英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略である「ADHD」は発見されてからまだ20数年しか経っていないこともあり、未だ解明されていない部分もたくさんあります。
ADHDは発達障害の1つで、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられます。

ADHDは特性上、他人とのトラブルを引き起こしてしまうこともあるため、親のしつけや愛情不足が原因だと決めつけられてしまうこともあります。
しかし、実際にはADHDと愛情不足や育て方といったことには、関連性がないと考えられています。

まだ原因ははっきりとしていませんが、ADHDは先天的な脳の機能障害によるものであるとされています。
この「脳の機能障害」には、遺伝的な要因が関係しているとの見解もあります。

今の段階ではまだ、遺伝が原因となってADHDを引き起こす可能性をはっきり示すことはできませんが、全くないとも言い切れません。
また、家族性とADHDの関連性も考えられています。

家族性とADHDに関連性があった場合、ADHDのある人がいる家系の方が、そうでない家系に比べ発症しやすいということになります。
まだはっきりと決まったわけではありませんが、この傾向が一部で認められるのは、家族間で遺伝による体質や生育環境が似ていることが一因と考えられています。

ただ、ADHDは体質や環境要因が相互かつ複雑に影響して発症するものです。
そのため、親がADHDだからと言って子どもに必ず遺伝するとは限りません。

ADHDの原因とは

ADHDの原因としてはっきりとしたものはまだわかりません。
しかし、現在「脳障害」「環境要因」の2つの説が研究されています。

この研究から、行動等をコントロールする神経系に原因がある脳の機能障害や、前頭葉の働きが弱いことがADHDの原因ではないかと考えられています。
前頭葉は脳の前部分にあって、物事を整理整頓したり、論理的な考えをする際に働きます。

また、注意力を持続させたり行動を司る部位でもあります。
ADHDの人は、これらの機能に何らかの異常があって、前頭葉がうまく働いていないと考えられます。

ADHDは脳機能の障害の素因が先天的にあって、それが出生後の脳機能の発達や環境的要因と相互に影響を及ぼしあい発症するとの説が、今のところ有力です。