皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害4歳」についてです。

「3歳児健診で異常なく安心していたのに、4歳ごろから急に暴れたりこだわりが強まったりしてやっぱり発達障害かも…。」

そのように思っている方はいらっしゃいませんか?

実は発達障害以外に、定型発達の段階としてもそのような大変な時期があるようです。

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大竹
わが子が急に手を焼くようになると、最近聞く発達障害をつい疑ってしまいますね。
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青木
少しでも不安を減らせるように、今回は定型発達の4歳児に起こりやすい事柄ををお伝えしていこうと思います。

発達障害ではなく『4歳の壁』の可能性もある

子どもの成長の過程には、発達段階ごとの特徴があり、各段階では様々な課題が現れます。その課題を教育界などでは『壁』と表現しているようです。

文部科学省からも、発達に応じた課題に対して適切に対応することが重要だといわれています。下記をご参照ください。

現代の子どもたちをめぐる社会環境も考慮し、子どもの発達やその課題を踏まえた適切な対応と支援を、従来より一層、行っていくことが、重要である。

引用元:文部科学省

そして4歳ごろにもこの『壁』の時期があり、多くの変化から子育てに戸惑いと疲れを感じてしまうご両親がおられます。

発達障害だと疑われることもありますので、まずは4歳児の特徴からお伝えしましょう。

4歳児の発達の特徴とは

4歳ごろになると大脳の発達が進むため、以前に比べると物事に対して複雑な考えができるようになり、同時に高い運動能力が身に付く時期でもあります。

成長の過程は個人差が大きくあるため、当てはまらないからといって異常なことではありません。

4歳児の精神・認知面の発達

理解力や認知能力も高まるため、想像力や言語面が大きく成長していきます。記憶力もよくなり、さらに吸収しようと「なんで?」「どうして?」と質問することも増えるでしょう。

ルールの把握もできるようになり、自制心が作られてくる時期でもあります。

  • 分かる言葉が増えておしゃべりが増える
  • 想像のお話をするようになる
  • 過去、現在、未来など簡単な時系列が理解できる
  • 人の立場にたって考えられるようになる
  • 善悪の理解やルールを守る意味を理解できる

などのより深い考え方ができ理解力が身に付く時期だといえます。

4歳児の身体面の発達

身体面としても高い運動能力が身に付く時期であり、より複雑で活発に動き回るようになるでしょう。大きな動きだけでなく、手先も器用になり道具の使い方も上手になっていきます。

  • ケンケンやでんぐり返しができる
  • 歩きや走りのスピードをコントロールできる
  • ボタンのつけ外しができる
  • ハサミを使って切り取ることができる  など

4歳児の生活面の発達

身体面や認知面の発達に伴って、生活面でも様々な事が一人でできるようになります。

  • 自分で着替えられる
  • おもちゃなどの後片付けができる
  • トイレの始末ができる など

もちろん個人差は大きくありますので、お手伝いが必要な場合も多くありますが、少しずつできることが増えていく時期といえるでしょう。

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大竹
発達の特徴としては、理解力や運動能力も高まっていくようで、特に『壁』になるようなことはなさそうですけど…。
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青木
人が大きく成長していくタイミングには、本人にも戸惑いが生まれ、心が不安定になってしまうことがあります。

『4歳の壁』が発達障害と間違われる理由

成長というのは突然なにもかも理解でき、身体も強くなるわけではありません。

徐々に理解できるようになり、少しずつ覚えていき、毎日の試行錯誤や葛藤などの積み重ねが成長につながっていくのです。

4歳ごろの成長はたくさんの物事を理解しようとしていくため、そのぶんのたくさんの葛藤が生まれてしまいます。

その葛藤がいろいろな形で表現されるため、本人だけでなくご両親も悩むことになってしまうようです。

4歳児の反抗期

自分の思いや考えが生まれてくる半面、完全にはそれを表現できない状態でもあります。

自分を理解してもらえていないと感じるとイライラしてしまい、乱暴することやカンシャクを起こすなどの反抗的な態度で表現するしかありません。

そのため、イヤイヤ期に戻ってしまったように感じてしまうこともあるでしょう。ご両親の言葉を理解している分、反抗も強くなり指示が通らなくなります。これが4歳児の反抗期です。

イヤイヤ期

自我の芽生えと共に、自分の意思として否定的な態度をとる時期のことをいいます。生後6ヶ月~1歳半ごろから始まり、2歳でピークを迎えるため「魔の2歳」とも言われ、3歳ごろから徐々に落ち着くことが多いようです。

特徴的な例を次にあげます。

  • 赤ちゃん返り
  • 気に入らない事があると暴れる、泣き出す
  • 指示を聞かず、無視や反抗をする
  • 注意しても同じことを繰り返す
  • 気分がコロコロ変わる
  • 悪い言葉を使う
  • こだわりが強くなる など

これらの特徴が現れ、子育てが困難になるために発達障害ではないかと思われることがあるようです

発達障害でなくとも大変な4歳児の対応方法

発達障害でなくとも、4歳児の反抗期はとても対応に苦労されると思います。

https://twitter.com/ninicoto/status/1090624855689461761

こちらの方のように、分かっていても辛い部分はどうしてもあると思いますので、少しでも楽になるようにいくつかの対応方法をご紹介いたしましょう。

きちんと理由を聞く

特に男の子に多くありますが、危険な行動が増える傾向にあります。

親としては「危ないからやめなさい」とすぐに叱りたくなることもあるでしょう。しかし、子どもとしては好奇心を満たすための行動であり、怒られる理由が分からず不満に思う可能性があります。

そこで危険から離した後に、なぜ危ないことをしたのかを聞くようにして、どうすれば良いか子どもに確認するようにしましょう。

叱り方や注意の方法

頭ごなしに叱らない

毎日の生活に追われていると、余裕がなくイライラしてつい感情的になってしまうことはあると思います。

4歳にもなると、言葉も多く話せるようになり、分かってくれているものと思いがちです。しかし、まだまだ理解力も表現力も発達途中ということを忘れないようにしましょう。

本人も成長に戸惑っている最中ですので、感情的にならないように叱ることがとても重要です。

目線を合わせるように

特に反抗的な態度をとる子どもは、自分を理解してもらえないと心を閉ざしている傾向があります。

できるだけ理解しようとする姿勢を見せるためにも、目線を合わせて話す速さなども子どもに合わせるようにして気持ちを聞き出すようにしましょう。

危険でなければ見守ることも必要

大人は予測が容易にできますので、ついつい先を見て危ないと思うときはすぐに注意してしまいがちです。

しかし、子どもはその危険を予測する力を身に着けている段階ですので、本当に危ない状況でなければ見守ることも時には必要なことだといえます。

多少の危険やわずかな怪我は、成長のためには必要な時もありますし、子どもは危険と思っていないことを注意されても理解できません。

その場ですぐ注意する

外出中に子どもが悪いことや危険なことをした場合は、人の目もあるため注意をあとからすることがあると思います。

しかし、できる限りその場ですぐに対応するようにしましょう。理由としては、子どもはあとから言われても理解ができず反省できないからです。

また、外では叱られないという負の学習をしてしまう可能性もあるため注意しましょう。

質問に対してはできる限り答える

この時期は好奇心旺盛になり、何に対しても「なんで?」「どうして?」と質問をする傾向にあります。

忙しくて対応が出来ない時もあるでしょうから、そういう時は後から質問に答えてあげるようにしましょう。

甘えは受け入れる

反抗だけでなく逆に甘えが強まることもあるのが特徴です。自立に向けて挑戦と挫折を繰り返し、甘えたくなることもあるからでしょう。

安心して甘えることができる環境が、挑戦し成長することにつながっていきますので、時にはしっかり甘えに応える事も必要です。

成長中だと割り切る

成長中にはこういう時期もあると割り切る事も大切です。あれこれ目に付くことや、子どもの気分の変化に振り回されることもあるでしょう。

頑張りすぎると「いつまで続くのか」「なんで分からないんだ」とストレスが溜まると思いますので、適度に子育ての手を抜いて適当に過ごすことも時には大切になります。

しかし、分かっていても辛い時はあるとは思いますので、困ったときや悩んだときは相談をしてみましょう

  • 子育て支援センター
  • 児童相談所 など

子育て支援センターは『地域名 子育て支援センター』で検索、もしくは市町村に確認すると教えてもらえます。

児童相談所はこちらからも調べる事ができますのでご利用ください。→厚生労働省:全国児童相談所一覧

発達障害と『4歳の壁』の違い

発達障害は先天的に脳の一部に異常があり、能力に偏りがある状態をいいます。

  • 自閉症スペクトラム(ASD)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

大きくは上記の3つに分けることができ、基本的には知的障害を伴わないといわれていますが、それぞれが併発している場合もあるため診断すること自体が困難です。

つまり、発達障害は先天的な脳の異常であり完治する方法はありません。しかし、4歳の壁は発達の段階で一時的なものであり、成長のために必要なことだといえます。

主に3歳ごろから検査対象となり、3歳児健診で発見されることもあるようですので詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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大竹
発達障害と4歳の壁の違いは分かりましたが、やはり判断するのは難しそうですね。
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青木
反抗期が激しい場合はより判断が困難になるでしょう。心配な時は専門家に相談することをおすすめします。

発達障害についての相談先

発達障害はとても複雑な症状があるため、3歳児健診でも見つけることができない場合があります。

また、3歳から発達障害の検査が対象になるというだけで必ず3歳で発見できるというものではありません。

3歳以降に症状が強まり発見につながる可能性はありますので、心配な方は次の場所に相談してみてはいかがでしょうか。

電話での相談も行われておりますので、1人で悩み込まずに話だけでもしてみましょう。

発達障害の支援

発達障害と診断がでた場合は、医療・教育・福祉の面でさまざまな発達支援が受けられるようになります。

代表的なものに放課後等デイサービスというものがありますので、こちらも合わせてご覧ください。

まとめ

今回は発達障害かもしれないと勘違いされることもある『4歳の壁』についてご説明してきました。

人は発達の段階でさまざまな心の葛藤がうまれてくるもので、それを支えるご両親も一緒に大変な思いをすることもあるようです。

子育ての悩みや発達障害については、1人で悩んでいても解決しない場合が多くありますので、困ったときはぜひ相談機関の利用をして皆で子どもの成長を促していきましょう。