中高生(12〜18歳)

中高生のいわゆる思春期の時期には、ADHDの症状が収まるのと引き換えに、学習障害(LD)などの合併症状が目立つことがあります。
他に、対人関係がうまく築けない場合には自閉症などの合併症状が考えられます。

・親や教師に強く反発する
・友人と上手な関係を築くことができずトラブルを頻発する
・決まり事に従うことができない

もしこれらの症状が見られる場合には受診することをおすすめします。

他者と自分を比較する

思春期になると、他者と自分を比較してしまいがちです。
それはADHDの子どもにも当てはまります。

特に完璧主義の傾向が強い子どもの場合、他人にできて自分にできないことを受け止めきれずコンプレックスにつながることがあります。

このコンプレックスが、学習への意欲低下を引き起こし実際に学力が低下したり、やる気をなくしてしまったり自分の殻に閉じこもって引きこもりがちになるなどの問題を引き起こす場合もあります。

不登校やひきこもりなどの二次障害に結びつくことも珍しくありません。

また、自分の障害のことを受け入れることができず、薬の服用を勝手にやめてしまったり、量を変えて服用することがあります。
家族にはこうした思春期の不安定な気持ちに寄り添い、上手にサポートをすることが求められます。

成人期(18歳〜)

子どもの頃にADHDと診断されても、自分が困難と感じる場面を理解して対処法を学ぶことなどによってうまく立ち回っている人もいます。
成長するに従って症状が目立たなくなったり軽くなることもあります。

ただ、子どもの頃に比べ、大人になってからの方が困難と感じることが増える場合もあります。

具体的には、親や教師からのフォローがなくなったり、しなければならない課題が増えたり、大人として行動に責任が伴うようになったりすることが原因と考えられます。

これらのことから、大人になってからの方が社会生活を送るのが困難になったと感じる人も少なくありません。

また、診断を受けていない大人でも同じような症状で困っている人も多くいて、大人の発達障害の中では、ADHDが最も比率として高いとされています。

具体的な大人のADHDの症状

大人のADHDで多く見られる症状には、次のようなものがあります。

・計画や順序を立てて仕事や作業を行うことが難しく感じる
・細部にまで注意が行き届かず、仕事や家庭で注意不足から引き起こされるケアレスミスを頻発する
・約束を忘れる、時間に遅れる、締め切りに間に合わないといったことがある
・片付けが苦手で乱雑になってしまいがち
・一度に多くの情報を取り入れることができず、同時に複数の指示や長い説明をされると混乱してしまう
・手間がかかったり時間を要すること、集中しなくてはならない事は後回しにしてしまう
・何かに熱中するとほどほどで切り上げることができず抜け出せない
・長時間座っていられず手足がムズムズとしてくる