皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 併発」についてです。

「ASD(自閉スペクトラム症)」と診断されたけど、動いていないと落ち着かないことがよくあり、ADHD(注意欠如多動性障害)など他の発達障害の特性もみられる・・。

「あれ?ASDと診断されたのになんで?正しく診断されているの?発達障害って併発するもの?二次障害って?」などと不安に思ったことはありませんか?

ちょっとした疑問をそのままにすると大きな不安になり、二次障害につながることも多くあります。今回の記事を読んで少しでも不安が減るように役立ててもらえたらと思います。

発達障害は併発していることの方が多い

例えば、集中力がとても高い特性のある「ASD」と診断されていたとしても、集中している時以外は落ち着きがなかったり、色々なことが気になって注意力が散漫になったりする、などという「ADHD」の特性も併発しているというようなことはよくあることなんです。

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青木
「併発」は「併せ持つ」とか「混ざり合う」というニュアンスですね。

その人によってさまざまな組み合わせ

発達障害には大きく分けて3つあります。

  • 「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)」
  • 「ADHD(注意欠如・多動性障害)」
  • 「LD(学習障害)」

それぞれが独立している部分もあれば、2つが重なり合っている部分もあります。

3つ全てが重なり合うことも多くあることです。

それぞれの発達障害についてはこちらの記事で分かりやすく解説しています。

その他には、「知的障害とASDの併発の率が高い」と言われていたり、睡眠障害やてんかんが併存する場合もあります。

場面によって変わる特性

特定の人にはしゃべりだすと止まらなくなるけれど、初めて会った人には一言も話せない・・などと、ADHDの特性がよく出る時とASDの特性が目立つ時があってその極端さに戸惑ってしまう人もいます。

同じ人でも場面によったり、関わる人により極端に別の特性が現れることもしばしばあることなんです。

それぞれの解説をした本はたくさんあるけれど、併発に注目している情報はなかなか見つかりません。モヤモヤとする要因の一つだと思います。

診断名は信用していい?

診断名は、その時に一番目立った症状で診断がおりることが多いです。

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大竹
その先生によって診断名が変わることもあります。
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青木
その時の目立つ症状は年齢によって変わることもよくあることですね。

「診断名が正しいかどうか」や「診断名自体」にこだわりすぎる必要はないと私は考えます。

正反対のことを併せ持つ

正反対に思えるADHDとASDですが、それぞれの特性を併せ持っていることが多くあります。

ADHDとASDの特性

ASDの特性

こだわりが強い
集中しすぎる
話し出すと最後まで止まらない
人の言葉を真に受けやすい
その場の雰囲気や空気をつかめない
冗談が通じない、言えない
雑談が苦手
興味のあるなしが極端

ASDは自分の世界に閉じこもったり、人の気持ちが分かりにくいなど、主にコミュニケーションの不得意さが目立ちます。こだわりが強い分、物事を突き詰める傾向が高いです。

ADHDの特性

落ち着きがない(じっとしていられない)
行動が衝動的(待てない)
物が散らかる、物を失くしやすい
集中力がない、もしくはとても短い
人あたりは良いことが多い
計画通りにいかない
時間管理ができない(遅刻しやすい)

一方でADHDはコミュニケーションは好きな人も多く人当たりが良いことも多いです。目に入る全てのものが気になってしまい、気が散りやすいので時間や物の管理が苦手な傾向が高いです。

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大竹
比べてみると正反対さがよくわかりますね。

併発の複雑さ

あまり診断名にこだわらない方がいい理由は、併せ持っているものが複雑である場合が多いので、診断名に合わせて考えると合わない部分が出てくるので余計に混乱してしまうと私は思うからです。

以下のように色々な組み合わせが考えられます。

  • 衝動的にパッと行動するけれど集中するとずーっと動かない
  • じっとできなくてよく歩いているけど、考えることに集中しすぎて物にぶつかってしまう
  • 1つのことにとてもこだわっていたけれど、他のものに興味をもつと気が変わりそちらにこだわりだす

ひとりひとり程度はさまざまです。「絶対にこう」ということは少ないので決めつけすぎないほうが改善もしやすいです。

LDとも重なり合う部分があるので、「漢字を黒板を見ながらものすごく集中して書いたけど線が一本足りない」などとASDとの組み合わせや、ADHDの組み合わせ、さらに3つの症状が全て混ざり合っている場合もあります。

併発している場合はグレーゾーンと診断され、2重に苦しみやすいのではないか、ということについてのお話の動画があります。

動画の中で診断名の通りの「単体」のほうが少ないと語られているところになんだか安心しました。

どうすれば対処しやすい?

「併発」や「混合」はよくあることだと分かりましたね。

でも、よくあることなのに対処法などは紹介されていることは少ないと感じています。ここではおすすめの考え方について紹介していきます。

診断名を気にしすぎない

繰り返しになりますが、診断名自体にはこだわりすぎないことを第一におすすめします。対処をしたり改善をするときにまず診断名にこだわっていると、落ち込んでしまったり遠回りになることが多いんです。

得意と不得意をはっきりさせる

診断名よりももっと大事なことです。

「何が得意か」「何が苦手か」をはっきりと明確にすることで初めて得意なことをより伸ばしたり、苦手なことを改善できます

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青木
紙やノートに書いてみるのがおすすめです。
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大竹
信頼できる人に手伝ってもらうのも、とてもいいと思います!

心地よいと思う場所を選ぶ

自己肯定感が低いと、「この職場の人間関係も仕事の内容も自分には合わないな、すごくしんどい・・」などと感じていても

「でも雇ってくれるのはここしかないから頑張ろう」と納得させて無理を続けてしまい体調を崩したり、心が病んでしまったりする人も少なくありません

付き合う人や職場やコミュニティの人間関係はある程度選ぶことができます。可能な限り「こうだからこうしかない」と頭で考えるよりも、「心地よいか心地悪いか」で考えて無理のない所に居場所を作ることを意識してほしいと思います。

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青木
自分の気持ちに素直になることはとても大事ですね。

先ほどと同じ動画の方です。ADHDとASDの混合型がどうすれば生きやすいかを話されています。

とても具体的に話されていて、分かりやすいです。

発達障害は二次障害とセットなの?

二次障害は、発達障害をもつ人が主に人間関係などでストレスを抱えうつになる、というような発達障害が起因となる精神疾患のことです。

二次的な問題」として「二次障害」と呼びます。

絶対になるものではない

知的障害や発達障害と他の精神疾患が併存しているケースは実際に多くあります。

けれど「発達障害をもつ人が絶対になるもの」では決してありません

精神疾患は、主に人との関係がうまくいかない時に発症するものです。人とのコミュニケーションでつまづく特性の強い発達障害をもつ人がなり易いとは言われています。

ポイント

「発達障害があるからうつになる」ではなく「コミュニケーションがスムーズにとれないことが度重なってうつになる」と私は考えます。

日常の色々な困りごとから

生きていると、人間関係で悩まないひとはいません

学校でクラスメートにうまくなじめなかったり、先生や親との関係が良くなかったり

社会人になってからも職場などでコミュニケーションがうまくとれなかったり、ミスを繰り返してしまったり・・・

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青木
誰にでも失敗や人間関係のつまづきはありますよね。
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大竹
発達障害をもつ人はその凹凸があることで、困りごとが多くなる傾向があります。

二次障害についてはこちらの記事をご覧ください。

まとめ

今回は発達障害の併発についてや、おすすめの考え方などをお伝えしました。

しつこいようですが、「診断名そのもの」よりも「何が得意で何が不得意か」を軸に考えることが、幸せに生きる近道です。

不得意なことはゆっくりでも改善する努力をして、得意なことには思いっきり力を注ぎましょう。得意なことが増えると自信をもつことができます。

あせらずゆっくりあなたのペースでいいんです。少しでもこの記事がお役に立てると嬉しいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。