皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「大人の発達障害」についてです。
発達障害は子供特有の障害と考えている人がいるかもしれません。実は、発達障害は、現代では根本的な治療法が見つかっておらず、障害による負担は成人してからも続きます。
この発達障害という言葉が世間に周知され出したのは、発達障害者支援法が改正された2005年頃です。発達障害の影響で「生きづらさ」を抱えつつも懸命に努力してきた大人は数多くいます。
大人の発達障害とは具体的にどのようなことでしょう。また、今から取り組めることはあるのでしょうか。
この記事では、下記の内容について解説していきます。
- 大人の発達障害
- 障害の特徴
- 今後の対応について
目次
大人の発達障害
発達障害とは、先天性の脳機能障害によって成長に極端な偏りができてしまうことにより、生活に支障が生じてしまう障害の総称です。
早ければ3歳児健診や、保育園での行動が発端となって診断されることがあります。この中には、抱える障害の軽さや障害に対応できる能力や環境、周囲のサポートを得ながら成長し、社会で活動している人も多くいます。
ところがこの一方で、精神障害を抱えた成人が医師の診断を受けたところ、実は発達障害を抱えていたと知ることは珍しくありません。
社会による「生きづらさ」
社会では、仕事での「責任」という大きな負担が増えます。職場環境によっては多人数でのミーティング、プレゼンの企画、急な仕様変更による資料作成など様々でしょう。
発達障害を抱えていることで、臨機応変な対応が苦手な特徴や、物事に関する関心の無さや注意散漫な態度から「仕事に集中していない」「怠けている」と判断されてしまいがちです。
【例】
- 相手の目を見て会話が苦手
- 空気を読んだ発言が苦手
- 好みではない作業には集中力が途切れ、作業が遅れがちになる
- 上司に対する態度が同僚と変わらない
- 遅刻が目立つ
- 努力はしているものの、同じミスを繰り返してしまう
- 会議に集中できない
- 大切な資料を忘れてしまう
- 資料作成に時間がかかる
- 簡単な計算に戸惑う、計算が苦手
- 臨機応変な対応ができない
上に紹介した内容を経験したことがあるといって、必ずしも発達障害を抱えているとは限りません。
発達障害の特徴
発達障害は様々な障害の総称ですが、含まれる障害は大きく3つに分類されます。
- ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
- ADHD:注意欠陥・多動性障害
- LD:学習障害
ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
コミュニケーションに関する障害で、その場の状況を的確に把握し、最適な言葉を発することが苦手です。
「嘘も方便」という言葉があるように、時には嘘が必要とされる場合はあるでしょう。
しかし、ASDを抱えた人は、その状況を的確に判断することができません。また正義感から、正しいことをしようと行動してしまいがちです。決して悪いことではありませんが、周囲が混乱してしまう場面もあるでしょう。
ADHD:注意欠陥・多動性障害
注意散漫なことにより、物事に意識と取られやすい為、じっとしていることが苦手な特徴があります。この一方で、物事へ没頭するあまり、気がつけば翌朝を迎えていることも珍しくありません。
この影響から、部屋を片付けるのが苦手という人は多く、さらに忘れ物や遅刻が多いのも特徴です。
LD:学習障害
文章の朗読や文字の書き取りなど、学校で習得しているはずの内容に苦手部分がある障害です。単語の状態では文字を認識し読めても、この単語を文章に当てはめると、急に読めなくなってしまうなどの特徴があります。
目から入る情報が正しく処理されていない為で、学習面にも大きく影響を与える障害です。
発達障害の理解の壁
外傷などの特徴が無い為、周囲は勿論、本人でさえ診断を受けなければ「発達障害が原因」と判断ができません。また、発達障害を抱えていると理解していても、正しい発達障害の理解が得られていない、周知されていないことが多くあります。
本人は懸命に取り組んでいるつもりでも結果が伴わないことが多い為、下記のツイートのように周囲から指摘を受けかねません。
今後の対応について「1人で悩まない」
発達障害によって「仕事が見つからない」「就職出来ても長続きしない」などの問題があります。
1人で悩むことはせず、支援を活用し相談してみましょう。
専門機関の活用
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害を抱えた人、発達障害かもと不安に感じている人の相談に応じ、状況によって医療機関の相談、就業のサポートなどの対応を行なってくれる全国に展開している支援機関です。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、仕事上の悩みや相談、就業、生活に関するサポートを行う支援機関です。こちらも全国に展開しています。
支援機関は全国に展開していますが、各地域によって支援内容が異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。
自分に合った職種、仕事内容を見つける
「自分に合った仕事とは何か」を探してみましょう。
下記のツイートをご覧下さい。この人はライターという新しい自分の特技を見つけ、仕事に取り入れているのがわかります。
発達障害の症状は、抱えている人によって様々です。勿論、ライティングに向いていない人もいます。
自分が集中出来ること
発達障害を抱えた人は、臨機応変に対応が必要な仕事や、対人との打ち合わせ、営業職などには比較的不向きな傾向があります。
同じ場所で同じことを繰り返し行う作業、1つの決まったルーティンがある作業などに取り組みやすいと感じる人が多いようです。
- プログラマー
- デザイナー
- 同じ作業を繰り返し行う工場での作業 など
自分に出来ること、出来ないことを上で紹介した専門機関などに相談し、自分に合った職種を決めていくことをお勧めします。
好きなことに没頭するあまり、時間を忘れて作業してしまう場合があります。アラームなどを活用し、時間を区切って仕事に取り組みましょう。
病院での治療・カウンセリング
発達障害で根本的な治療法が見つかっていません。しかし、お薬の服用によって症状の緩和は期待できます。
また、カウンセリングを受けることで、回避する部分、取り入れていく部分を相談し、これからの生活に役立てていきましょう。
発達障害の影響から、精神障害を患ってしまう人は多くいます。周囲の環境を見直してみることも大切です。
SNSの活用
発達障害を支援する告知、情報の発信を行なっている人が数多くいます。
まとめ
発達障害は子供特有の障害ではありません。
成人になってから発達障害と診断され、医療機関を受診する人も多くいます。
発達障害を完治させる方法が見つかっていない為、社会自立に向けて対応力を身に付けていくことが必要です。しかし、「仕事が上手く出来ない」などの悲観的思考や、発達障害に対する周囲の「周知不足」「偏見」があり、悩みを抱えている人も多いのが現状と言えるでしょう。
発達障害を抱えた人でも「過ごしやすい」環境を作る為に出来ることはどのようなことでしょうか。
世間の発達障害に対する知識の共有、さらなる環境の充実が求められています。