皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害 お遊戯」についてです。

保育園や幼稚園では、みんなで楽しそうに音楽に合わせて体を動かしてお遊戯してるのを想像しますよね。

しかし、「うちの子も楽しくやっているのかな?」と参観日に見に行ったら、うちの子だけみんなとは違う場所で遊んでいてショックだった。

という経験がある方やそれでお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、そのような子がお遊戯しない理由は何なのか?それは発達障害が原因なのか?を探っていきます。

お遊戯をしない理由は様々

みんながお遊戯している時に一人だけ違うことをしていると、親としては心配ですよね。

そもそもお遊戯って?

お遊戯は、ある程度の長さのある体を動かす遊びのことです。音楽に合わせて身体を動かすものを基本としますが、演劇形式のものも指します。この記事では、小さな子供が集団で行う遊び全般をお遊戯ということにします。

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青木
一人だけみんなと違う行動していると、発達障害とかの問題があるって考えるかも。
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大竹
確かに発達障害の症状の可能性もあるけど、
必ずしもお遊戯しない=発達障害とは限らないよ。

理由を知るためには、まずは子供の話を聞いてあげましょう。

この時、そもそもお遊戯自体をやりたくないのか、本当はやりたいけどうまくできないのかを聞き出すことがポイントです。

聞き方には気を付けて

怒り口調で「なんでみんなとお遊戯しないの!?」と聞いてしまうと、「お遊戯できない僕・私はダメな子なんだ」と子供を傷つけることになります。
焦る気持ちは抑えて優しく聞き出してあげましょう。

理由・原因が分かれば、それぞれに合った対応ができます。

いくつか理由の例と対応について紹介していきます。

発達障害の可能性

お遊戯自体をやりたがらず、他のことでも単独行動が目立つ場合、発達障害の可能性があります。

発達障害の中でも自閉症スペクトラム症候群(ASD)注意欠如・多動症(ADHD)が疑われます。

自閉症スペクトラム症候群(ASD)

ASDの子の特徴としてよく見られるのは、

  • 目を合わせようとしてくれない
  • 呼んでも反応が鈍い
  • 食べ物、遊びなど何かとこだわりが強い
  • 単独行動を好み、人に触れられることを嫌う
  • 要求がある時に言葉を使わず、親の手を引っ張って欲しいものの方へ連れて行こうとする

などです。これらの特徴が複数みられる場合は一度検査をした方が良いでしょう。

ASDの子は、自分が興味を持ったものには強い集中力を発揮するという長所の一方、苦手なものややる気の出ないものは避けるという短所もあります。

この場合、無理にお遊戯に参加させようとすると、暴れだす恐れがあります。

暴れてしまうと周囲の子供がケガをする危険があるので、無理やりやらせるのはやめましょう。

まずは遠くから眺められるようにする等、少しずつ興味を持ってもらうようにしましょう。

ASDであったとしても、昔よりも回復が見込める療育やトレーニング方法が分かっています。

早めの療育や適切なトレーニングを行うことで、症状の改善が期待できます。

自閉症スペクトラム症候群(ASD)の特徴はこちらの記事で詳しく説明しています。

注意欠如・多動症(ADHD)

ADHDの子の特徴としてよく見られるのは、

  • 集中が続きにくい
  • おもちゃをよく失くす
  • 待ったり並んだりするのが苦手
  • 静かにしてと言っても話や遊びを止めない

などです。ADHDの治療は療育の他に、アドレナリンの分泌を抑える薬があります。

専門的な検査をし、適切な治療を行うことでこれらの症状を抑えることができます。

ADHDの多くは成長と共に症状が軽くなりますが、怒られる機会が多いために、自己否定やうつなどの精神的な病気になりやすいです。

それを防ぐためにも親の理解とサポートが必要になってきます。

できないことを叱るよりもできることを探し出し、強みを伸ばす声掛けをするよう心掛けましょう。

また、集中しやすい環境を作るために活動に関係ないものはその都度片付ける。

ルールの確認を毎回一緒に行う。などのサポートを行うことで、失敗を減らすことができます。

ADHDの特徴についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

集団行動に慣れてない

本当はお遊戯をやりたいのに動かない子は、指示が伝わっていなかったり周りに圧倒されていたりすることが考えられます。

指示が伝わりにくい

幼稚園では数十人の園児に対して、先生が一斉に指示を出します。

言葉の理解が遅い子や集団への指示が苦手な子は出遅れてしまい、参加しにくくなってしまいます。

家で話を聞いてみて、子供がお遊戯に参加したいようなら、個別の声掛け、誘導を行ってもらえないか担当の先生にお願いしてみましょう。

指示が聞こえていないことも考えられるので、場合によっては聴力検査などを行う必要もあります。

周りに圧倒されてしまう

集団で行動することに慣れていない子もいます。

家では大人と静かに過ごしていたのに、幼稚園に来ると子供がたくさんいてざわざわしています。

特にお遊戯はみんなで一斉に動くので、いつもより賑やかになります。

この状況に圧倒されて動き出せない子もいます。

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青木
大人でもいきなり周りがざわざわし始めたらビックリして固まることがあるよね。

慣れてくれば自然とみんなの輪の中に入っていけるので、家でお遊戯の練習をしていつでも入れるように準備しておくと良いでしょう。

親の前で緊張してしまう

普段のお遊戯はやっているけど、参観日だから緊張してできなくなってしまった。というパターンもあります。

参観日は普段はいないたくさんの大人に見られます。恥ずかしさや緊張から動けなくなっている子もいます。

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大竹
運動会や演劇発表会で緊張して固まっちゃうこともあるよね。

先生に普段の様子を尋ねてみましょう。

いつもはできているのに参観日などではできなくなってしまう場合は、発達に問題はありません。

優しく見守ってあげましょう。この時に、絶対に子供を叱ってはいけません。

緊張しやすい子は真面目であったり神経質であったりする場合が多いです。

緊張していたことを叱られてしまうと自己嫌悪に陥り、今後、余計に緊張しやすくなってしまいます。

緊張してたのに泣かなかったことやその場に居続けられたことなど、小さなことを褒めてあげてください。

小さな成功体験が少しずつ自身に繋がります。

子供にも考えがある

話が少し逸れますが、私はテニススクールのコーチをやっていた時にこんな子がいました。

キッズクラス(3歳~6歳)を担当している時のことです。テニスの練習は一生懸命やってくれるのに、ウォーミングアップはまったくやらない子がいました。

他が楽しそうに追いかけっこやステップをする中、一人だけ眺めているだけで動こうとしませんでした。

手を引いてあげて一緒にやるとやってくれましたが、自分でやろうとしてくれませんでした。

走るのが苦手なのかな?など色々考えていましたが、

思い切って「どうしてやらないの?」と尋ねると、「疲れるから」と一言。

ウォーミングアップをすると疲れてしまい、テニスができなくなる。という理由です。

子供にもちゃんとした考えがあったのです。

その時、子供にも考えがあるのだから、話を聞いて意見を尊重してあげないといけないということを学びました。

迷ったら相談してみよう

話を戻します。

なぜやらないのか?という理由についていくつか例を見ていきましたが、「発達障害の疑いがあるかも」、「ただ緊張しているだけかもしれないけど、もしかしたら」

と不安が拭えない方もいると思います。

迷ったら相談してみましょう。病院に行くことに抵抗がある方も、自治体の相談窓口や支援センターに相談してみましょう。

自治体への相談では発達障害の検査・診断はできませんが、療育機関や医療機関の紹介、支援員の紹介などをしてくれます。

発達障害の場合、放っておくと症状は悪化していくこともあります。

逆に早めに療育や適切な治療を行うことで、何の問題もなく成長・生活ができる可能性があります。

こちらは全国発達障害支援センター一覧です。

電話対応についてやその他の相談機関についてはこちらにまとめてあるので、参考にしてみて下さい。

家や園で出来る工夫

ここからは、発達障害の可能性が高い場合、家や園でどんなことを工夫すれば良いか考えていきましょう。

家で一緒にやってみる

歌や踊りを家で親や家族と一緒にやってみましょう。

園で行っている曲、踊りと同じものを家で練習することで、園でも同じように踊り始めるかもしれません。

発達障害の子供は変化を嫌います。家でも園と同じ音楽が流れていると、

踊るまではいかなくても、音楽や動きに慣れてストレスを感じにくくなります。

動画サイトには様々種類のお遊戯がありますので、探してみて下さい。

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青木
一人で遊ばせるより親子のコミュニケーションにもなるね。
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大竹
うん。だけど無理矢理一緒にやるんじゃなくて、機会を作るくらいの気持ちで誘ってみた方が良いね。

定期的に休憩させてあげる

何かの活動をしているときは定期的に休憩させてあげましょう。

発達障害の子は体力の配分が苦手なことがあります。

高い集中力を発揮するあまり体力が持たず、他の子供たちが活動している最中に寝転んだり、座り込んだりしてしまうことがあります。

休める場所を設けたり休むタイミングを作ってもらったりできないか、園の先生に相談してみましょう。

他の子との兼ね合いもあるので、特別な措置は難しいかもしれませんが、気にかけてくれるはずです。

小学校への引継ぎも大事

お遊戯をやるのは未就学児までですが、小学校に上がっても、運動会で踊りをやったり学芸会で劇をやったりするので、引継ぎが重要です。

園での様子は園から要録を通じて小学校に引き継がれます。

保育所児童保育要録・幼稚園幼児指導要録

最終年度の一年間の成長や過ごし方、その子の特徴などを書類にまとめた物です。
発達障害がある場合には、配慮すべき点も記載されます。

しかし、文面だけでは中々伝わりにくいものがあります。

伝えたいことは小学校の個人面談などで伝えるようにしましょう。

その時は、園児時代のどんな対応が成功し、どんな対応が失敗したかなど、具体的に伝えられると良いです。

まとめ

今回は、お遊戯しない子の理由やその対応方法について考えていきました。

ポイントは以下の通りです。

  • お遊戯しないからといって必ずしも発達障害であるとは限らない。
  • 他にもASDやADHDの特徴に当てはまる場合は専門家へ相談する。
  • 緊張や周りに圧倒されているなどの理由が考えられるので、まずは子供の話を聞いてあげる。
  • 「発達障害かも?」と少しでも不安になったら専門の機関に相談してみる。早めの療育が改善につながる。
  • 家でやってみて慣れさせてあげる。

子供が小さなうちは専門家でも発達障害を見極めるのが難しいです。

発達障害かそうでないかを決めようとするより、子供と向き合い話を聞くことが大切です。

もちろん、困ったことや相談したいことはある場合は、一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。