アスペルガー症候群の主な症状とは?

アスペルガー症候群の3つの症状は、大まかに分けると次の通りです。
一つ一つ見ていきましょう。

コミュニケーションの障害

表面上は問題なく会話できているように見えても、会話の「間」を読むことができなかったり、裏に隠された思考を読み解くことができないことがあります。
明確に言葉にしてもらうまで理解をすることが難しく、比喩表現を鵜呑みにしてしまったり言葉を勘違いしてしまうことで、傷つきやすい一面が見られます。
冗談がわからずひどく落ち込んでしまうこともあるでしょう。

対人関係の障害

場の空気を読むことが難しく、相手の気持ちを理解して寄り添う言動が難しい傾向にあります。
社会的なルールや場の雰囲気を平気で無視したような言動をしてしまうこともあるでしょう。

対人関係をスムーズに築くことに困難があります。

限定された物事へのこだわり・興味

一旦興味を持ったことには過度に熱中する傾向にあります。
特に、法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどの執着を見せることもあるでしょう。

それと同時に、法則や規則が崩れることを極度に嫌がり、周りが見えなくなってしまうこともあります。

しかし、この特性は、日常生活に強みとして生かすことも可能です。
一つのことにこだわって熱中することで、周囲より抜きん出た才能を育てることもできるでしょう。
実際に、育てた才能を職業にして生かしている人も数多くいます。

アスペルガー症候群に気づくタイミングとは

アスペルガー症候群んは知的な遅れがなく、見た目では分かりづらい障害の一つです。
そのため、大人になっても自身に障害があることに気づかず生活をしている人もたくさんいるとされています。

特に、言語や認知、学習などの発達領域が未発達の乳児段階では、症状が分かりやすく出ないため、生後すぐにアスペルガー症候群と診断されることはありません。

また、アスペルガー症候群の症状は、他の発達障害の症状と共通するものも多く、見分けるのが困難なこともあります。

アスペルガー症候群の診断基準とは?

アスペルガー症候群に関して気になる症状がある場合、医師に相談して診断を受けることも可能です。
アメリカ精神医学会のマニュアルや、世界保健機関のマニュアルによる診断基準から診断が下されます。

医療機関では、質疑応答やテスト、ヒアリングによって総合的に判断が下された上で、その上で、一人一人のニーズにあった療育やサポート、投薬をすることになります。
この際の聞き取りは、ライフスタイルや日常生活においての困難に関する調査がなされます。
そのため、成長の記録に関して、詳細なデータがあればあるほど、精密な検査を行うことが可能となります。

なお、アメリカ精神医学会のマニュアル「DSM-5」では、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラム障害と診断されるようになりました。
このことから、今後アスペルガー症候群の診断が下されるケースは減少していくと考えられています。