皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害意味」についてです。

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青木
発達障害とはそもそも何なのでしょうか。
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大竹
発達という言葉自体にあまりなじみがないですね。

「骨折」や「インフルエンザ」と言われたらどんなものか想像がつきやすいですが、「発達障害」といわれてもすぐにはピンと来ませんよね。

この記事では、発達障害とは何が原因で、それがどう作用して障害になるのか、について説明していきたいと思います。

発達と障害の意味

発達障害の意味について、数多くのカウンセリングに関わった方が書かれている本で、「発達の道筋の乱れ」「発達の凹凸」などと表現されているものもあります。

参考 杉山登志郎 『発達障害の子供たち』p43(講談社 2007)

これについて理解するために、まず「発達」と「障害」の意味について考えていきましょう。

学術的な呼称なので辞書の意味と全く同じ意味とは言えませんが、イメージを掴むために見ていきます。

発達とは

1からだ・精神などが成長して、より完全な形態や機能をもつようになること。

2そのものの機能がより高度に発揮されるようになること。「文明が発達する」

3そのものの規模が次第に大きくなること「発達した低気圧」

引用:goo辞書

いくつか意味がありますが、「発達障害」に使われているのは1の意味が最も近いと言えるでしょう。

発達障害は身体ではなく精神に関する障害なので、影響するのは精神の成長となります。

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青木
精神の成長に関する障害なんですね。

また、成長の過程で発覚する場合が多いことと、他の児童と同じ育て方をしてしまうとうまく成長できないことから、児童との関りで話題になることが多いです。

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大竹
しかし最近は「大人の発達障害」という話題も出ていますね。

うまく周囲にとけこめないという悩みを持った方向けに、成人を対象に診断やカウンセリングを行っている場所もあるようです。

障害とは

「障害」については、「発達障害」の翻訳元である英語の「developmental disorder」について見ていきます。

Disorderと言うと効き馴染みがないかもしれませんが、対義語であるorderは聞いたことがあるのではないでしょうか。

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青木
お店の注文のことをオーダーと言いますね。

この「order」他には順序とか、秩序といった意味があります。

注文のリストが上から並んでいるイメージの単語ですね。

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大竹
disがつくと反対の意味になるので、無秩序とか、凹凸とか、バラバラなイメージでしょうか。

これと先ほどの「発達」の意味を合わせて考えてみると、「成長していく過程が通常と異なる」という感じです。

「発達の道筋の乱れ」「発達の凹凸」のイメージは掴めたでしょうか。

では次に、原因と詳しい特徴について見ていきましょう。

発達障害は「脳」の発達が人と違うということ

このような「発達の道筋の乱れ」はどうして起こるのでしょうか。

発達障害は精神に関する障害です。

つまり、精神を人の精神を制御している「脳」に関する障害なのです。

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青木
え?それなら知的障害とはどう違うのでしょうか?
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大竹
脳に障害があるのは同じですよね。違いがよくわからないなぁ。

知的障害との違い

発達障害にも、知的な障害を伴うものもあります。

しかし、発達障害だからといって必ずしも知的障害があるとは限りません。

知能というものが何かは難しい問題であるため、知的障害と他の発達障害の区別は簡単ではありません。

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青木
知能というと、IQテストとか、学校の成績でしょうか。
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大竹
日常会話や作業を覚えられるかなども知能の問題なのかな。

IQテストの結果が、必ずしも知能を示すわけではない

外にあらわれた結果が、必ずしも知能を示すわけではありません。

知能は通常レベルでも、問題を理解する能力や、それを表現する能力、思考を整理する能力などにハンディキャップがあれば、あらわれる結果は低くなります。

発達障害児に特に軽度発達障害児において境界知能が多い理由は、発達障害児には、脳の一部の領域の働きは良好でも全体を動かすとなるとだめという形の機能障害を抱えるものが少なくないからである。このような児童を一般的な知能検査で計ると、知能を構成するさまざまな要素に著しいばらつきとして示され、その結果、全IQは境界知能となるのである。

引用:杉山登志郎『発達障害の子供たち』p61-62(講談社2007)

※境界知能とは、IQテストが70-84程度の、知的障害とは言えない程度の結果を示す場合のこと

つまり、発達障害で能力に凹凸(disorder)がある場合は、「IQテストの点数=知能」とは簡単には言い切れません。

IQテストの結果が低い場合でも知能に問題はないこともあるというわけです。

発達障害の人は発達できないの?

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青木
脳の機能に障害があるということは、それがない人と同じように成長することは出来ないのでしょうか。
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大竹
障害というからには、やっぱり治ったりはしないのかな。

発達障害は先天性の機能の障害なので、障害自体が無くなることはありません。

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青木
骨折やインフルエンザのように、一時的なものではないんですね。

全く改善できないわけではない

しかし、成長できないわけではありません。

例えば片手を失ってしまった人がいたとして、その人の手が戻ることはないけれど、生活しやすく工夫することはできますよね。

発達障害においても、生活を工夫することは可能です。

もちろん簡単なことではありませんし、周囲の協力も不可欠です。

ただ、「発達障害として生まれたら絶対に行動を変えることができない」というわけではないということです。

発達障害が治るのかについて詳しく説明している記事はこちら。

下の動画で発達障害の改善について説明しています。

まとめ

発達障害とは、「発達の道筋の乱れ」のこと。

原因は脳の機能にありますが、発達障害だからといって、必ずしも知能に問題があるわけではありません。

ハンディキャップが消えることはありませんが、適切な対応をすれば改善が全くできないというわけではありません。