ADHDとアスペルガー症候群の違いとは

ADHDとアスペルガー症候群に見られる違いを場面別に分けてまとめます。

対人関係

ADHD

遅刻や凡ミスによって物事を忘れることが多く、人を怒らせることが多々あります。
ただ、アスペルガー症候群とは違い、他人の気持ちを汲み取ることはできます。
しかし、人と上手にコミュニケーションを取りたくても、衝動性が抑えられず、相手が話している最中に被せて話してしまうことがあります。

アスペルガー症候群

他人の気持ちを読み取ることが困難で、失礼な言動をして怒らせることがあります。
会話の細かいニュアンスや間を読み取れず、コミュニケーションをとることが苦手で対人関係に難が生じます。

集中力

ADHD

限定された興味のある物事に対して過度に集中することがありますが、不注意の症状がある場合は集中力を持続するのが困難です。

アスペルガー症候群

興味のあることや好きなことに対するこだわりが強く、何時間でも集中して作業することがあります。
同じ行動を繰り返し行うことで安心感を感じている人も多く、好きなものや規則性のあるものについては、特に高い集中力を見せます。

整理整頓

ADHD

整理整頓が苦手で、忘れ物が多い傾向にあります。
注意力散漫になることも多く、作業を途中で中断してしまったり、片付けられないことも多いです。

アスペルガー症候群

ものに対し強い執着を持つことがあり、何かを捨てることを極端に嫌がることがあります。
散らかっているようにしか見えない部屋でも、本人の中では規則性が存在し、何がどこにあるかは理解していることが多いです。

計画的立てて行動する

ADHD

計画立てて物事を行うことが苦手で、衝動的な行動を起こしてしまいがちなためスケジュール通りに進めることが困難です。

アスペルガー症候群

優先順位を考え、他者の意向を組みながら計画を立てることは苦手です。
しかし、規則性を好むことから、計画的に行動を行うことは得意です。
ただ、急な予定変更に対応することは難しいと感じる人が大半です。

仕事

ADHD

不注意や衝動性の症状によるケアレスミスが多く、仕事を先送りにして締め切りに間に合わないことがあります。
計画的なタスク管理や、同じ作業を続けることが苦手です。

アスペルガー症候群

作業の中の一部分にこだわりを持ち、それに熱中することで他のことに手をつけられなくなることがあります。
また、他人の感情や言葉のニュアンスを読み取ることが難しく、場の空気が読めなかったり暗黙の了解を理解できずに困ることもあります。
物事に優先順位をつけられず、一度に複数のタスクをこなすのが困難です。

運動

ADHD

人によって個人差はあるものの、運動に関して特に苦手ということはありません。

アスペルガー症候群

体をうまく動かしたり、手先を使って細かい動きをすることが苦手な人が多いです。
人とのコミュニケーションに困難を感じることも多く、チームスポーツに苦手意識を持つ人もいます。

感覚の異常

ADHD

感覚に対するこだわりは、アスペルガー症候群に比べて少ない傾向にあります。
ただ、合併症状がある場合もあります。

アスペルガー症候群

五感のうちの何かが非常に敏感な「感覚過敏」が多く見られます。
感覚に対して強いこだわりがある人もいます。