皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報公開の場所となることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 色彩感覚」についてです。
街には派手な色の看板などがたくさんありますが、皆さんの家には明るい色の家具や飾り物はありますか?
それらは、特有の色彩感覚がある発達障害を持つ人にとって、大きなストレスになっているかもしれません!
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この記事では、周囲がどのような配慮をすれば良いのか、どんな対処法があるかをまとめました。
目次
環境を整えることでストレスを減らせる

発達障害が起こる原因はまだはっきりと解明されていませんが、眼科医の先生の中には発達障害を、視覚情報処理や視覚認知発達の問題と捉えている方もいるようです。視覚情報の中でも色の情報は大きな割合を占めています。
発達障害を持つ場合、色彩感覚に特徴があるために、それがストレスになったり、こだわりを持つようになる傾向があります。
こちらでは、色のこだわりについて紹介しています。
黄色が苦手で茶色が好き?
2016年に発表された研究では、自閉症スペクトラム障害を持つ子はそうでない子と比較して、黄色の好感度が低く、茶色と緑色の好感度が高くなっていました。他の色ではあまり差は見られませんでした。
参照 京都大学HP 「自閉症児は黄色が苦手、そのかわり緑色を好むー発達障害による特異な色彩感覚ー」
この結果について研究者は次のようにコメントしています。
自閉症というと、他人の心が理解できない、あるいは共感能力が乏しい障害といわれていますが、実はそんなことはありません。環境から受け取る刺激が強すぎることが、生活の大きな妨げになっており、色彩もまたその例外でないことに周囲が配慮しなければいけないという事実を理解していただければ幸いです。
京都大学HP 「自閉症児は黄色が苦手、そのかわり緑色を好むー発達障害による特異な色彩感覚ー」

具体的にはどうすれば良い?

ストレス軽減の例
色や光など、視覚からの刺激で困っている方は以下のようなことを実践しているようです。
- 屋外ではサングラス、眼鏡、つば付きの帽子をつける。
- 電車やバスは目を閉じて休む。
- 落ち着いた明るさのお店や場所を調べておく。
- 遮光カーテンをつける。
- 家具をシンプルな色、デザインに統一する。
twitterではこんな方も
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家での対策
外に出るときは様々な刺激が嫌でも入ってくるので、サングラスや眼鏡などは必須みたいですね。

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家でくつろいでいる時には、サングラスなどを着けずに対策したいものですが、どのようなことに気を付ければ良いか考えてみましょう。
先ほど紹介した研究結果では、黄色が苦手という傾向が分かりました。なぜ黄色なのかというと、黄色があらゆる色の中で最も輝度(明るさ)が大きいからです。
また、茶色や緑色を好む傾向があるのは、自然の中に多く存在する色だからではないかと考えられています。

派手な色の家具は極力避けて、自然に存在するような落ち着いた色の家具を使うのが良いでしょう。それに合わせて壁紙や照明なども工夫できるとなお良いですね。発達障害を持つ方の就職支援をする施設では、オフィスの配色をナチュラルテイストのグリーンでまとめているところもあります。
しかし、家具を全部変えるのは大変ですよね。そのような場合は、目に入ってしまう派手な場所は、カーテンや布を被せたりして隠すのが良いです。
色の感じ方は人それぞれ
黄色を苦手とし、茶色と緑色を好む傾向があるという研究結果を基に対策を考えてみましたが、色の感じ方は人それぞれです。下の色覚テストをやってみてください。
このテストをやると自分が見分けやすい色と見分けにくい色があると思います。
コメント欄でも
- 青が苦手
- 緑が苦手
- 赤、黄色系が認識しづらい
- 明るめの色より暗めの色の方が分かりやすい
など、意見が分かれていました。ちなみに私は青が難しく感じました。
このように感じやすい色というのは個人差がありますので、研究結果を参考に刺激を強く感じてしまう色と感じにくい色を調べてみて、家の配色を考えると良いですね。
明るい色、派手な色の家具を自然の優しい色のものに変える。
家具を変えるのが難しい場合は、カーテンや布などを被せて隠す。
色の感覚は個人差があるので、自分に合った色を探す。
役立つアイテム
サングラス
多くの方が利用しているサングラス。偏光機能などがついている高性能のものがあります。
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サングラスには様々な機能のほかに、レンズの色によっても効果が違います。色彩感覚が過敏な方にはグレーや青っぽい色のレンズがおすすめです。
- グレーは全体的に光を抑えてくれるので、色味も軽減してくれます。
- 青は発達障害の方が苦手に感じる傾向のある黄色を抑える効果があります。
色々なメーカーから様々なモデルが出ていますので、価格やデザインなど自分に合ったものが選べます。
例えば以下のような商品があります。
商品概要 | 偏光機能がありとても軽いです。(フレーム約16g) アウトドアなど外での活動が多い方が多く愛用しています。 紫外線も99%カット。 |
価格 | 税込み5,500円(楽天市場 2021年8月11日時点) |
特徴 | レンズの色の種類が豊富で、グレーや青もあります。フレームは着け心地に合わせて3種類から選べます。 |
レビュー | 軽くかけていても違和感なく目が楽になりました。(40代男性) 偏光レンズなのにコスパ良好!ただヒンジ部が弱いのですぐ割れる。(30代男性) ※レンズのある前の部分と耳にかける部分のつなぎ目 |
遮光カーテン
遮光カーテンは外からの強い日差しを抑え、部屋の明るさを調節しやすくしてくれます。色も豊富なので自分に合った色を選ぶことができます。
こちらの遮光カーテンは遮光以外の効果も兼ね備えていて便利ですね。
商品概要 | 高い遮光効果に加えて、遮熱・断熱効果があり、夏は暑さ、冬は寒さを軽減してくれます。 |
価格 | 税込み2,980円(楽天市場 2021年8月11日時点) |
特徴 | 色はグリーン・ミントグリーン・ブラウン・ベージュなど20種類。 丈を調整できるフックとカーテンをまとめられるタッセルを付属。 |
サイズ | 幅100cm×丈120cm 2枚組 幅100cm×丈135cm 2枚組 幅100cm×丈178cm 2枚組 幅100cm×丈190cm 2枚組 幅100cm×丈200cm 2枚組 幅100cm×丈210cm 2枚組 ※窓のサイズに合わせたお仕立てサイズ有。 別価格で最大150cm×丈240cm2枚組で7,500円。 |
レビュー | 薄い色でもしっかり遮光されていて良かったです。(30代女性) ホームセンターなども見ていますが断然しっかりしているのでリピートになってます。(50代女性) |
強い色彩感覚を活かす

ここまで、強い色彩感覚によって生じるストレスについて書いてきました。しかし、本来強い色彩感覚を持つということは、他の人よりも多くの色情報を手に入れることができるということです。
日常生活の中で感じるストレスを軽減し、適度に刺激を受けることでその才能を開花させることも可能です。実際に発達障害と診断され、独特な色彩感覚を持ちながらもそれを活かして活躍する2人を画家を紹介したいと思います。
どちらも個展やコンクールなどで活躍されている方です。
重度の自閉症という診断を受けたGAKUさん。HPを開いた瞬間に独特な色使いを感じ引き込まれます。
自閉症による発達障害と診断を受けた石村嘉成さん。個性的な動物の作品が魅力的です。
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絵を描き始めたきっかけ
実は2人とも絵を描き始めたのは高校生になってからです。
GAKUさんは美術館に行ったとき、石村さんは高校の選択授業で版画や油絵をやったときに絵の世界に入っていきました。それまでは絵の経験などはなかったようです。

色々な経験が大事
高校生になってから才能を開花させた2人に共通していることは、幼いころから家族の方が様々な療育を行っていたことです。
GAKUさんは4歳のころから療育のためにロサンゼルスへ渡り、9年間海外生活をした後、父親である典雅さんが設立した福祉施設に通っていました。
石村さんは日本各地の色んな窓口を訪ねたり、療育センターに通ったりしていました。11歳の時には母親を亡くしてしまいましたが、父親が高校の登下校に付き添うなど献身的なサポートをしました。
嘉成さんのお父様は今でもマネージャーやプロデューサーとして嘉成さんを支えています。こちらのサイトでは、お父様のインタビューが紹介されています。 【きらきらナビ】パパの子育て体験談
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2人のお父様のようにずっと献身的なサポートを続けるのは大変ですよね。現在では、発達障害を持つ子に対する療育を行える場所が増えているので、そういった施設を利用するもの良いですね。
放課後等デイサービスはその一つです。詳しくはこちらをご覧ください。
アップでは運動と学習の両面から療育を行い、子育てのサポートをしています。

まとめ
今回は、発達障害を持つ方の色彩感覚によって感じるストレスとその対策について見ていきました。ポイントは以下の通りです。
- 発達障害を持つ方は、環境から受け取る刺激が強すぎてストレスを感じてしまうため、周囲が配慮することが必要。
- 外出するときは外から入ってくる情報を減らすために、サングラスや帽子を活用すること。
- 家では明るい色の家具を避け、なるべく自然の色のものを使ってシンプルなデザインにすること。ただし、色の感じ方は個人差があるので注意する。
- ストレスを軽減し、外に出て色々な経験を積むことで才能が開花することもある。
現代社会では派手な看板や広告で溢れかえっています。色彩感覚が強い人が対策するだけでなく、社会全体の問題と認識して、様々な人がストレスを感じにくい街づくりを目指していきたいですね。