不登校問題の解決への基本の道筋

子どもの不登校を解決するにあたって、考えられる選択肢は複数あります。
元通っていた学校に再登校することのほかにも、別の学校に転校すること、フリースクールや通信制高校に通うことなど、といった多岐にわたる選択肢の中から、子どもの自由意志を尊重して決めることが大切です。
なぜなら、そうすることが子どもにとって自尊心を高めるきっかけとなるからです。

不登校の問題の根幹には、自分をダメな人間であると決めつける心情があります。
自信の欠如や集団に参加できない社会化不全、他者への過剰な遠慮や不必要な羞恥心など、否定的な感情がこれにあたります。

解決を目指すには、まず子どもが自分自身の良さに気づき、自分に自信を持てるようなきっかけを重ねて得ることが大切です。
保護者は、子どもの良さを引き出すサポートをし、肯定的な関わりをすることを基本姿勢としましょう。

ここでは、家族間での感情の交流を増やすこと、家族の問題を解決するための目標設定と実現を考案することが求められます。

ほかに、親子の関係性を見直して、子どもとより良い関わり方を探すための「ペアレントトレーニング」への参加をお勧めします。

目標設定の方法とその意義

子どもの不登校問題を解決するには、目標設定をすることが必要です。
この目標設定には、大きく分けて2つの意義があります。

目標を具体的で達成可能なものにすることで、問題解決の進展に対する評価や振り返りを行えるようになるというのが、まず1つ目の意義です。
設定された目標に対する向き合い方や結果を知ることで、対応策の見直しにつながったり、新たな対応策を見つけるためのヒントを得るのに役立ちます。

2つ目の意義は、達成に合わせた小さな目標を設定し続けることで、本人の自信を育みつつステップアップできることです。

不登校の解決に向けて大切なのは、子どもの自己否定感を取り除いて自尊心や自己肯定感を高めることです。
目標に向かって努力をした結果、それを達成することができた成功体験は、子どもにとっての自信になり、次にステップアップする足がかりとなるでしょう。

目標設定をどのようにして良いのかわからない場合は、以下の例を参考にしてください。

・始業時間に間に合うよう起床する
・制服に着替える
・家庭学習を定められた時間だけ取り組む
・学校の友達と会う
・休日登校をする
・誰もいない教室に入ってみる
・職員室を訪問する

これらの目標を立てるにあたって、子どもの意思を尊重することを第一にしましょう。
親の考えで決めつけてしまうと、子どもの自尊心を傷つける恐れがあります。

また、子どもが目標を達成した際は、努力を認めて褒めてあげることで、それが1つの成功体験となります。
できて当たり前と思えることでも自信につながる第一歩になります。

子どもの一番近くにいる家族が積極的に褒めたりサポートをすることで子どもの自尊心を育てましょう。