皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 イベント」についてです。
発達障害の子供を育てているお母さんに質問です。
- 「発達障害のイベントに参加してみたい。でも…」
- 「ネット検索をしたり、街のポスターで見かけたり、心が一瞬引き止められるけど、結局スルーしてしまう」
こんな事は、ありませんか?
おそらく、期待と不安がごっちゃになって、行動に移せない状態なのかもしれませんね。
そこで、今回は「発達障害のイベントに参加するメリットと不安要素への対策法」をまとめて紹介します。
目次
障害者のイベントの具体例
「発達障害のイベント」と言われてもイメージが湧かないお母さんたちも居ますよね。そこで、発達障害のイベントをいくつか紹介します。
講演タイプ
「専門家や当事者が大勢の聴衆(参加者)に向けて話し、参加者は講演者の話を聞く」という図式がはっきりとしています。
このタイプのイベントは、発達障害の啓蒙活動を目的としている場合が多いため、少し堅苦しく感じてしまうかもしれませんね。例えばこんな感じです。
また、参加者には当事者やその家族だけでなく、発達障害に興味関心を持つ一般の人たちも多く含まれます。
当事者会や家族会
当事者やその家族に向けたイベントです。基本的に、一般の人は参加できません(専門家が参加する場合があります)。
講演タイプと違って「話す側」と「聞く側」の区別無く、お互いの悩みを相談し合ったり、勉強会を行います。当事者やその家族にとって、心の支えとなりますね。
例えば、次のようなイベントです。
あと、少人数で行うことが多いので、緊張することなく参加できるメリットもあります。
私も統合失調症の家族会に2年間通いました。当事者の家族同士にしか理解できない悩みや苦しみを共有して支え合いました。苦しい時期を乗り越えられたのは家族会のおかげですね。
地域交流タイプ
各地域で障害者と一般の人たちとの交流を目的としたイベントです。
例えば、障害者の人たちが作った食べ物やハンドメイド作品を展示・販売するのが定番ですね。美味しい手作りお菓子を売っていることが多いので、子供達も十分に楽しめますよ。
イベント等にあまり参加したことが無い子供やお母さんにはオススメです。
当然、当事者やその家族が参加しているので、知り合いになれるチャンスがありますね。
いかがですか。発達障害のイベントにも色々なタイプがあるのが分かりますね。迷った時は、自分が興味を持ったイベントに参加してみませんか。
メリット
次に、発達障害のイベントに参加するメリットを、自身の経験も交えながら詳しく解説しますね。イベントに参加するメリットは少なくとも3つあります。
安心感
イベントに参加して、当事者やその家族、さらには専門家等との交流を通して「安心感」を得ることが1つ目のメリットです。
人には「他者とのつながりを持ちたい」という「欲求」が存在します。
そして、この欲求を満たすことによって、人は安心感を得ることができます。FacebookやtwitterなどのSNSは、所属欲求と安心感を満たす現代風のツールと言えますね。
特に、発達障害の子供やそのお母さんたちにとって、誰かとつながっていたい欲求を満たすことは大切になります。
なぜなら、発達障害の特性は見た目には分かりません。そのために「怠けけている。不真面目」などの誤解偏見を受けて、周囲から「孤立」しやすくなります。
イベント参加は、他者とのつながりを持ちたい欲求を満たし、孤立を防ぎ、こころの安定につながることをぜひ覚えておいてくださいね。
ピア・サポート
イベントに参加して、同じ悩みを持つお母さんたちと知り合いになると、発達障害に関する悩み相談や情報交換が自然と始まります。
イベント等に参加経験があるお母さんは分かると思いますが、結構盛り上がりますよね。その理由をいくつかあげてみましょう。
- 病院の先生とか専門家のスタッフに比べて、リラックスして話ができる。
- 同じ当事者なので、悩みや苦労を自分事のように理解してもらえる。共感しやすい。
- 同じような悩みを持つ人のアドバイスは的確であることが多い。
そして、このような当事者同士の対等な関係での支え合いを「ピアサポート」と呼びます。このピアサポートを受けることができるのが、イベント参加の2つ目のメリットです。
それでは、ピアサポートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
発達障害のような目に見えない障害は偏見や先入観を持たれやすく、専門家でもその悩みや苦しみを理解することは難しい。一方、同じ経験を持つ人たちによるピアサポートは、精神的な支えとなることができる。
ピアサポートでは、対等な人間関係による支え合いを前提としているため、お互いの自己肯定感を下げることなく支援を行える。
健常者には理解されづらい苦労や経験を共有する人同士のつながりは、人と人とのつながりを強く結びつけるので、孤立になるのを防ぐ。
このように、専門家(健常者)では難しい領域のサポートに対応することができるのが、ピアサポートの特徴です。
以下のツイッターで紹介されているように、具体的なサポート活動を行なっている人たちもいます。
国も、ピアサポートの重要性に注目、人材の育成や活用に力を入れているようですね。
参考:ピアサポートを担う人材の活用を推進するための調査研究及びガイドライン作成のための研究(平成30年度 厚生労働省 障害者総合福祉推進事業 )
如何でしょうか。メリット満載のピアサポートです。
福祉サービスを知る
福祉サービスに関する情報交換ができることが、イベントに参加する3つ目のメリットですね。
福祉サービスって内容が複雑でわかりにくいものです。
- 福祉サービスの種類
- 福祉サービスのメリット
- 申請手続の仕方(必要な書類など)
福祉サービスを利用するには、最低でもこの3つくらいは知っておく必要があります。でも、お母さん一人で調べようとすると結構大変ですよね。
私の嫁は統合失調症ですが「自立支援医療・訪問看護サービス・障害者手帳・障害者年金」など少なくとも4つのサービスを受けています。それぞれ、自分一人で調べながら申請を行いました。効率が悪くて、それは大変でしたね。
やはり、イベント等に参加して福祉サービスに関する情報交換を行うのが、効率のよいやり方です。
さらに、各自治体に限定した独自サービスが存在している場合もあります。イベントに参加することによって、ネットでは見つけにくいローカルなサービスを知ることができるかもしれません。
また、病院の口コミとかのリアルな情報に出会えることもあります。この辺りの情報は、市役所のスタッフさんは知ってても教えてくれません。
情報弱者にならないためにも、イベント等に参加して情報交換を行うことは大切なのではなでいしょうか。
不安要素
ここまで、発達障害のイベントに参加するメリットを紹介しました。でも「やっぱり不安、心配」というお母さんの声が聞こえて来そうです。
その気持ちはよく分かります。そこで、まず頭の中の不安を私と一緒に整理してみましょう。
整理することによって、漠然とした不安から具体的な課題が見えて来ます。そして、対策が思いつきやすくなります。
参考:今回紹介した頭の中の不安や悩みを書き出すことを「筆記開示」や「ジャーナリング」と呼び、不安な気持ちを軽減させる効果がありますよ。
以下に発達障害のイベントに参加する時、よくある3つの不安要素を書き出してみますね。
発達障害に対する誤解や偏見
「発達障害」という言葉は世間でも知られるようになりましたね。
例えば、アマゾンで「発達障害」という検索キーワードで検索すると1000件以上の書籍が表示されます。自身が発達障害であることを告白する著名人も増えてきました。
しかし、発達障害の特性や本人の生きづらさについては、あまり理解が進んでいません。
発達障害への誤解は根強く、当事者を対象にした最新の調査では、「世間の発達障害のイメージと実態にギャップを感じる」と答えた人は9割に上ります。
NHKハートネット 福祉情報総合サイト
なぜ理解が進まないのでしょうか。その一番の理由は「見た目では分かりづらい障害」だからです。
発達障害は脳がアンバランス(凸凹)に発達することによって引き起こされます。つまり、頭の中で起こっているので外見からは分かりません。
そのために「怠けているだけ」「努力が足りない」「ふざけている」と誤解を受けやすくなります。
特に、イベントには様々な人が集まります。当然、発達障害の特性を正しく理解していない人も参加してくるでしょう。
その結果、誤解や偏見を受けて本人が辛い想いをする可能性があります。
コミュニケーションが苦手
発達障害の子供たちは、コミュニケーションが苦手なことが多いです。例えばこんな感じです。
- 視線を合わせて会話できない。
- 相手の立場になって考えられない。
- 一方的な会話になってしまう。
- 喩え話、裏の意味が伝わらない。
- 思いついたことをよく考えずに話す。
かなり大変そうですね。
そして、上手く相手とコミュニケーションがとれないことを本人はとても悩んでいます。
それでも、自分の発達障害の特性を理解してくれている人たち(例:家族・友達・先生など)となら、まだ不安を感じることは少ないでしょう。
しかし、イベントに参加すれば、自分の発達障害の特性を知らない人たちとのコミュニケーションが求められる場合もあります。
そうして「上手くコミュニケーションが取れるだろうか。相手が不愉快になったり、怒り出したりしないだろうか…」などと考えている間に不安になってしまいます。
感覚過敏
発達障害の子供が抱えている症状の一つで、外見からは分かりづらい症状です。以下に感覚過敏の一例(外出に関係)を挙げます。
太陽や蛍光灯の光、紙の白さが異常に眩しく感じる。人が多いところに行く(視覚情報が一度に飛び込んでくる)と具合が悪くなる。
会話している人の声と周りの声が混ざり合って分からなくなる。普通の音が異常に大きく感じる。小さい音が異常に気になる。
人の多い場所や公共の交通機関(電車・バス等)での体臭や香水、化粧品、衣類などのニオイで気分が悪くなる。
人に触れられることが苦手。雨や風が当たると不快感や痛みがある。
これでは、イベントに参加する以前に、外出自体が不安になってしまいますよね。
不安要素への対策
発達障害のイベントへの参加の前に立ちはだかる不安材料を3つ紹介しました。
いずれも手強そうですね。しかし、全くのお手上げというわけではありません。
これから、いくつかの対策を紹介します。
もちろん、不安要素がすべて無くなるわけではありませんが、不安や悩みが小さくなり、発達障害のイベント参加へのハードルを下げることは出来るでしょう。
見えないヘルプに気づいてもらう
想像してみてください。
「見た目には分からないが、周囲の理解や助けが必要です」というメッセージを「相手に気づいてもらう」ことができたらどうでしょう。
発達障害のイベント参加への不安や悩みはかなり軽減するのではないでしょうか。しかし、そんなことが可能なのでしょうか。
ヘルプマーク
「ヘルプマーク」という言葉を知っていますか。これはまさに「見えないヘルプに気づいてもらうためのマーク」のことです。
2012年に東京都から始まった取り組みで、現在はほぼ全国の自治体に広がっています。
このマークをカバンやバックに付けておくことで、相手に「ヘルプ」を気づいてもらえます。その都度、自分から相手に伝えなくても良いので気持ちが楽ですよね。
それに、発達障害のイベントに参加するような人たちは、ヘルプマークを知っている割合が高いでしょうから、ヘルプマークの活用は効果的です。
ヘルプマークについて、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
感覚過敏のマーク
ヘルプマークと同じ考え方で「感覚過敏のマーク」を制作している人も居ます。
まずは、こちらの動画を観てください。
どうですか。すごく可愛い動物キャラクターですよね。これなら、子供たちも喜んで、カバンなどに付けるのではないでしょうか。
ヘルプマークにしても、感覚過敏のマークにしても、カバンなどに付けることによって、意思表示をすることができます。
また、マークに興味関心を持った人に説明をするきっかけにもなります。コミュニケーションが苦手な発達障害の子供たちにとって、頼もしいサポーターになってくれそうですね。
感覚過敏を軽減するグッツを紹介
感覚過敏を軽減するグッツは数多く商品化されています。代表的なものをいくつか紹介してみましょう。
イヤーマフ
デジタル耳栓
サングラス
いかがでしょうか。感覚過敏による症状が軽減されれば、外出への不安も小さくなり、イベントへの参加もしやすくなるのではないでしょうか。
放課後等デイサービス
イベントに参加するなら、人とのコミュニケーションや集団の雰囲気に慣れておく必要があります。
そのため、事前にトレーニングを行なって、子供たちに自信をつけさせておくことは有効な対策です。
トレーニングは家庭でもできますが、発達障害の専門知識を持つスタッフによる指導を活用する選択肢も効果的です。
そこで、オススメなのが放課後等デイサービスです。
利用するには市役所での手続が必要になりますが、放課後等デイサービスの利用にはいくつかのメリットがあります。
今回のテーマである「発達障害のイベント参加」に役立つメリットを書き出してみましょう。
- 発達障害の知識を持ったスタッフが対応するので、誤解や偏見の心配がなく学べる。
- 外出した時に必要となるコミュニケーションスキルを学ぶことができる。
- デーサービスでは複数の子供やスタッフと一緒に過ごすことになるので、発達障害のイベントに近い雰囲気を味わえる。
- 商業施設に出かけたり、地域のイベントに参加する機会もあり、社会経験を積むことができる。
- お母さん同士の情報交換の場として活用できる。
興味を持たれたお母さんは、お近くのデイサービスに相談してみてはどうでしょうか。
横浜市を中心に活動を行なっている放課後等デイサービス「運動・学習療育アップ」では、発達障害に対する専門知識を持ったスタッフが、小学校~高校生までの幅広い子供たちの療育を行なっています。
子供たちが外出した時に困らないように、コミュニケーションや社会性のスキルを学びつつ、運動や学習の指導も熱心です。
デイサービスの体験・見学も随時行なっていますよ。
▷▷▷アップの活動内容を詳しく知りたいお母さんはこちら◁◁◁
実際にイベントを探そう
これまでに、イベント参加のメリットとその不安材料、及び対策について解説しました。あとはイベントを探すだけですね。
でも、どうやって探せば良いのでしょうか。ここで立ち止まってしまってはもったいないです。それでは最後に、イベントの探し方をいくつか紹介しますね。
パンフレット・ポスター
イベント告知のポスターやパンフレットは意外と身近にあります。私の地域を一例にあげますね。
- 発達障害者支援センター
- 市役所
- 放課後等デイサービス
- 図書館
このように、公共機関や福祉サービス施設などで見つけることができます。あと、スーパーやコンビニなどでもポスターを見かけたことがあります。
意識すれば身近な場所に意外とあるみたいですね。
ネット検索
スマホが一台あれば、全国のイベントを簡単に検索することができます。本当に便利な世の中ですよね。ただし、情報が多すぎて困ってしまうのも事実です。
そこで、効率良く発達障害のイベントを調べるなら、覚えておきたいサイトを2つ紹介しますね。
こくちーずプロ
このサイトは、様々なジャンルのイベントを網羅的に検索することができます。
そして、発達障害に関しては「発達障害イベント特集」という特設コーナーが設置されています。ここから検索すると簡単ですよ。
発達障害2.0
このサイトは「発達障害の当事者向け」のイベントを掲載してあるのが特徴です。絞り込み機能も充実しおり、オンラインでのイベントの情報を調べやすくなっています。
オンライン・イベントの場合、ネットに接続できる環境であればどこからでも参加できます。直接人に会う必要がないので「コミュニケーション」「感覚過敏」などの心配が減りますね。
まとめ
今回の記事では、発達障害のイベントに参加するメリットとその不安要素、及び対策について解説しました。
「これなら、できそう」と思えたものがあったなら、思い切ってはじめてみませんか。
それがどんなに小さな一歩でも、やがてお母さんの子供の人生に大きな影響を与えるかもしれません。
この記事を読んでくれたお母さんと子供が、素敵なイベントに出会えますように願っています。