皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「幼児期から小学生におけるアスペルガー症候群」についてです。
幼児期ともなれば自我に目覚め、小学生になれば成長著しく大事な時期にアスペルガー症候群の症状が出たらどう対処すればいいのでしょうか?
今回は幼児期および小学生の時期に見られるアスペルガー症候群の症状を解説します。
目次
アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は知的障害を伴わない自閉症であり、現在は発達障害の一つである「自閉スペクトラム症」に括られています。別名は「高機能自閉症」です。
主に以下の特徴を備えていますが、人により程度が異なります。
- こだわりが強く、同一の動作や言葉、文字を使いがち
- 予定外のことが起きると対処しきれない
- あいまいな事柄が苦手
- 感覚が敏感もしくは鈍感
- 他者とのコミュニケーションが取りづらく、一人になりがち
- 知的障害を伴わない
幼児(2歳〜小学校就学)

幼児期といえば、言葉を覚えて会話ができるようになる時期です。
乳幼児期に比べ症状が現れやすくなるため、アスペルガー症候群の判別がつきやすくなります。
本項では幼児期に見られる症状を見ていきましょう。
表情を読み取ることが困難
幼児期の子どもは、場の空気を読めずに行動したり、保護者の表情から怒っていることを読み取れないことがあります。
子どもによっては言葉ではっきりと注意されるまで、自分が怒られていることを理解できません。
繰り返し説明するまで理解できない
一般的に幼児は何度か同じ行動を繰り返すことによって、「してはいけないこと」と「言われなくてもわかること」を理解して、そのストックを増やしていきます。
しかしアスペルガー症候群の幼児の場合、その都度説明しないと理解できない傾向にあります。
指示内容も、具体的なものでないといけません。
さらに注意された内容をそのまま受け取ることはできても、注意内容から先を応用して考えることが苦手です。
繰り返し注意されたことについて理解できても、少し環境が変化するだけで混乱してしまいます。
集団行動を嫌がる
幼児期の子どもは、他の子どもと遊ぶことを覚え、自然に他人との関わりを持とうとします。
他人に興味を持って輪に入ろうとすることもあるでしょう。
しかしアスペルガー症候群の幼児は、同年代の子どもの輪に入って一緒に遊ぼうとしない傾向にあります。
アスペルガー症候群でなくても、性格の問題で輪に入れない幼児もいますが、人間関係を上手に築けないという特性は、アスペルガー症候群の一つの特徴です。
小学生(6歳〜12歳)

小学生になると、本格的に集団行動が始まります。
アスペルガー症候群の子どもはそれに伴い、集団行動の中で過ごしづらさを感じる場面も増えます。
周囲の理解、手助けが必要になる時期なので、保護者をはじめとする周りの大人は、具体的な対応策を考えましょう。
規則や法則にこだわる
学校で定められた時間割など、一定の規則を守ることが得意なのも、アスペルガー症候群の特性の一つです。
すでに決められていることや法則性があることにこだわり、従って行動できます。
しかし臨時で時間割が変更になったり、ルーティーンが変わってしまうと慌ててしまい、予定変更についていけない可能性があります。
協調性を持つことができない
小学生になると、特定の友人と長い時間を過ごすことも多くなります。
しかしアスペルガー症候群の子どもは、周囲の人の気持ちを理解することや空気を読むことが困難です。
自分のルールにこだわり場違いな発言をして、友達の輪を乱してしまうこともあります。
学習面での困難
アスペルガー症候群は、知的発達に問題が見られないため、学習面での困難は見つかりにくいとされています。
しかし、興味や関心の幅が狭く、特定のものに執着するという特性から、一つの科目だけずば抜けて得意な反面、他の科目はかなり苦手という極端なケースが多く見られます。
アスペルガー症候群に加えて学習障害(LD)もある場合、聞く・読む・書く・計算する・推論するなどの能力を実行すること、学ぶことに困難を感じやすくなります。
学習障害については別記事を用意していますので、併せてご覧ください。
原因と対策

アスペルガー症候群の症状が現れる原因は、先天的な脳の機能不全といわれています。
現代の医学でも解明できていません。
ですから「親の育て方が悪い」というのは的外れな言い分です。
現在アスペルガー症候群に効く特効薬はありません。
一人ずつ症状が異なるため、家族以外では医師やカウンセラーが本人の症状に合わせて療育や手助けを担います。
相談先は以下を参考にしてください。
- 発達障害者支援センター
- 放課後等デイサービス
- 児童精神科など
まとめ
今回は幼児期~小学生で現れやすいアスペルガー症候群の症状について解説しました。
幼児期から小学生の頃は周囲の子と徐々に違いが出始める時期であり、保護者の苦労が一層大きくなります。
しかしながら、お子さんの症状が軽減するか否かの分かれ道になりやすいため、真剣に対応していただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。