2017年に施行された新しい法律である教育機会確保法は、不登校問題の解決に向けた支援を後押しする内容となっています。
これによって子どもの不登校問題が解決に向けて一歩前進することが期待されます。
この新しい法律について知っておきましょう。

教育機会確保法と不登校

教育機会確保法では、学校に通えていない子どもが教育を受ける機会を確保するための施策を、国や自治体の責務としています。
その上で、必要な財政上の措置を講じることを求めているのが特徴です。

教育機会確保法は様々な議論の対象となっていますが、中でも第十三条はこの法における2つの大切なポイントを押さえています。

第十三条
国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童生徒及びその保護者(学校教育法第十六条に規定する保護者をいう。)に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとする。

「学校を休むことも場合によっては必要である」ということと、「学校以外のフリースクールなどの重要性」について触れていることがわかります。
具体的にどんな支援が行われるのかなど具体的な内容はこれから決定しますが、これら2点が国に正式に認められたこと自体が、不登校の子ども本人と家族にとって大きな意味をもたらすでしょう。

学校以外の学びの場について

不登校が続くと学習に遅れをとってしまうことが懸念されます。
そこでフリースクールや通信制高校などの学校以外の学びの場をご紹介します。

フリースクール

不登校の子どもたちの居場所や学びの場と形容されるフリースクールは、支援機関の1つです。
自分の好きなことや得意なことを中心に学んだり、他の子どもやスタッフとの交流を通じて社会性を身につけることができます。

フリースクールは文部科学省の定める学校機関ではないので設置基準はありません。
そのため、運営方式は施設ごとに異なり自由な教育を実践しているところが多いのが特徴です。

フリースクールに通う場合、義務教育機関中の子どもは通っていた学校に籍を置いたママでフリースクールを利用します。
在籍校の校長から許可が降りれば、フリースクールへの登校日数も義務教育状の出席日数としてカウントされる場合もあり、卒業に必要な出席日数単位を満たすことができれば義務教育状の小中学校の卒業資格を得ることができます。

通信制高校

テレビなど通信手段を用いて自宅で学習をする高校のことを、通信制高校といいます。
通信制高校を卒業するには登校して先生の指導を受けるスクーリングとレポート、試験の3つが必要です。
また、行事に参加することもスクーリングのうちの1つです。

スクーリングの出席日数と定期的なレポート、期末試験によって単位の認定がなされます。
通学型の通信制高校では、レポート指導の時間が設けられるなど無理なく取り組む工夫が考えられています。

子どもの不登校に関する相談先

文部科学省は、子どもの不登校に関してはまず、在籍校と十分に連絡を取ることを推奨しています。
それでも解決が難しい場合は、教育委員会によって運営されている相談窓口に問い合わせてみましょう。

教育センターや教育相談所では、子どもの教育に関する相談をするための窓口が設けられており、教育支援センターでは不登校に関する相談活動や、不登校音子どもに対して通所指導を行なっています。

他にも、東京都教育委員会が運営する東京都教育相談センターにて、教育に関する電話相談を受け付けています。
閉庁日・年末年始をのぞく平日は午前9時から午後9時まで、土日祝日は午前9時から午後5時までの受付です。

また、厚生労働省によって運営されている「児童相談所」「保健所」「保健福祉センター」でも教育相談が可能です。