皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害の子供の嘘」についてです。子供から出る言葉は信じられない事ばかりで困った事はありませんか?

なぜそんなありもしない事を言うのだろう、なぜこんな嘘つきなのだろう。
それは子供発達障害の特性ゆえの行動かもしれません。それを知らず否定したり叱責したりすると今後の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。

それを防ぐにはできるだけ発達障害の特性を理解しておく事が大事になります。

発達障害の子供は嘘つきではなく、上手に伝えられないだけ

脳の成長が通常と異なる為、物事の捉え方や表現の仕方が独特な事が発達障害の特徴の1つとして挙げられます。相手の思いが良くわからなかったり、記憶の整理が苦手で、3日前に聞いた話を今日聞いたかのように話をする事があります。

嘘つきと誤解されるパターン

普段、支援員として働く私に発達障害の子供が「先生、今日ね、学校に恐竜がきた!」とお話してくれました。私は(今日学校に恐竜がくるイベントはないハズだけどな)と思いながら「そうなんだ、すごいね!恐竜は大きかった?」と聞くと「わかんない!」と即答をしました。同じクラスのお友達に確認すると、先生が恐竜がでてくる絵本を読む際に話を盛り上げる為に「今日はここに恐竜がきました!」とお話をされたようです。その話も三日ほど前の話でした。

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大竹
それを聞いた時、正直「本当に?それは嘘じゃない?」と思いました。
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青木
先生のお話の中で、「恐竜がきた」という言葉がとても記憶に残ったみたい。
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大竹
それをそのまま私に伝えてくれたのですね。

伝え方がわからない

その話を聞いた私からすると嘘ではありますが、彼にとって「恐竜がきた」という言葉を聞いた事は事実であり、嘘ではありませんよね。嘘をついているのではなく、上手に伝える事ができない、ただそれだけなのです。

発達障害の種類と特徴

発達障害は大きく分けてASD(自閉症スペクトラム) 、ADHD(注意欠如多動性障害)、LD(学習障害)の3つの種類に分類されます。特にASDとADHDの子供は表現の仕方が特徴的で相手に嘘をついている、と誤解を与えてしまう事も少なくありません。

ASDとADHDはこの特徴で嘘つきと誤解されやすい

細かい特徴はそれぞれたくさんありますが、ここでは嘘つきと思われてしまう特徴を簡単に説明します。

ASD(自閉症スペクトラム)

独特な表現や捉え方、考え方を持ち、相手の気持ちを汲み取ることが苦手。

ADHD(注意欠如多動性障害)

落ち着きがなく、記憶を上手に整理することが難しい。物事の順序立てが苦手。

が挙げられます。発達障害の理解を深め、より良い関わり方をする事で、子供も少しずつ正しい伝え方を習得していきます。「できない」のではなく、「伝え方がわからない」ので、ゆっくり教えてあげましょう。ペースは個人差はありますが、着実に上手になってきます。そうなるといつの日か、「嘘ばかりつく」という悩みも減っていくと思います。

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青木
物事の捉え方や忘れっぽいという特徴が誤解されやすいのですね。

ではどのように関わればいいの?

発達障害は病気ではないので特効薬たるものはありません。毎日の関わりで少しずつ表現の仕方を教えてあげることがとても重要になります。大事な事は、明らかな嘘と分かっていても「そんな事ないでしょ」「本当はどういう事なの」などの否定や叱責から入らない事です。

まずは話を聞き入れる

子供からすると「嘘なんてついていないのになぜ怒られるのだろう」という思いになります。まずはその話を一度「へぇそうなんだね、そう思ったんだね」などと肯定的に受け入れてあげてください。

その後から「本当はこうだったんじゃない?こういう風に言うとわかりやすいよ」などと事実確認をしながら表現の仕方を伝えていきます。一緒に振り返りをする事で子供自身が「あ、そういえばそうだった」「本当はそう伝えたかった」と気付く事が多くあります。伝え方がわからないだけで、頭ではわかっている事が多いので表現の仕方を教えてあげましょう。

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大竹
実は内容を理解している事も多く、一緒に振り返りをすると自分が間違って伝えていた事に気が付くこともあります。

こういう関わりを繰り返し行うことで少しずつ伝え方が上手になってきます。日々忙しい親にとってしっかり向き合えない事もあるかと思いますが、その一回一回の積み重ねが子供にとってとても大事になります。

ここで関わり方を誤ってしまうと、自尊心が低くなり、大人になってからも人に自分の思いを伝える事に対して苦手意識や恐怖心を抱いてしまい、人間関係にとても悩まされる事になるかもしれません。

2次障害を引き起こすことも

それが原因で引きこもりになってしまったり、うつ病を発症してしまったりと、2次的障害に悩まされてしまう事も多くあります。忙しかったりイライラする日もあると思いますが、子供が大人になって生きやすくしてあげる為に、丁寧な対応を心がけましょう。

怒ってばかりいると

話をする事に対してトラウマになってしまったり、怒られない為に嘘をつくという癖もついてしまう事も・・・。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は発達障害の子供の嘘とその関わり方についてお話させていただきました。まとめると

  • 発達障害の子供は嘘をついているのではなく、正しい伝え方がわからない
  • ASDとADHDは嘘つきと誤解されるやすい
  • 嘘に対していきなり否定したり叱責したりせず、まずは話を聞き入れてそこから一緒に事実確認をしていく
  • 毎日の関わりの積み重ねが大切である

という事です。今は大変かもしれませんがゆっくり子供の成長を見守っていきましょう。それでは最後まで見ていただいてありがとうございました。