皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の特性を持つ人向けの就職面接対策」についてです。
就職や転職の面接は誰だって緊張しますよね?面接も人間同士のコミュニケーション。
発達障害の特性を持つ人は特に面接は苦手という人が多くいます。
そこで今回は働くことへの心構えや具体的な対策などをお伝えしますので、是非参考にしていただき面接に挑んでいただければ幸いです。
目次
発達障害をもつ人ができる面接への心構え
面接を突破した人の中には「面接は10社20社落ちて当たり前」、中には「100社に履歴書送った」という人がいました。
基本的に就職面接はすぐにすぐ受かるものではないと、思っておきましょう。
なるべく自分の特性に合った職種を選ぶ
「仕事が長続きしない」「面接に何社も何社も落ちてしまう」という人は、まず自分に合っている職種を見直してみましょう。
【自分の特性に合わない職種の選び方一例】
- 「コミュニケーションが得意ではない」のに「営業職」を選ぶ
- 「気が散りやすい」のに「コツコツと作業する仕事」を選ぶ
- 「人の気持ちを想像したり共感するのが苦手」なのに「相談業や支援業」を選ぶ
自分でミスマッチが分かれば、応募先や絞り込んだ求人内容の見直しをおすすめします。
自分の強みと弱みを明確にする
発達障害をもつ人ではなくても得意なことと苦手なことがありますが、発達障害をもっていると苦手なことが特に目立ちます。
×「苦手なことがある」=「よくない」
〇「苦手なこと」に「対処」したり「工夫」をしている
大切なことは「自分の苦手なことはなにか」を自分で分かっていることです。
発達障害は大枠で3つに分類され、それぞれ苦手なことが異なります。
- 自閉スペクトラム症(ASD):こだわりが強く周囲とコミュニケーションを取りづらい
- ADHD(注意欠如・多動症):ケアレスミスが多い、すぐに席を立つ
- 学習障害(限局性学習症、LD):文字の読み取りや計算が苦手
発達障害の特性については別途記事を用意しているので是非参考にしてみてください。
光武オーナーさんによる以下の動画では「ASDの人」がマルチタスクが苦手なことを自覚して、どう対策するかについて語られています。
苦手なことをそのままにせず「困難を克服しようとする姿」を伝えられれば、それは面接でもアピールになります。
面接への具体的な対策
具体的にできる面接への対策についてお伝えします。
たった数十分の面接であっても、1社1社しっかりと準備を念入りにしてください。
しっかりと準備しておけば、面接で話すときに緊張はしていても堂々と話せるからです。
まずは下準備をしっかりとしておく
履歴書をそれとなく書いたり面接する会社のことを調べなかったりと「面接だけ頑張ればいい」というものではありません。
緊張はするものですが「余計な緊張」や「余計な心配」をせずに、面接に集中できるように下準備をしっかりしましょう。
下記のツイートは面接に向けて10年ぶりに就活を始める方のとあるツイートです。どんな人でも準備が大変かつ大事であるとわかります。
面接を受ける会社のホームページをしっかり見ておく
最近は、ホームページをもっていない会社はとても少なくなってきました。
企業のホームページの中で特に注目しておく部分は
「その企業の目的」です。
・どういう目的でその会社を立ち上げたのか
・どういう形で社会に貢献していきたいか
以上のように「思い」の部分をチェックしておきましょう。
会社の掲げる「思い」に共感したということを十分に志望動機に紐づけられるでしょう。
特に中途採用となるとスキルや資格も重要かもしれませんが、何よりも大切なのはこの「思い」の部分です。
履歴書と職務履歴書をしっかりと書く
履歴書の「志望動機」や「アピールポイント」の欄は、極力空白を少なくすることをおすすめします。
文章が長すぎると読みにくかったり読むことに疲れてしまう危険があります。文章は簡潔に書きつつ、4~5行は書くことを目標にしましょう。
手書きの履歴書の場合は一度えんぴつで下書きをすると良いでしょう。
修正テープを使うことや「2にちょっと書き足して3にする」などとごまかすことは印象を悪くします。
面倒かもしれませんが、少し時間をかけて丁寧に書くことで後々の手間を省けます。
字の綺麗さよりも「丁寧に書いているかどうか」が重視されます。丁寧さはかけた時間に比例します。
パソコンやスマートフォンでも入力できる履歴書のソフトやアプリがあります。
住所や学歴・職歴欄や証明写真などはそのままで、志望動機や通勤時間、本人希望欄などを変えるだけで良いので手書きよりも格段に楽になります。
身だしなみは何度も確認する
第一印象は一番重要といっても良いくらい「その人のほとんどを決めてしまうもの」です。
第一印象については「メラビアンの法則」が有名です。
第一印象は数秒で決まるとも言われており、しかも、一度決められてしまった印象を変えるのは難しいとされます。
引用 メラビアンの法則から導きだす第一印象を最大限に良くする13の方法
- スーツやかばんや靴が汚れていないか
- ボタンはかけちがえていないか
- 髪の毛はまとまっているか
- ヒゲの剃り残しはないか
- スーツでなくて良い場合はTPOに合っている服装か
何よりも清潔感が大事です。しつこいくらいに何度も鏡で確認しましょう。
面接の流れ、基礎的なノウハウ
面接の入室から退室までの流れとポイントをお伝えします。
・ドアを開け閉めしながら礼をしない
・話しながら礼をしない
・表情は固すぎず、少し笑顔を意識する
・相手の目を見て、体をしっかり相手に向けて話す
入室するまで
ドアは4回も5回も叩いたら、待機している面接官は「何かあったのかな?」と不安になってしまいます。
ドアノックは3回も叩けば十分聞こえるので、強くたたかずトントントンと優しくノックしましょう。
「どうぞ」と声が聞こえたら「失礼します」といって入室し、相手の目を見て一礼します。
この時「失礼いたします」「ありがとうございます」など挨拶をしながら礼をするのは失礼なので注意してください。
面接開始前
椅子へ座る前に「〇〇と申します、本日はよろしくお願いいたします」などのような簡単な自己紹介してください。自然な表情を浮かべつつ行うと印象が良くなります。
「お座りください」といわれたら、荷物や上着を足元に置き、ゆっくり座ります。緊張していても慌てず落ち着いた方が好印象です。
面接中
質問されたら「はい」と返事をし、相手の目を見て話します。
答えにくい質問であっても、なるべく質問に沿った回答を心がけましょう。
面接終了後
メンツが終わったらその場で「ありがとうございました」といい一礼します。この時挨拶をしながら礼をしないよう注意してください。
ドアの手前で再度「ありがとうございました」といい一礼してください。ドアの外に立ち、ドアを閉める時に止まってもう一度一礼します。
入退場間のサンプル動画で入室から退室までの動作を参考にしてみてください。
面接での受け答えの対策
面接会場に着いて「どうぞ」と言われると心臓がとても高鳴りますね。
面接官は就活生が緊張していることに慣れているので、変に緊張を隠す必要はありません。
それよりも「この会社が目的にしていることは何だったかな」と、相手のことを考えるようにしましょう。
聞かれた質問にきちんと答える
話している途中で話が脱線してしまったり枝分かれしてしまい、聞かれたことに対して答えになっていないことがよくあります。
あいまいにせず、はっきりと話すことを意識しましょう。
こちらの動画では「面接の練習時に相手がいない場合は、スマートフォンで自分を録画してみてください」とおすすめされています。
実際に発達障害をもつ人が苦手とすることをとても分かりやすく演じられています。
質問への答えは結論から話す
面接では「限られた時間で要点のみを伝える」ことが必要とされます。
なんとなく思いついたことから話していると、話が長くなってしまい何が言いたいのかも分からなくなってきます。
理由や経緯から話し始めると、面接官にとっては何が言いたいのか理解に時間がかかり、結論にたどり着くまでの話もなかなか耳に入ってきません。
引用元:基本こそ重要!面接での受け答えのポイント
「面接スイッチ」をつくる
面接は少し演じることも効果的です。必要以上に自分を良く見せようとすると、働く時に期待を大きくかけられて大変になることは避けたいですね。
職種によっては堅苦しい面接よりも、会話のようにやりとりすることを望む面接官もいます。「リラックスしてくださいね」と言ってくれる企業の方も中にはいます。
しかしそれでも「フランクになりすぎる」ことはNGなので、その間が難しく「リラックスしてください」と言われる方が困るという人も多いと思います。
本当に自然体になることはできませんが「ふるまう」ことは練習できます。
何度も練習して、スイッチを入れると「面接モード」に変身するイメージでしてみてはいかがでしょうか。
発達障害をもつ人は面接に落ちても自信はなくさなくていい
履歴書を書いて送って書類選考に通ったら、面接の日程を決めて、いざ面接へ。
しかし数日後「ご意向に沿うことができません」という通知が・・・。
面接に何度も落ちると、発達障害は関係なく落ち込んだり自信がなくなるものですね。
勘違いしないで欲しいのは、面接に落ちた=あなたが否定されたわけではない点であり「今回の募集とは合わなかった」とその面接官に判断されただけです。
自信をなくす必要は全くなく、次への対策に時間を使うようにすることをおすすめします。
働くことを長期的な目線で考える
働くことは「マラソン」のようなものです。
「その時だけの瞬発力」よりも「いかに無理を少なくして長く働くか」が大事です。
働くことは人の役に立つこと
世の中は誰かの仕事で成り立っています。
道路を作る人がいるから安全に道を歩ける、農家の人がいるから新鮮なものが食べられる、と誰かの仕事で循環しています。
働いて給料を得ることは以下の2点が基本といえるでしょう。
- 自分が生きていくため
- 人が喜ぶことをすること
自己啓発に惑わされない
よく「好きなことを仕事にしよう」という様な本や文句を見聞きします。
特技を活かすことは大切ですが、「好きなこと」と「生活のために働くこと」は同じでなくても良いんです。
好きになるのは「うまくいったから好きになる」場合がほとんどです。最初から「好きな仕事をしている」という人が多いわけではありません。
面接はお互いに確認する場所
就職面接のうち特に転職において、面接は企業が一方的に選ぶわけのではありません。
あくまで面接時の企業や面接官と「お互いに合うか合わないか」ということです。
よって面接に落ちても「合わなかったんだ」と分かればよく、落ち込みすぎないようにしましょう。
以下のツイートでは、就活の面接時においての考え方を伝えています。
面接の文字を見て緊張するのであれば、自分と企業との情報をすり合わせするという意味で「マッチング」と置き換えてみると冷静に判断できますよ。
面接の対策には参考書も読んでみよう
発達障害者向けの面接に関する参考書が発刊されているので、興味のある方は参考にしてみてください。
「発達障害の人のための就活ハック」は面接前の企業研究から面接時の対応まで幅広く指南しています。
体系的に面接について知っておきたい方に便利です。
就労支援で面接を練習する
お住いの地域にあるハローワークや就労移行支援で、面接の練習ができるようであれば検討してください。
参考元:全国のハローワーク|厚生労働省
第三者の視点からチェックしてもらうことでメリットがあるからです。
【第三者からチェックしてもらえるメリット】
- 自分には分からない客観的な視点で見てもらえる
- 模擬的に面接して話す行為に慣れていく
- 人と関わることでモチベーションが保てるなど
面接のシミュレーションをこなすには心身共に疲れますが、メリットが多いことがわかりました。
まとめ
今回は「発達障害をもつ人やグレーゾーンの人の面接への対策」についてお伝えしました。
- 面接に落ちても落ち込む必要はないこと
- 第一印象を大切にし、身だしなみに気を配ること
- 履歴書は時間をかけて作成すること
- 結論から答える意識すること
だんだんと時代は「自分のできることを活かして活躍できる社会」に変わっていっていると感じます。
時代が変化している途中の今は特に大変です。私たちが踏ん張って、コツコツとその理想の社会を作っていきたいと思うので、めげずに一緒にがんばりましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。