発達障害とは?

発達障害とは、先天的な脳機能障害のことです。
本来想定される時期に年齢相応の発達が見られない場合や、年齢相応のスキルが獲得できないことによって日常生活に困難が生じることを指します。

発達障害の症状は、低年齢の発達期に発現します。

発達障害は、診断基準によって複数のカテゴリーに分類されますが、「広汎性発達障害(PDD)」「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」「学習障害(LD)」などが主なものとして挙げられます。

広汎性発達障害には自閉症やアスペルガー症候群などのコミュニケーションの障害が含まれますが、これらはアメリカ精神医学会のマニュアルによって、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)という障害名に統合されています。

以上の症状は重複することもあり、知的障害が見られることもあります。

発達障害の診断・検査は受けるべき?

発達障害のある人は、年齢相応の言葉やコミュニケーションのスキル、学習面での読み書きの能力、集団生活でルールを守ることなどを苦手としています。
人によって苦手に感じることは異なりますが、これらの特性によって、社会生活を送る上で困難が生じます。

目で見てわかる身体障害などと違い、発達障害は第三者から認めてもらいにくい特性があります。
発達障害の症状や特性が人それぞれ違うこと、周囲からは困りごとが見えづらいこと、発達障害が広く周知されるようになったのは最近であることなどから、誤解されたり理解を得られないことは少なくありません。

しかし、専門機関に相談をしたり早期にサポートをすることで、困難を軽減することができます。
検査や診断をすることで、専門的に症状を把握することができ、より手厚い支援が受けられるようになる場合もあるでしょう。

近年では発達障害者支援法をはじめとした様々な法や制度も整備されつつあり、診断や検査を受けることで支援や治療法の幅が広がります。

発達障害の診断・検査前の発症年齢はいつ?

発達障害は、症状が可視化されるようになって初めて判明する疾患です。
ですから、障害の程度や種類、性別によって、発症年齢や特徴は違います。

医療機関を受診するか否か、またタイミングを決定するのは本人や保護者の判断によります。
なるべく早期に相談や診断をすることで、二次障害の予防に役立つことを覚えておきましょう。

発達障害は、基本的に乳幼児期ごろに症状が露見します。
保育園や幼稚園で集団生活が始まると、コミュニケーション面の遅れや特徴的な言動などが目立ち始めるでしょう。

地域の検診で指摘される場合や、園から相談機関を紹介されることもあります。

また、学習障害の場合は、学習が始まってから症状がはっきりとするため、修学前後の年齢で気づくことがほとんどでしょう。

乳幼児期は成長に従って症状や困りごとが大きく変化しやすいため、一度診断された症状が見直されることもあります。
発達障害の認知度は年々上昇しているものの、未だ症状は見えづらく、支援が受けられないまま悪化してしまうことも懸念されます。

大人になるまで障害に気づかず、社会人になって初めて診断される場合もあるのです。

本人の生きづらさを改善すべく、少しでも疑わしい場合は、すぐに専門機関に相談することをおすすめします。