皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害と耳の関係」についてです。」
皆さん、いきなりですが、
「うちの子、発達障害の診断を受けたけど、よく人混みを嫌がったり、救急車の音に異常にびっくりすることがあるのよね。」
「耳の形が変だったり、耳の病気を持っているのかしら?」
と疑問に思ったことはありませんか?
発達障害と診断された子供は周囲の音に対して、異常なほど敏感になったりする場合があります。
いわゆる聴覚過敏と呼ばれるものです。
聴覚過敏は普段の生活を工夫しないと、発達障害のお子さんにとても大きなストレスを与えることになります。
この記事では、聴覚過敏の症状やその解決策、さらに普段の生活で工夫できることをまとめていますので、ぜひ、最後まで読んでください。
目次
発達障害に耳の形は関係ない!?
いきなり結論を話しますが、実は発達障害において身体的な特徴が出現することはありません。
発達障害とは生まれつき脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動や情緒の面に特徴が見られることを指すからです。
身体的な特徴を示すもので広く知られているのが、ダウン症ですね。
ダウン症は発達障害ではなく、知的障害に分類されます。
ダウン症の身体的特徴として、
・少し釣り上がった目
・低い鼻
・幅が広い眉間
・顔に対して耳が小さい 等
が挙げられます。
発達障害とダウン症の違いってなんだろう?
と疑問に思った方もいるかもしれません。
発達障害とダウン症の違いについて詳しく知りたい方はぜひチェックしてください!
発達障害では身体的特徴はみられませんが、先にも述べたように、脳の働き方の違いによって行動や情緒の面に特徴がみられます。
耳の形は他の人と全く変わりませんが、発達障害には感覚過敏といった症状があります。
そして、その中に聴覚(過敏・鈍麻)と呼ばれる症状があるのです。
この聴覚(過敏・鈍麻)の症状は社会生活において、ストレスとなりやすいです。
原因と対策を以下に分かりやすくまとめました!
それではみていきましょう!
聴覚(過敏・鈍麻)の原因
発達障害における聴覚(過敏・鈍麻)の原因は未だ解明されていません。
しかし、一説によると健常児は出生〜8ヶ月頃までに周囲の感覚情報を取得するために脳細胞が爆速的に増加し、8ヶ月以降は脳細胞の統合・減少する現象(刈り取り)が行われています。
ですが、発達障害の乳幼児はその刈り取りが正しく行われずに、脳細胞が健常児よりも多いことから聴覚(過敏・鈍麻)といった症状が出現するのではないかとも言われています。
*必ずしも発達障害の子供全員にこの症状が出現するとは限らないので注意してください。
聴覚過敏について分かりやすく解説してある動画がありますので、こちらもチェックしてください!
聴覚(過敏・鈍麻)の症状
苦手な音は子供によって違いがあるので、ここでは簡単にまとめさせてもらいます。
1.特定の物の音に対して過敏
- 掃除機やドライヤーの音
- 食器の触れ合う音 等
2.特定の人の音に対して過敏
- 赤ちゃんの泣き声
- ショッピングモールなど大勢の人混みの音 等
3.予測不能な音に対して過敏
- 救急車の音
- 授業のチャイムの音 等
とは言ったものの、実際、聴覚障害でどんな感じに聞こえるか気になりませんか?
聴覚過敏の擬似体験ができる動画がありましたので、気になる方はぜひ、チェックしてください!
聴覚(過敏・鈍麻)の対策
1.耳栓・イヤーマフの使用
耳栓が嫌な場合はイヤーマフやヘッドフォン、イヤホンでも代用可能です。
とにかく外の音をある程度、遮断できる物であれば良いです。
こちらではおすすめのイヤーマフについてまとめています。
聴覚過敏についても詳しく解説してあるのでおすすめです!
2.テレビは消音にし、字幕を表示させる
中にはテレビの音も不快に感じることがあります。
お気に入りの番組や映画がある場合は不快にならない程度の音量に小さくするか、消音にして、字幕で番組や映画を思いっきり楽しみましょう!
ただし、発達障害のお子さんではテレビに集中しすぎて、物事をうまく切り替えられないことがあるようです。
そんな時、どうしたらいいか不安になりますよね?
こちらの記事では発達障害とテレビとの付き合い方についてまとめていますので、あわせてご覧ください!
3.買い物の時間をずらしたり、通信販売を利用する
現代はインターネットが普及しており、様々な日用品や食品がネット通販で取り寄せることができます。
4.ショッピングモールや公園など騒々しい場所の場合は没頭できる作業を行う
大勢の人が話している場所や様々な音が起きやすい場所では、読書やお絵かきなど没頭できることをするのも効果的です。
発達障害のお子さんでは「特定のこだわり」や「決まったルーティン」がよくみられます。
今回のようなケースではこのこだわりが聴覚過敏の症状を和らげてくれますが、普段の生活ではマイナスに働いてしまう場面があるかと思います。
例えば、学校が急に休校になったり、運動会や文化祭といった学校行事への参加であったり、
実際に起きてほしくはないですが、地震や火事といった自然災害などが起きた時の対処も普段と違うので、お子さんは混乱してしまいやすいです。
「ルーティンやこだわり」への対処を知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください!
5.充分な休息を行うこと
聴覚過敏だけではなく、発達障害を持つ人は普段の日常生活からストレスを受けています。
そのため、非常に体力を消耗しやすく、疲れやすいです。
疲労やストレスが溜まると、症状が悪化するケースもあるので、
こまめな休息を取るようにしましょう!
ストレスや疲労に対する対策や工夫についてはこちらの記事をご覧ください!
注意すべきこと
これまで聴覚(過敏・鈍麻)の原因、対策を挙げさせてもらいましたが、
そもそも発達障害は脳の発達の仕方に特徴があるので、決して両親の育て方や母親のせいではありません。
生まれてきた子供には責任はないですし、本人が一番苦痛なはずです。
大切なのは、発達障害を正しく理解し、愛情たっぷりとお子さんに触れ合っていくことが一番だと思います。
ここでは、発達障害のお子さんやその両親だけでなく、周囲の人々にもできる対策や工夫をいくつかまとめたので書かせてもらいます。
1.学校では机や椅子の脚にテニスボールをつけてもらい、なるべく音が出ないようにする
小学校の特別学級などでよく目にするかと思います。
机や椅子の脚にテニスボールをつけることで、不快な音を軽減するとともに、床を傷つけることもなくなるので、一石二鳥ですね!
2.職場では周りの音が気にならないように席を移動する
就職する企業によっては自分のデスクが用意されている所もあるかと思います。
席の移動が可能な場合はなるべく周囲の音が気にならないような場所をできるだけ選ぶようにしましょう!
今の時代、テレワークやノマド的な働き方など、さまざまなワークスタイルがあります。
自分の身体にあったワークスタイルを取り入れましょう!
3.聴覚過敏の子供の前では大きな声を出さないようにしたり、怒鳴らないようにする
聴覚過敏の症状として、予測不能な音に対して敏感になると話しました。
大きな声や怒鳴り声も聴覚過敏の人にとってはかなりのストレスになります。
聴覚過敏の方と会話をする際は、姿が見える位置から話しかけるようにしましょう!
まとめ
- 発達障害では聴覚過敏という症状が出現しやすい。
- 苦手な音は子供によってそれぞれ違う。
- 対策として、
- 外の音をなるべく遮断する
- 本人が没頭できることを見つけてあげる
- 充分な休息を子供に与える
- 学校や会社などに症状に対する正しい理解を深めてもらう。
発達障害は、脳の働きに特徴があり、自分ではコントロールのしようがありません。
ご家族は発達障害に対して正しい知識を身につけるとともに、自分の子供を他の子供たちと同様に愛情たっぷりと接してあげること。
周囲の人々は発達障害に対して理解を深め、急に大きな声を出したり、怒鳴らないよう配慮してあげることが大切なのではないでしょうか。
発達障害を持つ両親や、その関係者の方々にこの記事が少しでも役に立って頂けたら嬉しいです。
ここまで記事を読んでくださり、ありがとうございました。