皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害 好きな色」についてです。

発達障害、特にASD(自閉スペクトラム症)を持つ人のなかには、好きな色にある傾向があることがわかっているんですよ。

今日の記事では発達障害を持つ人が好きな色とその理由について、また、生活環境でできる工夫についてお伝えしていきますね。

この記事を読むことで、発達障害を持つ人がのびのびと能力を発揮できる環境づくりのヒントになれば幸いです。

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青木
ほんのちょっとした工夫で日々が快適に過ごせるようになることもありますよ!
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大竹
感覚過敏とその対策や、色の持つ特徴についても一緒にみていきましょう♪

発達障害を持つ人の好きな色は「緑色」などの落ち着く色

ASD(自閉スペクトラム症)をもつ子どもは定型発達の子どもと比べて黄色が苦手で緑色が好きということをご存知ですか?

2016年の京都大学霊長類研究所の正高信男教授とフランス・レンヌ第一大学のマリン・グランドジョージ講師の合同研究で、ASDを持つ子どもと定型発達の子どもでは色への好感度に違いがあることがあきらかにされました。

この研究は、赤・青・緑・黄・茶・ピンクの6色への好感度を、ASDのある子どもと定型発達の子どもで比較したものです。

定型発達の子どもも、ASDを持つ子どもも、赤と青は同じくらい大好きだったのですが、黄色・緑色・茶色への好感度には大きな差が出ました。

ASDを持つ子供は、定型発達の子供には好まれる黄色が苦手な傾向があり、

反対に、定型発達の子どもにはあまり好まれない、緑色や茶色の落ち着いた色を好むことがわかったのです。

また、自閉症者(成人男性)を対象にした2014年の日本福祉大学の研究「自閉症者の描画における色彩傾向」でも、青、 緑、赤、水色、茶色の順に色の使用頻度が高い結果となってます。

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青木
リラックスタイムを過ごす部屋のインテリアや、学校・職場・施設など、生活環境を考える時の参考にできそうです。
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大竹
大人になったあとも緑色や茶色が好まれる傾向はあるようですね。
ASDを持つ子どもが好む色と特徴

緑色▶︎心を落ち着かせ、目を休めて、ストレスを減少させる色
茶色▶︎安心感や安定感を感じ、心身をリラックスさせる色

☆ポイントは、色の「明るさ」と「光の反射率(輝き)」が控えめな色。

発達障害を持つ人の苦手な色は「黄色」などの眩しい色

黄色が苦手で緑色が好きな傾向のあるASDを持つ子供たちですが、

その理由は、ASDを持つ子どもたちの感覚の過敏性にあります。

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青木
ASDを持つすべての子どもが感覚過敏なのではありません。
また、感覚過敏があるからASDだということでもありませんよ。

感覚過敏とは、次の項目で詳しく説明しますが、簡単に説明すると五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のうちのいずれか、または複数が極端に敏感なことをいいます。

感覚過敏のある人は、その五感の敏感さによって日頃から疲労しやすいため、黄色のような光をよく反射する明るい色の刺激に苦手意識を持ってしまうのです。

また、視覚過敏だと、実際にとても眩しく感じてしまいます。

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大竹
黄色は子どもの持ち物などにもよくありますし、広告や商品のパッケージ、工事現場やネオンの色など街のいたるところで使われていますよね。
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青木
ASDを持つ子どもは視覚やその他の感覚の過敏性によって黄色やコントラストの強い配色などにストレスを感じやすく、集中や生活の妨げになる可能性がありますので気をつけたいですね。
ASDを持つ子どもが苦手な色と特徴

黄色▶︎元気の出るビタミンカラーだが、光の反射率が高い色で目が疲れやすく、感情が高ぶる色でもあり、感覚過敏のない人でも長時間見ると疲れる。

☆ポイントは、色の「明るさ」と「光の反射率」と「組み合わせ」。
明るい黄色やピンク、パステルカラーなど、白に近く光を反射しやすい色はまぶしく感じやすい。また、コントラストの強い色の組み合わせにも疲れやすい傾向がある。

「視覚過敏」や「こだわり」が色の好みに影響する

発達障害、とくにASDを持つ人に多い感覚過敏とは一体どんなものなのでしょうか。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のいずれか、 または複数に過敏性があり、その症状や程度は様々です。

感覚過敏とは、そういった五感に入ってくる感覚情報に脳が過剰に反応している状態のことです。

また、感覚過敏によって、刺激を避けるような行動を示すことを感覚回避といいます。

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青木
感覚過敏は気合いや根性でどうにかなるものではなく、苦手な刺激に多く触れることでより苦手になってしまいます。
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大竹
大切なのは、回避できるものは回避し、どうしても必要性のある場面では工夫して苦痛を軽減することです。

▼感覚過敏を持つ子どもの日常を疑似体験できるYouTube動画です。参考にしてみてください。

またこの反対に、感覚情報への反応が鈍い感覚鈍麻と、感覚鈍麻によって繰り返し刺激を求めたり、より強い刺激を求めるような行動を示す感覚探求もあります。

そして、ASDを持つ人の色の好みや選択には、感覚過敏だけではなく、ASDの特性のひとつであるこだわりが影響している場合もあります

特定の色にこだわり、その色の看板のお店にしか入らない、その色の食べ物しか食べない、色の並び順にこだわりを見せるなど、こだわりの内容はさまざまなようです。

▼ASDの特性のひとつであるこだわりについて、またASDを持つ人のこだわりがどんな感情や思考の過程から生まれているのかを解説しているYouTube動画です。

色彩やグッズでひと工夫!心地よい環境づくり

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青木
発達障害を持つ人は環境さえ整えば、高い集中力や創造性を発揮する人も多いので、ぜひ工夫できるところを探してみてください!
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大竹
自分に合った方法を見つけてくださいね。周囲の理解も大切です。

学校や職場では

デスクにパーテーションをつけたりボックスをつくる、照明のきつくない席にしてもらう、遮光性のある眼鏡をかける、カラーノートを使用する、疲れた時用にクールダウンできる方法や場所を見つけておく、回復グッズを持っていく、学校や職場に理解を求める、などの工夫ができます。

▼学校や職場におすすめなアイテムをご紹介します。

商品名アックスコーポレーション グリーンノート B5 B罫 30枚 5冊パック
価格1,498円 (税込) 送料無料
商品の特徴緑色の紙で白色より光の反射が少なく、目への負担が少ない目に優しいノート。

【サイズ】セミB5(179×252mm)
【罫内容】6mm(B罫) 35行/
【綴じ枚数】30枚
【仕様】無線綴じノート
【入数】5冊
おすすめポイント一般的な白色の紙と比べ光の反射を14%カット。
視覚過敏の症状のある方、また、そういった症状の無い方も、目が疲れにくくおすすめです。
2022年2月15日現在 楽天市場より抜粋
商品名大栗紙工 mahora(まほら) B5ノート ラベンダー 5冊パック
価格1,832円 (税込) 送料無料
商品の特徴心地よく使いやすいノートをコンセプトに中紙には、反射によるチラつき・まぶしさをおさえた国産の色上質紙を使用しています。

【サイズ】セミB5(W:179×H:252mm)
【行数】25行
【枚数】30枚
【罫線】あみかけ横罫(罫幅 8.5mm)
【入数】5冊
おすすめポイントうす紫色の中紙に、あみかけの帯が8.5mm間隔で入っています。この帯によって、文字を書くときに行をはっきりと識別できます。
2022年2月15日現在 楽天市場より抜粋
商品名キングジム パーソナルパーティション ハイタイプ 高さ450mm 8020 ライトグレー
価格1,520円 (税込) 送料590円
商品の特徴幅を自由に調整できるパーティション。
使いやすい幅、奥行きを自分で調整することができます。

最大寸法:約W1,092×H450×D3mm
折りたたみ時:約W220×H450×D30mm
おすすめポイントしっかりと目線を遮り、集中できるスペースを確保できます。折りたたむことができ、持ち運べます。
2022年2月15日現在 楽天市場より抜粋

▼遮光メガネのレンズについてはこちらのページを参考にしてみてください。

自宅では

学校や職場で消耗や疲労しやすい分、自宅では光や色調を調節できる照明を取り入れたり、インテリアの色数を減らし、色調を工夫するなど、リラックスできる空間づくりを心がけ、しっかり休養・回復できるように工夫することができます。緑色や茶色が好きであれば、観葉植物を置くのもおすすめです。

▼自宅におすすめなアイテムをご紹介します。

商品名調光調色 LEDシーリングライト
価格2,780円 (税込) 送料無料
商品の特徴無段階調光調色、様々なシーンやお好みに合わせて灯りを調節できます。

種類:昼光色・電球色・調光調色(リモコン付き)
サイズ:Φ260 x 80mm
色温度:【昼光色】5700K-7100K /【電球色】2800K-3200K
おすすめポイント無段階調光調色のほかにも、常夜灯機能、お休みタイマー機能、メモリ機能がついています。
2022年2月15日現在 楽天市場より抜粋

【実際に使われた方のレビュー】

調光調色出来るものが欲しくて購入。

特に子供部屋は気分によって、ゲーム、勉強、、、

リモコン一個で自由に変えられるので便利です。

ナイトライトが少し暗いかな?

ほかの子供部屋もこれに買い替えます!

引用:楽天市場

こだわりがある場合

思いきり、好きなだけこだわれる場をつくることで、重要な場面では切り替えることができる場合があります。オンとオフの切り替えと、事前準備、事前の説明・確認・見通しをしっかり行うことで、完全にはなくなりませんが緩和することがあります。

▼こだわりへのサポートについてはこちらの記事でもご紹介しています。参考にしてみてください。

その他

体調も重要で、体調の良い時には過敏性が出にくくなりますので、日々の食事や健康管理も工夫できそうです。学校や職場の行き帰りに、自分の落ち着くスポットに寄ってリフレッシュするなども有効です。

▼発達障害児の子育てアイテムが紹介されている動画です。ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

今日は発達障害をもつ人が好きな色と苦手な色、そしてその理由と対策についてお伝えしました。

発達障害や感覚過敏のある人は、緑色や茶色などの落ち着いた色を好む傾向があります。その反対に苦手な色は、黄色に代表される眩しく感じる色や刺激の強い色です。

そうした色の好みには、発達障害、とくにASD(自閉スペクトラム症)を持つ人に比較的よくみられる感覚過敏やこだわりが影響していることがわかっています。

視覚過敏やこだわりは無くすことはできませんし、無理は禁物です。しかし、それらによって生じるストレスや困難は、ちょっとした工夫や環境の調整によって軽減することもあります。

また発達障害(神経発達症)は個性の延長であり、その個性や能力は環境づくりによって生かすことができます。

自分にとってストレスの少ない心地よい環境を、日々少しづつ見つけていきたいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。