今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害・農業」についてです。
発達障害と農業、どんな関連があるのか、皆さんは思い浮かびますか?
農林水産省のデータによると、農家人口は1990年以降の10年間で2割減少しており、高齢化率は2010年には全国で6割程度になると予測されていました。
そこで農業人口を増やす為にも、発達障害や他障害ある人々を雇用する仕組みがあります。

目次
農業×福祉、“農福連携”はご存知ですか?


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農福連携とは、障害者や高齢者などが農業に携われるよう、国や自治体、法人などがそれを支援する取り組みのこと。農福連携の取り組みが進むことで、障害者や高齢者、生活困窮者の働き口を創出できるとともに、農業分野では高齢化による後継者・働き手不足の問題を解消できると期待されている。
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次に農業そのものの現状について触れていきたいと思います。
農業の困りごと
- 高齢化が進んでいる:国土交通省が算出した全産業の平均年齢は42.3歳。比較して農業就業人口の平均年齢は42.3歳を大幅に上回っている。
- 農業の仕事に就く人の減少:2000年 389.1万人→2017年 181.6万人。(農林水産省 農業センサスのデータより)
- 3Kというイメージをもたれてしまう:“きつい・汚い・危険”というイメージをもたれてしまうことから、若者に不人気な職業と言われることも。
- さらに5Kというイメージも:“きつい・汚い・かっこわるい・稼げない・結婚できない”。
- 後継者不足:3Kというイメージからも後継者がいないケースが多い。その結果、農地が放棄され荒れてしまう結果に。
最近では若者の新規就農が増えている傾向も
就農者人口の減少とは反対に、若者の新規就農人口も増えています。その理由を見てみましょう。
- 若者が農業に参入しやすくなった:農業のIT化によって作物の生産管理を行い易くなったので、長年の勘に頼ることなく農業を行い易くなった。
- 雇用条件や社会保険を整える農業の求人が増えた:ネットで農業の求人検索ができるようになり自分に合った条件で就農できる時代になった。
- 働き方の変容:副業解禁の波によって半農半X(エックス)と呼ばれる自分の仕事も続けながら農業も行うライフスタイル。エックスに当たる部分は人それぞれの職業が当てはまります。
- コロナや金融危機によって急に職を失う可能性が少ない。
- 海外でも農業は行われているので可能性が広げられる。
発達障害の方が農業に向く理由

発達障害の方の就職転職を応援する仕組みや情報提供は昔に比べ発達しています。
発達障害の特性は人それぞれです。幼少時代からその特性に悩まされてきた方もたくさんいらっしゃいます。
大人になった時の適職を考えていく上で、ご家族の力や市区町村の発達支援に関わる窓口や民間の放課後デイサービスの力を頼ることも一つの手段です。
探ってこられた適職の中に“農業”を視野に入れてみるのも良いかもしれません。

多くの発達障害の方に伴う困りごと“睡眠障害”。特に自閉症スペクトラム(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供が困っていると言われいます。寝つきが悪く、昼夜逆転で通学に支障が出たり、昼も夜も関係なく睡眠時間に関わらず眠気におそわれる人もいます。
仕事の為に朝起きる習慣が身につけば、症状の安定につながることが期待できます。
農業の仕事は多岐に渡る。発達障害の特性を活かせることで自信につながったり、症状の安定につながる可能性があります。
ベネッセ教育総合研究所でその事例が紹介されています。ゆっくりとしか動けない特性のある方が、作業としてゆっくりにしか動かせない装置で虫取りの作業をその方にしかできない仕事と評価されているそうです。
農業の仕事は多くの作業によって成り立っています。特性や体調に応じて持ち場を変更してもらい易いと考えられます。
発達障害の特性に“字義通りに理解できる具体的な情報伝達の仕方である方が理解し易い”が挙げられます。農作業には作業に根拠があります。
ですので、作業し易く安心して取り組めるということが考えられます。
発達障害の方向けの農業の求人

様々な求人サイトがありますので一部挙げます。検索の仕方としまして、HP内検索でさらに“農福”と入力して頂けると良いと思います。
補足させて頂くと、どのHPもどちらかと言えば障害ある方々をサポートする求人の方が多い印象です。
ですが、求人情報を収集する際の一手段として、支援者の求人が掲載されている職場に障害者の雇用枠があるかどうかを確認することも有効だと考えます。
- あぐりナビ :いくつかある就農検索 用HPの中でも“障害者の方の求人情報”を掲載されています。
求人サイトでは一括検索できるメリットがありますが、検索のタイミングによって情報をあまり得られないこともあります。
会社のHPで障害ある方の採用情報をたくさん載せておられます。
- 地方独立行政法人 大阪府立 環境農林水産祖総合研究所 :障害ある人と共に農業などを行っておられる事業者や団体が複数紹介されています。
- ごきげんファーム :2011年に設立された会社で現在100名以上の障害あるスタッフの方が働いておられる農場です。年齢も障がいの種別も程度も様々な人が働いています。
どんな障がいのある人でも、どんな過去がある方でも、障がいのある人は受け入れています。 みなさんの「働きたい!」という連絡をいつでもお待ちしています。
課題解決中MAP
農場長である伊藤文弥さんのこの言葉、心強いですね。
ごきげんファームの紹介動画もよろしければご参照下さい。
まとめ
発達障害の方や障害ある人の雇用に特化した求人があることは心強いと思いました。
農業以外にも特性を活かせる職業はたくさんありますが、農業についてはよりその特性が得意に変わる可能性のある職業だと言えるでしょう。
“特性→得意”となるような支援の手厚さも感じます。
こちらの記事はたくさんの発達障害のお子さんがいらっしゃる親御さんに読んで頂いているのではと思います。
適職として農業が気になられた方はぜひ、記事内に載せております動画などをご参照下さい。