皆さんこんにちは!本日も発達障害などに関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させていただきます。

今回のテーマは「発達障害保育士」についてです。

保育士をされている方は、発達障害の園児とのかかわり方や、疑いがある園児との接し方、ご両親への説明に困ることがあるのではないでしょうか。

この記事では、保育士からみた子供の発達障害について解説しています。

発達障害と保育士のかかわり方の正解は一つではない

発達障害とは

発達障害とは、脳の発達が人と違うために発達過程に凹凸が生じる障害のことです。

それによってさまざまな分野で苦手が生じたりします。

これは必ずしも知的に障害があるわけではありません(むしろ特定分野で優れた能力を発揮することもあります)。

脳の発達が人と異なるため、例えば色盲の人は色の見え方が人と異なるように、発達障害の子も本人に見えている世界が違うのです。

2012年に約5万人の児童を対象に行われた国の調査では、6.5%が発達障害の可能性があるとされました。

6.5%という数字は、多いでしょうか、少ないでしょうか。

%で聞くとそうでもないかもしれませんが、15人に1人程度と言われると結構多く聞こえませんか?

発達障害の主な症状

発達障害の主な症状として、「自閉症スペクトラム」「学習障害」「ADHD」があります。

「自閉症スペクトラム」は、他人に共感するのが苦手なことが特徴です。

「学習障害」は、文字を読んだり書いたり、計算したりなど、特定の分野で極端に苦手を抱えてしまいます。

「ADHD」は、注意欠陥多動性障害とも呼ばれ、ずっと座っていられなかったり、忘れ物をしてしまったりが多くなります。

発達障害への対応は、これらを踏まえたうえで行わなければなりません。

併発している場合や障害の程度によって症状は異なるので、かかわり方の正解は一つではないということですね。

詳しい解説は、こちらの記事とそのリンク先をご覧ください。

発達障害は育て方のせい?保育士と発達障害のかかわり方

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青木
発達障害は保育士や両親の子どもとの接し方のせいでなってしまうものなのでしょうか。

発達障害は先天性

発達障害は先天的な障害であり、親や保育士の接し方がどうであろうと症状は出ます。

従って、子供と接していた親や保育士が悪かったということはありません

逆に言えば、接し方で症状が完全に治る、ということもありません。

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大竹
発達障害になったからといって、保育士や親の育て方のせいではないんですね。

発達障害の診断と保育士

発達障害の診断は医師が行いますが、まだ言葉の発達していない子供を診断するので、本人よりも周りの大人からの聞き取りも重要です。

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青木
保育士が診断にかかわることがあるんですね。

発達障害の症状の中には集団行動であらわれるものもあります。

そのような症状は、親が家庭で見ているだけではなかなか気づくことができません。

保育の場での保育士の観察は、発達障害の診断において重要な役割を占めているということですね。

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大竹
発達障害は、親より保育士の方がよく観察できる部分もあるんだね。

子供やご両親とのかかわり方

発達障害への対応

発達障害の症状は上に挙げた通り、人によって大きく異なります。

更にはいくつかの症状を併発している場合もあり、組み合わせによっても症状は変わってきます。

従って、対応の方法も様々であるというわけですね。

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青木
同じ名前の障害なのに症状が違うことなんてあるんですね。
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大竹
毎回決まった対応をすることはできないんだね。

その成長過程の異なりから、発達障害の成長の仕方は「不定形発達」と呼ばれることもあります。

効率の良い教え方が似通っている「定型発達」の園児と違って、その子にあった対応が必要ということです。

発達障害の様々な症状について確認し、どのように対応していくか個別に決めていく必要があります。

例えば、子供が言葉での指示を理解するのが苦手な場合は、カードや絵を使って目で見た情報から次の行動を理解してもらうのが有効な場合もあります。

発達障害と二次障害

発達障害は先天的な障害ですが、これによって子供が不幸な時間を過ごしてしまうと二次障害の可能性もあります。

二次障害とは、発達障害とは別の障害を新たに引き起こしてしまうことです。

例えば、免疫が弱くなる病気にかかってしまって、さらに別の病気を患ってしまうようなものですね。

発達障害の二次障害として、鬱病や不安障害などが生じると言われています。

それだけでなく、不定形発達によって周りとの差を感じると、周囲となじみにくくなったり、自己肯定感を失ってしまったり、物事を諦めたりなど、心の傷が残ってしまうこともあります。

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青木
二次障害なんてものがあるんですね。
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大竹
心に傷を負ってしまうと、その子の後の学校生活にも影響を与えてしまうんだね。

二次障害や子供の心に傷を残さないという意味でも、集団行動における保育士の役割は重要です。

二次障害についてはこちらの記事でも解説しています

二次障害の鬱について解説している動画です。

ご両親とのかかわり方

子どもに発達障害の疑いがあっても、すぐに診断を受けるよう勧めることが正しいとは限りません。

子どもの発達障害が診断できるのは診断ができるのは3歳半ごろからとされており、あまり幼いうちに診断を受けても経過を見ましょうとなることもあります。

また、ご両親としても先天性の障害をすぐには受容できないものです。

発達障害の疑いがあることをわかってもらおうと頑張っても、親御さんにとっては逆効果になることも。

発達障害であると診断を受けることも大事ですが、一番重要なのはどのようにその子に対応するかでしょう。

あくまでご両親を補助するという姿勢でネガティブな伝え方は避け、家での様子を聞いて、園での様子と違うことをやんわり伝えるようにしましょう。

まとめ

発達障害は15人に一人程度の割合でいると言われています。

その症状は多様で、その子にあった対応が必要です。

集団行動のなかでしかあらわれにくい症状もあり、診断の際には保育士の観察も重要となります。

対応によっては二次障害や子供に心の傷が残ってしまうことも。

ご両親との関係では、あくまで補助するという姿勢でやんわりと伝えるようにしましょう。