広汎性発達障害の原因とは?

広汎性発達障害の原因について、現段階では正確に解明されていません。
しかし、脳機能の障害により症状が引き起こされるとされています。

脳機能障害は、先天的な遺伝要因と、様々な環境要因が複雑に影響を及ぼしあって発現するとされています。
この説が主流になるまでは、親のしつけや愛情不足などの子育ての仕方が発達障害を引き起こしていると言われていました。

しかし現在このような説は、医学的に否定されています。

広汎性発達障害に含まれる書く症状の原因は、次の通りです。
どの症状も正確な原因は解明されていませんが、各症状における原因は次のように議論されています。

アスペルガー症候群の原因

アスペルガー症候群は、自閉症と同様に、脳の機能障害である可能性が高いとされています。
しかし、現在その全てが解明されているわけではありません。

小脳や脳内物質の異常、環境ホルモンやウイルス感染、成長環境での心理的要因などに関する研究が、今も続けられています。
アスペルガー症候群の原因については、現段階では医学的な裏付けを研究しているフェーズにあります。

レット障害(レット症候群)の原因

そのほとんどが女児に見られる発達障害であるレット障害(レット症候群)は、X染色体上に存在する遺伝子の突然変異が原因とされていました。
しかし、1999年にMECP2というい遺伝子が主な原因遺伝子であると発見され、その後も2004年にCDKL5、2008年にFOXG1という原因遺伝子が発見されています。
男児に見られる場合もあるものの、そのほとんどは遺伝子異常により死産や流産をしてしまうとされています。

自閉症の原因

脳の機能障害が原因と考えられる自閉症は、複数の遺伝子と環境要因が関わっているとされています。
最近では父親の高齢化で自閉症の確率が高くなるという研究報告や、妊娠時の体内環境の要因が関係するという説もあります。
しかし、これら全てにおいて未だはっきりとメカニズムが判明しているわけではなく、医学的根拠については解明されていません。

小児期崩壊性障害の原因

ヘラー症候群とも呼ばれる小児期崩壊性障害(CDD)の原因も、現段階では解明されていません。
小児期崩壊性障害(CDD)とは、子どもが急に言葉を話さなくなるなど、精神発達の退行が見られる障害です。

脳や神経系の感染症の発現後に小児期崩壊性障害となるケースも少なくありません。
様々な疾患と関連があると考えられており、その一例として脂質代謝異常や結節性硬化症などが挙げられます。

特定不能の広汎性発達障害の原因

特定不能の広汎性発達障害の原因は不明とされています。
ですが、一部では遺伝要因と環境要因による相互作用が原因であるとの見方もあります。

自閉症やアスペルガー症候群の診断基準には該当しないものの、その特徴の一部を持っているという場合に診断されることの多い診断カテゴリーで、症状や障害の出方や重さには大きく個人差があります。
そのため、原因も同じように、全ての人に同じものが該当するわけではないと考えられています。