皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害をわかりやすく」についてです。
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発達障害は目に見えませんから、どのような障害なのかわかりづらいですよね。
この記事では、発達障害の原因や、どのような障害なのか、同じ発達障害なのになぜこんなに個人差があるのか、発達障害の子供にどう対応したらよいのか、についてわかりやすく説明していきます。
目次
発達障害をわかりやすく教えて欲しい!

発達障害とは、「脳の発達」が人と違うという障害です。
「発達の道筋の乱れ」とか、「発達の凹凸」などと表現されることもあります。
参考 杉山登志郎 『発達障害の子供たち』p43(講談社 2007)
「脳の発達」が人と違うことによって、一般的な児童の発達具合とは異なるわけです。
それによって、人とのコミュニケーションや注意力、特定の学習において極度な苦手が生じたりします。
これは単に知的な障害があるというわけではありません。
知能検査では、知能は通常レベルでも、問題を理解する能力や、それを表現する能力、思考を整理する能力などにハンディキャップがあれば、あらわれる結果は低くなります。
ですから、知的には問題がないのに、本人にとってあることは極端に苦手となってしまうことがあります。
発達の違いが生じる領域は、
・認知の領域…周りの世界に対する認知の発達。
・学習能力の発達…学習能力の発達。
・言語能力の発達…言葉の発声や理解などの発達。
・社会性の発達…人付き合いや他人の気持ちを読む力の発達。
・運動の発達…体を動かすことに関する発達。
・手先の細やかな動きの発達…器用に手足を動かすことに関する発達。
・注意力・行動コントロールの発達…注意力や集中力に関する発達。
参考:杉山登志郎 『発達障害の子供たち』p41(講談社 2007)
があります。
このような状態が、「発達の道筋の乱れ」とか、「発達の凹凸」と表現されています。
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発達障害の意味について説明した記事はこちら
どんな障害なの?

障害の具体的な症状は
・自閉症スペクトラム
・学習障害
・ADHD
が代表的です。
順に解説していきます。
自閉症スペクトラムとは
「社会性の発達」に関して障害がある場合、自閉症スペクトラムと呼ばれます。
コミュニケーションが苦手なのが特徴のようです。
この自閉症スペクトラムを表す行動の一つが、乳幼児の「逆転バイバイ」と呼ばれる行動です。
自閉症児も、真似ができるようになると「バイバイ」をするが、手のひらを自分の方に向けて「バイバイ」と手を振るのである。
引用:杉山登志郎 『発達障害の子供たち』p73(講談社 2007)
乳幼児からみると「バイバイ」の手のひらは自分の方を向いているので、相手には手の甲を向けて真似してしまうということですね。
相手の感覚を共有するのが苦手な自閉症スペクトラムの特徴についてはこちら
学習障害とは
学習障害だと、文字を読んだり書いたり、計算したりなど、特定の分野で極端に苦手を抱えてしまいます。
先ほど説明した通り、知性には問題がないものの一部の勉強が極端にできない症状ですね。
このような児童に対して通常と同じ教え方をしてしまうと、習得が非常に困難になります。
最近は健常児とは異なった学習アプローチをとるという点から、Learning Differences(学び方の違い)と呼ぶ人もいます。
引用:厚生労働省の情報提供サイト
ADHDとは
ASHDは、注意欠陥多動性障害とも呼ばれ、「多動」、「不注意」、「衝動性」を症状としています。
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児童にとっては珍しくない特徴ですが、一般的にはこのような傾向は年齢とともに小さくなっていきます。
これに対してADHDは障害としてこのような特徴を持つため、なかなか解消はされません。
なので、ADHDは子どものわがままなどと思われがちです。

ADHDについて詳しく説明している記事はこちら
ADHDを改善する方法について詳しく解説している記事はこちら
症状はなんでこんなに違いがあるの?

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「1」で説明した通り、発達障害は脳の「発達に凹凸」があるということです。
しかし、何が苦手で何が得意かは一人ひとり違います。
苦手な分野が人によって違ったり、いくつかの苦手分野を持っていたりするので、人によって症状が大きく異なるということですね。
更に、発達障害はいくつかの症状が併発することが多いです。
発達の分野には「1」で示したたくさんの項目があります。
この組み合わせや障害の度合いによって、個人によって全く別の症状のようなあらわれ方になるということですね。

併発について解説している記事はこちら
個性に合わせた対応が必要

だからこそ、発達障害にはそれを理解した人による個別教育が非常に重要です。
少し長いですが、長年発達障害に関わっていた方の書かれた内容を引用します。
学校の先生からしばしば聞くのは、クラスの中でサポートが必要な子どもに受診を勧めると「うちの子を障害児にするのか」と激怒する親が少なくないという苦情であるが、これは親の側の思い込みによる誤解に基づいていると言わざるを得ない。 要するに、本人の責任ではないことによって(本人が怠けたり、わざと反抗したりしているのではなく、また親の躾の不備によるものでもなくて)学校生活に支障が起きていることが明らかとなったのに、この本人にとって不幸な状態を、医療機関などの専門家の助けを借りてなんとか解決しようという申し出を、発達障害という名前に由来する偏見から、拒絶をしてしまおうとしているのである。
引用:杉山登志郎 『発達障害の子供たち』p46(講談社 2007)
発達障害と特別支援学級について解説している動画はこちら
まとめ
発達障害とは、「発達の道筋の乱れ」とか、「発達の凹凸」などと表現されます。
具体的には「脳の発達」が人と違うという障害と言われています。
苦手な分野ごとに名前が分けられ、症状もそれぞれ異なります。
本人の心と密接に結びつく問題であり、個性と苦手に合わせた対応が必要となります。