発達障害に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させていただきます。今回のトピックは、「発達障害の苦手なこと」についてです。
発達障害を抱える当事者を理解する必要がある、家族や職場等の近親者に発信していきます。
工夫点については当事者も参考になると思いますので、見ていただけたら幸いです。
一緒にお勉強していきましょう!!
目次
発達障害の種類
発達障害とは、幼少期から現れると言われており、脳の情報処理や制御に偏りが出ることで、日常生活に困難が生じます。年齢によっても症状が変化し、課題も変化していきます。また、軽症〜重症までの連続体(スペクトラム)であり軽いと見落とされる場合もあるでしょう。それによって、社会に出てから見つかると言うケースがあるのです。(「大人の発達障害」と言われることもあります。)
※連続体(スペクトラム)は、どこからどこまでと軽症などと区分できないこと
発達障害は大きく分けて3つに分類されます。
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠如・多動症)
- LD(学習障害)
これらの発達障害は、他の発達障害と合併しやすいと言われています。
では、次の項目で詳しく説明していきますね。
3つの発達障害の特性〜どんなことが苦手なの?〜
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)の3つの特性について紹介しますね。
ASD(自閉スペクトラム症)
コミュニケーション、相互関係の障害
人の気持ちを理解するのが苦手、冗談や比喩など話し言葉の理解が苦手です。
興味のあることを一方的に話し続けてしまう傾向があり、言語以外のサイン(表情や目配せなど)を読み取るのが苦手で、関わる人の気持ちを理解するのが不得意と言われています。
同一性保持の傾向
こだわりが強い傾向があります。また日課や習慣を変更するのが苦手です。
相手の立場に立つことも不得意と言われています。
イマジネーションの障害
展開を予想する力が弱く、全体の中の位置づけが不得意です。つまり、今やっていることと次に行うことを展開して考えることが苦手なため、どのように準備したら良いかわからないなどを指します。目の前の仕事しかしないと言う傾向があると言われています。
その他
知覚過敏傾向、驚異的な記憶力があり、IQ 140以上の方がいるほど。また0か1の思考であり、倫理的に考える傾向、怒りを抑えられないなどの衝動性の特性があると言われています。
ADHD(注意欠如・多動症)
不注意
ミスが一般の人よりも多く、片付けが苦手という傾向があります。一つのことにしか注意が向けられなく注意力も持続しない傾向があります。特に女性が多く、成人でも持続するものと言われますね。
衝動性
無計画、無秩序、段取りを立てることが苦手です。締め切りを先送りにし、相手の話を待てないなどのブレーキをうまくかけることが苦手な傾向があります。大人でも持続する傾向です。
多動症
じっとできない、喋りすぎてしまうなどの傾向があります。じっとしていられないことや動き回る傾向は幼少期に比べて成人では減少すると言われています。
興奮性
「瞬間湯沸かし器」などと呼ばれ、急にキレる特性を指します。ゲームへの過度の熱中やアルコール依存症も一つと言われています。
学習障害
「読む」「書く」「計算する」などの特定の分野の学習だけが極端に困難と言われています。
しかし、軽症の場合は、成長とともに改善するようです。
これらの特性は、見た目ではわからないため周囲の人からは理解されにくく、「本人の努力不足」と思われてしまう傾向があります。また、本人も、努力をしてもうまくいかず、自信を無くしてしまったり、いじめなどによって、鬱などの第二次障害を引き起こすことも…。
得意なことは?
これまで、発達障害について紹介してきました。上記では、主にネガティブな面を紹介してきました。もちろん特性上、凸凹が生じてしまうのですが、むしろ、周囲の人よりも得意なことがありますよ。得意なことについて紹介していきますね。
スペシャリストを目指す。
ASD(自閉スペクトラム症)
- 同一性の保持の傾向
一つのことを深く掘り下げることができる - 驚異的な記憶力
記憶を風化させずにそのまま保存することができる
丸暗記が得意 ナンプレなどの数字や計算が得意 見たものをそのまま覚えている(視覚優位) 細部まで覚えている(その場にいた服装や家具の配置など含め細かい部分を覚えている) - 真面目にコツコツと仕事をする
- 飽きることなく続けることができる
- マニュアルがあればきちんとこなす
ADHD(注意欠如・多動症)
- 発想力が豊か
- 明るく社交的
- 好きなことに関しては集中力が非常に高い(過集中傾向)
- 挑戦心がある。(行動力がある)決断してから行動に移すまでが早い
LD(学習障害)
苦手なことが人によって大きく違うため、得意不得意も人それぞれです。
例えば、
- 全体像を読み取ることが得意であり、視覚的な仕事に向いている。
ASD(自閉スペクトラム症) ADHD(注意欠如・多動症) LD(学習障害) 苦手なこと ・コミュニケーション、相互関係の障害
・同一性保持の傾向
・イマジネーションの障害
・その他
知覚過敏傾向、0か1の思考であり、倫理的に考える傾向、怒りを抑えられない。
・不注意
・衝動性
・多動症「読む」「書く」「計算する」などの特定の分野の学習だけが極端に困難。 得意なこと - 一つのことを深く掘り下げることができる
- 驚異的な記憶力
そのまま保存することができる
丸暗記が得意 ナンプレなどの数字や計算が得意 見たものをそのまま覚えている 細部まで覚えているなど - 真面目にコツコツと仕事をする
- 飽きることなく続けることができる
- マニュアルがあればきちんとこなす
- 発想力が豊か
- 明るく社交的
- 好きなことに関しては集中力が非常に高い(過集中傾向)
- 挑戦心がある。(行動力がある)決断してから行動に移すまでが早い
苦手なことが人によって大きく違うため、得意不得意も人それぞれです。全体像を読み取ることが得意であり、視覚的な仕事に向いている。
苦手をカバーする方法
まず、できることと頑張ってもできないことの2つに分別して行ってみることが大切ですが、工夫も大切です。其の上で、どのように工夫すれば、達成できるのか具体的にまとめてみたので参考にしてみてくださいね。
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TO DOリストを作成する
優先順位をつけることが苦手な人に有効です。やるべきことをリストアップして目の届くところに貼り、進歩状況を確認しながら行うことも大切です。
2.メモを持参する
ADHDの不注意傾向の方に有効です。忘れるのを防いでくれたり、忘れても保険になります。ポケットに持ち運びやすいものを選ぶと良いでしょう。また、無くしてしまう傾向にあり人は、紐などを付けておくと良いかもしれません。
3.一箇所に必要なものをまとめる
忘れ物が多い人や無くしものをしてしまう方に有効です。例えば、決められたところに必ず決められたものを置くなどの工夫が必要です。
4.スマホ・ダブレットなどの端末を活用する
スマートフォンのアプリやカメラ機能、録音機能などを用いることも有効です。例えば、学習障害をお持ちで字を書くのが不得意な子や、ゲーム感覚で漢字などを覚えるなど有効です。また、黒板を移すのに時間がかかる場合、カメラで写真を撮るなどの工夫もしてみましょう。
5.アラームタイマーを利用する
過集中しやすい子や多動性が強い場合、短時間のタイマーをつけることが有効です。時間になったら、それを一度終わりにするというようにする、時間になったら取り組むというように「時間で物事を区切る」ことで時間を有効的に効率的に行うことができます。
まとめ
<苦手をカバーする方法>
- TO DOリストを作成する
- メモを持参する
- 一箇所に必要なものをまとめる
- スマホ・ダブレットなどの端末を活用する
- アラームタイマーを利用する
いかがだったでしょうか?発達障害は、脳の特徴によって、得意不得意に凸凹が生じてしまいます。だからと言って、できないということではなく、人よりも覚えるのに苦戦したり、人以上に工夫があったり、少し不器用なだけなんです。しかし、発達障害は、見た目ではわからないため、普通の人からするとなかなか容認することも難しいところがあります。発達障害あるないか変わらず、お互いが容認できる関係性、社会が作られることを願っています!!