皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害と朝起きられない原因」についてです。
目次
発達障害で起きられない。それって本当に発達障害が原因?
そもそも発達障害とは
自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群(ASD)
相手と何を話していいのかわからないことや空気が読めないなどコミュニケーションに影響する症状が特徴です。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
気になったものに意識が向いてしまい、集中力がなく落ち着いていられないなどの特徴があります。
学習障害(LD)
文字の読み書き、聞く、話すなどの会話、計算などが苦手です。
発達障害の特性で起きられない
発達障害の特性の1つに睡眠リズムを乱しやすく、朝起きられない子が多いのは、最近になって知られてきました。
発達障害児童が睡眠リズムを乱しやすい原因
- 気持ちの切り替えが難しく就寝前に取り組んでいたことから急に切り替えられない
- 音や光などから受ける感覚過敏により覚醒しやすい
- 心地よい睡眠を得られるために必要なセロトニンやメラトニンの不足
睡眠障害の併発の可能性
先ほどの発達障害の特性として睡眠リズムを乱しやすいということがありましたが、これらを原因にさらに睡眠障害を併発することが多いという点もあります。
睡眠障害には、不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などがあります。
これらの睡眠障害が眠る量や質を下げ、たくさん寝ているはずなのに起きられない。早めに寝たのに起きれないなどの原因になっている可能性もあります。
起立性調節障害
概要
概要
引用元 一般社団法人 日本小児心身医学会
・たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。
起立性調節障害ってどんな障害?
起立性調節障害とは
思春期前後の子供に多く見られ、起立時にめまいや動悸、失神などが起きる自立神経の機能失調です。
本来、人間の体は起立時の重力によって下半身に血液が溜まり、静脈を通って心臓に戻る血液量が減少します。
そのとき自律神経の1つである交感神経が、興奮して血圧を維持しようと下半身の血管を収縮させ、心臓に戻る血液量を安定させようとします。
しかし、起立性調節障害の疑われる方は、自立神経の機能低下により、自律神経の1つである交感神経がうまく機能せず、血圧が低下したまま、静脈から心臓に戻る血液量が安定的でないため、さまざまな症状が表れます。
一般的な症状
- 朝起きられない
- めまい
- 立ちくらみ(脳貧血)
- 動機
- 息切れ
- 睡眠障害
- 食欲不振
- 腹痛
- 頭痛
- 倦怠感
このような症状により学校への通学や会社への通勤が困難になるケースもあり、子供の場合、不登校になることもあります。
診断方法
- 立ちくらみ、失神、気分不良、朝起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、あるいは2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害を疑います。
- 鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺など内分泌疾患など、基礎疾患を除外します。
- 新起立試験を実施し、以下のサブタイプを判定します。
4種のサブタイプ
起立直後性低血圧
起立直後の血圧低下からの回復に時間がかかるタイプ。4タイプの中では、一番多いタイプだそうです。
体位性頻脈症候群
血圧の回復に異常はないが、起立後心拍の回復がなく上昇したままのタイプ。
神経調節性失神
起立中に急激な血圧低下によっていきなり失神するタイプ。
遷延性起立性低血圧
起立を続けることにより徐々に血圧が低下して失神に至るタイプ
原因・対処方法・注意点
原因
この疾患は自律神経疾患なので身体的要素以外に、精神的、環境的要素も関わって起こると考えられています。
対処方法
医療機関の診察
非薬物療法 (生活改善や工夫による改善を目指します)
- 循環血液量を増やすために、1日に食事以外の水分を約2リットル、食事を通して塩分約10グラム摂取する。
- 日中は出来るだけ寝転がらないようにする。どうしても、寝転がりたい場合、頭は心臓より高い位置にあるよう、上半身だけ起こすようにする。
- 眠たくなくても就寝時間が遅くならないようにする。
- 立ち上がるときはゆっくり、うつむきながら、最後に頭を上げるようにする。
- 長時間の起立姿勢は避け、必要性がある場合、足を動かしたり、クロスさせる。
- 毎日30分程度の歩行を行いましょう。
薬物療法: 薬物療法だけでは効果は少ない為、非薬物療法を行ったうえで処方し、両方進めていく 。
学校や会社との連携
学校や会社への相談を行った上で、理解と協力をもらいながら連携していくことが大切です。
専門機関の活用
児童発達支援センターは地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。
発達障害者支援センター は、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。
注意点
朝起きたばかりの状況では、体調が悪く、お昼ごろ徐々に体調も良くなることが多く、本人の努力不足や怠け癖などと思われがちです。
あくまで病気であるということを理解すること。そして、周りの理解と協力を得ることです。
まとめ
いかがでしたか?お子様が起きられない原因が、発達障害によるものなのか。睡眠障害によるものなのか。はたまた、起立性調節障害によるものなのか。
原因を特定し、臨機応変に対処することは、簡単なことではありません。しかし、放っておいては不登校などの可能性もある大きな問題でもあります。
大切なのは、1人で悩んだりしないことです。医療機関の診察や専門機関の助け、学校や会社の理解・協力を得て少しずつ改善できるよう取り組んでいきましょう。
心理的ストレスの軽減を図ることも大切です。障害を抱えたお子様の療育と保護者の方の休息にデイサービスの利用も良いかもしれません。
発達障害を抱えた児童の「療育」さらに保護者の「休息」も重要と考え、デイサービス事業を行っています。